中学受験における集団塾と個別指導塾の併用はアリ?効果的な掛け持ち戦略と成功のコツ
中学受験を目指すご家庭の中には、「塾を掛け持ちしたほうが成績が伸びるのでは?」と考える方も多いでしょう。近年では、集団塾と個別指導塾を併用する家庭が増えており、実際に約3割の生徒が塾の掛け持ちを経験しています。しかし、すべての生徒が効果を実感できるわけではありません。うまく活用すれば成績が飛躍的に向上する一方で、やり方を間違えると時間やお金の無駄になりかねません。
今回は、塾の併用のメリット・デメリット、成功するための学習戦略、そしてモチベーションを維持する工夫について詳しく解説していきます。
1. なぜ塾の掛け持ちが増えているのか?
塾の授業スタイルは年々多様化しており、集団指導、個別指導、オンライン指導など、選択肢が増えています。その結果、「科目ごとに最適な指導方法を選びたい」「集団塾での授業を補完したい」といった理由で、複数の塾を併用する家庭が増えているのです。
また、大手進学塾では授業の進度が速く、復習が追いつかないケースが少なくありません。そうした場合、個別指導塾を活用して授業内容のフォローをすることで、理解度を深めることができます。
しかし、ただ単に塾を増やせば成績が上がるわけではありません。次の章では、塾の掛け持ちによるメリットとデメリットを整理していきます。
塾掛け持ちには中学受験ならではの特殊な事情も
中学受験では高校、大学受験と異なり小学校では中学受験の対策になる授業は一切受けることができません。中学受験をしない前提のカリキュラム設定になっているので当然です。中学や高校はその先の受験が念頭にあるため受験を突破できるような指導を展開します。その上で補完的役割を果たすために塾に行けばいいので一つで済みますが中学受験は受験のための授業を塾で受けるしかありません。そのため塾で初めて教わることが多く、しっかりと復習をしないと意味がありません。大学受験のように最初から復習のような目線で授業を受けられる環境が整っていないため、復習をしっかりできる子でなければついていけなくなるのは当たり前なのです。
つまり家での復習がカギを握るわけですが小学生が学校に行ったあと塾をこなしそのあと復習までやれるかというと難しいのです。親がしっかりとサポートするしかないですが昨今は共働き家庭が増え母親がサポートに回れないことも。また中学受験経験のない親御様は算数の特殊算(つるかめ、和差算等)の計算などを子供にしっかりわかるように説明することは難しく下手に教えると子供はこんがらがってしまい算数が嫌いになってしまいます。
そのため大学受験でいうところの高校の授業を大手予備校の授業ととらえ復習をする場所として個別指導をサポート塾とし選ぶという家庭が多くなっています。
2. 塾を掛け持ちするメリット
① 苦手科目を重点的に対策できる
例えば、得意な科目は集団塾で学び、苦手科目は個別指導で補強する方法が効果的です。個別指導では、生徒一人ひとりの理解度に合わせた学習が可能なため、ピンポイントで弱点を克服できます。
成功事例:理社は家庭での復習で仕上げられるのに対し国算の復習はプロにお願いしたい。家での復習は理科社会と国語の暗記部分にとどめて国語の長文読解や算数は個別指導塾で復習をしっかりとするようにした結果苦手科目を作らず安定して得点することができるようになった。
② 学習範囲の漏れを防げる
一つの塾だけでは、カリキュラムの特性上、網羅できない分野が出てくる可能性があります。複数の塾を併用することで、より幅広い知識を身につけることができます。
例えば、大手進学塾のカリキュラムでは扱われない特殊な入試問題に対応するために、別の塾で補強するケースもあります。
③ 自分に合った講師や学習方法を選べる
集団塾と個別指導塾では、講師の教え方や学習スタイルが異なります。複数の塾を活用することで、自分に合った指導法を見つけやすくなります。
具体例:
サ〇ックス集団塾の授業では質問しづらく授業終わりは長蛇の列、理解が追いつかないことが多かったため、個別指導塾でフォローを受けることにしました。個別指導では、講師に自由に質問ができる環境があり、理解度が格段に向上しました。またサ〇ックスなど一部の集団授業塾では自習室が無く復習を集中できる環境でできませんでした。そこで個別指導塾をつけ指導時間以外も教室を利用して自習し安定して成績を伸ばすことができました。
④ 時間を有効活用できる
例えば、平日は通学圏内の個別指導塾で学び、週末は遠方の進学塾に通うといった工夫をすることで、限られた時間を効率的に使うことができます。また子供が使いこなせるのであればオンライン授業もコロナ禍以降は急激に発達しているため活用を推奨します。
3. 塾の掛け持ちで失敗しやすいパターン
① 目的が不明確なまま塾を増やしてしまう
「周りが掛け持ちしているから」という理由だけで塾を増やしてしまうと、どの塾も中途半端になり、学習効果が得られません。まずは、なぜ塾を増やすのかを明確にすることが重要です。
② 同じ科目を複数の塾で学ぶ
例えば、算数を進学塾と個別指導塾の両方で学ぶ場合、それぞれの指導方針が異なると混乱しやすくなります。また、重複する内容の学習が増えることで、効率が悪くなります。
③ 学習の負担が増えすぎる
塾を掛け持ちすると、宿題や授業の予習・復習の量が増えます。その結果、子どもが疲れてしまい、モチベーションが低下することもあります。
解決策:
✔︎ 授業の復習を優先し、必要以上に新しい教材に手を出さない
✔︎ 週に1日は「完全オフの日」を作り、リフレッシュする
4. 効果的な学習戦略とモチベーション維持の工夫
① 学習計画を立てる
塾の併用をする場合、学習計画が重要です。どの塾で何を学ぶのかを明確にし、無駄のない学習スケジュールを作りましょう。
例:
- 月・水・金:進学塾(算数・理科)
- 火・木:個別指導塾(国語・社会)
- 土:過去問演習
- 日:休息または復習
② モチベーションを維持する仕組みを作る
長期的に学習を続けるためには、モチベーション管理が不可欠です。
方法:
- 目標を細かく設定する(例:「次の模試で偏差値+3を目指す」)
- ご褒美制度を導入する(例:「1週間頑張ったら好きな本を買う」)
- 学習の進捗を見える化する(チェックリストを作成する)
エサで釣るようなやり方ですが中学受験において子供が自ら頑張るということは非常に大切なことです。中学受験にありがちなのですが親が熱心で子供に全然やる気がない状態が多いこと。子供は親に怒られないようにすることだけがモチベーションになっているケースが散見します。それでも中学受験は成功するかもしれませんが長続きしません。中学以降親が学校生活に多干渉するわけにもいかず、反抗期も本格化すればやらされていた勉強はすべて放り出して深海魚生活まっしぐらです。子供が自分のために努力するという意識を持たせるためにもモチベーションを維持させることは非常に大切なことなのです。
③ 親のサポートを工夫する
親が不安だからといって、無理に塾を増やすのは逆効果です。まずは、現在の塾の先生と相談し、子どもの状況を把握した上で掛け持ちの必要性を判断しましょう。ただし金の無心になっている塾に相談するのはご注意を。不安を利用しカモにされてはたまりません。塾は授業を増やせば増やすだけ儲かります。集団授業では人数の大小に差異はないためここぞとばかりに追加
5. まとめ:成功する掛け持ちのポイント
✅ 目的を明確にする(苦手科目の補強、進学塾のフォローなど)
✅ 科目ごとに塾を使い分ける(重複を避ける)
✅ 学習計画を立てて、無理のないスケジュールにする
✅ モチベーションを維持する工夫をする
塾の掛け持ちは、適切に活用すれば大きな効果を発揮します。ただし、やみくもに増やすのではなく、戦略的に活用することが大切です。お子さんにとって最適な学習環境を整え、中学受験を成功へと導きましょう!