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中学受験を控えた保護者の皆様、こんにちは。INSPIRE ACADEMYです
日々のサポート、本当にお疲れ様です。
受験学年になると、毎週のようにテストや模試の結果に一喜一憂してしまうことも多いですよね。「A塾の模試では偏差値60だったのに、B塾の模試では50しかない…どちらが本当の実力なの?」と不安になったことはありませんか?
実は、模試は「主催する塾」によって、その役割も、受けている受験生の層(母集団)も、出題のクセもまったく異なります。
今回は、中学受験界の4大塾である「日能研・サピックス・四谷大塚・早稲田アカデミー」の模試の違いを徹底解剖。偏差値の数字に振り回されず、お子様の実力を正しく把握するための「模試の歩き方」をお伝えします。
1. 4大塾の模試それぞれの特徴と活用法
まずは各塾が主催する模試の「性格」を理解しましょう。
日能研:日本最大級のデータ力「全国公開模試」
日能研の最大の強みは、長年の蓄積データと幅広い受験者層です。
- 特徴:中堅校から難関校まで、最も幅広い学力層が受験します。そのため、基礎から応用までバランスよく出題されます。
- 判定:有名な「R4偏差値(合格可能性80%ライン)」は、中学受験界の共通言語のようになっています。
- ここがポイント:問題用紙に正答率が表示されるなど、復習のしやすさが設計されています。「基礎が抜けていないか」を確認する健康診断として最適です。
サピックス:最難関への登竜門「サピックスオープン」
御三家や最難関校を目指すなら避けて通れないのがサピックスの模試です。
- 特徴:受験者のレベルが非常に高いのが特徴。他塾のトップ層も腕試しに受けに来るため、問題の難易度は4大塾の中で最も高い傾向にあります。
- 判定:志望校別サピックスオープンでは、Aタイプ(知識・定石)とBタイプ(思考・記述)に分けて適性を判定してくれます。
- ここがポイント:中堅校志望の場合、難しすぎて参考になりにくい場合があります。「難関校志望者のなかで、自分がどの位置にいるか」を知るための模試です。
四谷大塚:受験生のスタンダート「合不合判定テスト」
6年生の後半、多くの受験生が受けるのがこの「合不合」です。
- 特徴:他塾生(早稲田アカデミー生など)や個人受験生も多く参加するため、首都圏で最も標準的な立ち位置を知ることができると言われています。
- 判定:非常に細かい資料が返却され、志望校内での順位や、併願パターンのシミュレーションに役立ちます。
- ここがポイント:本番に近い形式や雰囲気を味わえるため、「場慣れ」としても非常に重要です。
早稲田アカデミー:志望校への執念「NNオープン」
早稲田アカデミーは、普段のカリキュラムテスト(組分けテスト)は四谷大塚のものを使用していますが、独自模試として有名なのが「NN(何が何でも)志望校別オープン」です。
- 特徴:開成、麻布、桜蔭、早慶付属など、特定の難関校に特化した模試です。
- 判定:その学校の入試問題の「そっくり模試」であり、合格可能性をダイレクトに測ります。
- ここがポイント:一般的な偏差値ではなく、「その学校の問題との相性」を見るのに特化しています。
2. なぜ塾によって「偏差値」がこんなに違うの?
「サピックスで偏差値50だったのに、四谷大塚では58だった。成績が伸びたの?」
そう思いたいところですが、これは「ものさし」が違うだけなのです。
母集団(ライバル)のレベルが違う
偏差値は「平均点を偏差値50」として、そこからの距離を示す数値です。
- サピックス:元々成績上位層が多く集まっているため、平均点が高くなります。その中で平均を取るのは大変なので、偏差値は低く出ます。
- 日能研・四谷大塚:幅広い層が受けるため、サピックスに比べると偏差値は高く出やすい傾向にあります。
親御さんが知っておくべき「換算」の目安
ざっくりとした感覚値ですが、以下のような関係性がよく言われます。
サピックス偏差値 +(8〜10) ≒ 四谷大塚・日能研偏差値
例えば、サピックスで偏差値50(真ん中)のお子様は、首都圏全体(四谷大塚など)で見ると偏差値60(上位層)に位置する可能性があります。
※あくまで目安であり、科目や年度によって変動します。
3. 科目別・塾別出題トレンド分析
問題の作り方にも、各塾の「育てたい生徒像」が現れます。
【算数】ひらめきか、処理能力か
- サピックス:思考力重視。見たことのない設定の問題を与えられ、その場で規則性を見つけるような「ひらめき」と「論理性」が問われます。
- 四谷大塚・日能研:典型題の応用が中心。計算力や、習った解法を正確に使いこなす「処理能力」が重視されます。日能研は問題文が長めで、状況を読み解く力が求められることも。
【国語】記述のサピックス、長文の日能研
- サピックス:記述量が圧倒的。Bタイプ問題では、本文の深い理解に加え、自分の言葉で表現する高度な記述力が求められます。
- 日能研:素材文の選定に定評があります。文章量が多く、素早く要点を掴む速読力が必要です。選択肢問題も紛らわしいものが多く、精読力が試されます。
- 四谷大塚:バランス型。漢字・語句から記述まで標準的で、入試のスタンダードに近い構成です。
【理科・社会】知識か、資料読み取りか
近年はどの塾も「知識偏重」から「資料読み取り・思考力」へシフトしていますが、特にサピックスや日能研の公立中高一貫校対応模試などでは、初見のグラフや実験データを読み解く問題が多く出題されます。
4. 模試結果を合格につなげる実務的アドバイス
模試は「受けっぱなし」が一番もったいないです。結果表が返ってきたら、偏差値を見る前に以下の3点を確認しましょう。
- 「正答率50%以上の問題」を落としていないか?
難問(正答率10%以下)が解けたかどうかも嬉しいですが、合否を分けるのは「みんなが解けている問題を落とさないこと」です。ここを埋めるだけで偏差値は5近く上がります。 - 志望校の傾向と合っているか?
例えば、記述がない学校を志望しているのに、記述重視の模試で点が取れなくてもあまり気にする必要はありません。6年生後半は、模試の成績よりも「過去問の出来」を優先してください。 - 偏差値は「点」ではなく「線」で見る
1回の結果で叱ったり褒めたりせず、3ヶ月程度の推移(トレンド)を見ましょう。「下がっているけれど、苦手な図形分野だったから仕方ない」など、冷静な分析ができます。
5. よくある質問(FAQ)
Q1:志望校判定が20%でした。諦めさせるべきでしょうか?
A: まだ諦める必要はありません。特に6年前半までの判定は、基礎力の完成度を示しているに過ぎません。志望校の過去問との相性が良ければ、大逆転は十分にあり得ます。逆に80%でも、油断すれば落ちます。判定は「今の立ち位置」として冷静に受け止めましょう。
Q2:他塾の模試も受けたほうがいいですか?
A: 6年生の「四谷大塚 合不合判定テスト」は、立ち位置確認のために他塾生も受けることをおすすめします。逆に、基礎が固まっていない時期に難度の高いサピックスオープンを無理に受けると、自信を喪失するリスクがあるので注意が必要です。
Q3:日能研の公開模試と合不合、どちらを信じればいいですか?
A: どちらも信頼性が高いですが、一般的に日能研生は自塾の模試(公開模試)のデータを、それ以外の塾生は四谷大塚の合不合をベースに併願作戦を立てるのがスムーズです。異なる「ものさし」を混ぜると混乱の元になります。
まとめ
模試は、お子様を評価するための道具ではなく、「弱点を見つけるための地図」です。
- サピックスは最難関向けのハイレベルな地図。
- 日能研・四谷大塚は全体を見渡せる標準的な地図。
- 早稲田アカデミーは特定校への詳細な地図。
それぞれの特徴を理解し、偏差値という数字の魔法に惑わされず、お子様の「できたこと」と「これから伸ばせること」に目を向けてあげてくださいね。
春の合格に向けて、一緒に頑張りましょう!
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