お試し受験の合格後・不合格後にとるべき行動と判断基準【現役塾講師が解説】


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お試し受験が今日から始まりました。お子さまが初めて試験会場に向かう姿を見送った保護者の皆さま、お疲れさまです。

「合格通知が届いたら、もう他校の受験はやめてよい?」
「不合格だったら、どう声をかければいい?併願校を変えるべき?」
「そもそも、お試し受験は何校受けるのが適切なの?」

長年、中学受験の現場で多くの親子を見てきた私から、合格後・不合格後にとるべき具体的な行動と判断基準を整理してお伝えします。情報に振り回されず、冷静に2月本番へ向かうための道しるべとしてご活用ください。

お試し受験とは?その目的と位置づけ

お試し受験(前受け受験)とは、東京・神奈川の2月1日入試解禁前に、埼玉(1月10日~)や千葉(1月20日~)の中学校を受験することを指します。

主な目的は以下の3点です。

  • 入試本番の場慣れ:試験会場の雰囲気、緊張感、時間配分などを体験し、2月本番での過度な緊張を防ぐ
  • 合格実績の確保:1校でも合格を手にすることで、精神的な余裕を持って第一志望校に臨める
  • 実力の確認:模試とは異なる「実戦」で、現在地を把握し、最終調整に活かす

お試し受験は、単なる「練習」ではなく、2月本番を成功させるための戦略的なステップです。


合格後にとるべき行動

お試し受験で合格通知を受け取った保護者がまず行うべきことは、以下の実務手順です。

1. 合格通知の確認と期日の把握

  • 合格通知が届いたら、入学手続きの期日と必要書類を即座に確認してください。
  • 多くの学校は「2月1日~5日の間に手続き完了」を求めます。うっかり忘れると合格が無効になることもあります。

2. 志望度の再評価

  • 「この学校に進学する可能性は現実的にあるか?」を家族で話し合いましょう。
  • もし「行く気がある」なら:合格を確保できたことで精神的に余裕が生まれます。この安心感を2月本番に活かしましょう。

3. 2月本番に向けた学習調整

  • 合格したからといって、学習ペースを落とすのは禁物です。過去問の分析と弱点補強を継続してください。
  • 塾の先生と「合格した学校のレベル」を照らし合わせ、第一志望校に向けた優先改修点を確認しましょう。

4. 併願プランの見直し

  • 「もう1校、お試し受験を追加するか?」を検討するタイミングです(詳細は後述)。
  • 合格校が安全圏なら、さらに上位校へのチャレンジ受験も選択肢です。

5. 受験本番の流れを振り返る

  • 当日の移動時間、試験会場の雰囲気、持ち物の過不足などを家族で振り返り、2月本番の改善点を洗い出しましょう。

不合格(落ちた)場合にとるべき行動

お試し受験で不合格だった場合も、冷静に次の手を打つことが重要です。

1. 感情的反応を抑える

  • 保護者が動揺すると、お子さんの不安が増幅します。まず深呼吸をして、「これは貴重なデータ」と捉えましょう。
  • お試し受験での不合格は、2月本番での失敗を避けるための”早期警告”です。

2. 全落ちを避けるための安全校戦略

  • 不合格を受けて、併願校に「確実に合格できるレベルの安全校」を1校以上追加しましょう。
  • 全落ちは親の戦略ミスが9割です。偏差値を1~2ランク下げた安全校の確保が必須です。

3. 過度な方針変更は原則不要

  • 1校の不合格で、志望校全体を見直す必要はありません。まずは「どの科目・分野でミスが多かったか」を分析しましょう。
  • 塾の先生に答案(自己採点結果)を見せ、具体的な改善ポイントを特定してください。

4. 過去問の振り返りで優先改修点を作る

  • 不合格だった学校の過去問と照らし合わせ、「時間配分」「問題の取捨選択」「ケアレスミス」のどれが原因かを明確にします。
  • 改善策をリスト化し、次の受験までに1つずつ実行しましょう。

5. 塾と面談して翌日の行動を決める

  • 不合格の結果を受け、塾の先生と緊急面談を設定してください。併願校の追加や、学習計画の微調整を相談しましょう。
  • 先生からの客観的なアドバイスが、冷静な判断を助けます。

お試し受験は何校くらい受けるべきか

お試し受験の適切な校数は、1~2校が目安です。以下にその理由を示します。

1~2校が適切な理由

  1. 体調管理の観点
    受験の頻度が高いと、体調を崩すリスクが増えます。小6の1月は体力的にも精神的にも負荷が大きい時期です。
  2. 学習時間の確保
    3校以上受けると、移動・試験・結果確認で2月本番の過去問対策時間が削られます。本命校への準備が手薄になるリスクがあります。
  3. 情報収集のバランス
    1校では「場慣れ」の効果が限定的ですが、2校受ければ「合格の喜び」と「不合格の悔しさ」の両方を体験できる可能性が高まります。

首都圏の平均出願校数データ

首都圏模試センターによれば、2018年時点で1受験生あたりの平均出願校数は6.53校でした。このうち1月のお試し受験は1~2校、2月の本番が4~5校という配分が一般的です。


合格後にもう一度受けるべきか

「理想はもう1校(2月本番に備えるため)」ですが、既に満足して行く気があるなら無理しないというのが現実的な判断基準です。

もう一度受けるべきケース

  • 合格校が「行く気のない学校」:精神的余裕は得られたが、進学先として納得していない場合、さらに上位校を受験して選択肢を広げる価値があります。
  • 第一志望校との偏差値差が大きい:お試し受験が安全校すぎた場合、もう1校「チャレンジ校」を追加して実力を確認しましょう。
  • お子さんが「もう1回受けたい」と言っている:本人のモチベーションが高い場合、経験を積む意味でも追加受験は有効です。

無理に受けなくてよいケース

  • 合格校に進学する意思がある:安心感を得られたなら、2月本番に集中する方が賢明です。
  • 体調・疲労が心配:お子さんの様子を最優先に。無理な受験は逆効果です。
  • 2月の併願校が十分に整っている:既に安全校・実力相応校・チャレンジ校のバランスが取れていれば、追加は不要です。

不合格だったときの併願戦略

お試し受験で不合格だった場合、まずは安全校を確保し、志望レベルの見直しタイミングを見極め、精神的ケアを丁寧に行うことが重要です。

1. まずは安全校を確保する

  • 不合格を受けて最初にすべきことは、「確実に合格できる偏差値帯の学校」を1校追加することです。
  • 最近の傾向ではひとり平均5~6校を受験しており、このうち安全校は1~2校が標準です。

2. 志望レベルの見直しタイミング

  • 1校の不合格で全体を変える必要はありませんが、2校連続で不合格なら、偏差値帯を1ランク下げた学校を追加検討しましょう。
  • 塾の先生と「現在の実力」を再確認し、チャレンジ校・実力相応校・安全校のバランスを調整してください。

3. 精神的ケアの方法

  • 不合格を経験したお子さんには、「今回の失敗が2月本番での成功につながる」と前向きに伝えることが大切です。
  • 具体的な声かけ例は次項で紹介します。

保護者の声かけ

お試し受験後の声かけは、お子さんの精神状態を大きく左右します。

肯定フレーズ(合格時)

  1. 「よく頑張ったね。これで2月も安心して挑戦できるよ」
    → 合格の喜びを認めつつ、次への意欲を引き出します。
  2. 「入試本番の流れが分かったね。今日の経験を2月に活かそう」
    → 「合格がゴール」ではなく、プロセスを評価します。
  3. 「この学校に行くかどうかは、2月の結果を見てから家族で決めよう」
    → 保護者が冷静に選択肢を整理していることを伝えます。

肯定フレーズ(不合格時)

  1. 「今回分かったことを、次に活かせば大丈夫」
    → 失敗を「学び」に変える視点を示します。
  2. 「本番はこれから。今日の悔しさをバネにしよう」
    → 前向きなメッセージで気持ちを切り替えさせます。
  3. 「試験会場の雰囲気を体験できたのは、とても価値があるよ」
    → 不合格でも「得たもの」に目を向けさせます。

NGフレーズ(絶対に避ける)

  1. 「なんでこんな学校に落ちたの?」
    → お子さんを責めると、自信を完全に失います。
  2. 「もう第一志望は無理かも…」
    → 保護者の不安を伝えると、お子さんはさらに追い詰められます。

直近の出願動向と家庭の実際の動き

2026年度入試の出願動向について、最新データをもとに整理します。

埼玉県の出願者数が大幅減少

埼玉県は1月5日時点で、2026年度入試の出願者数が前年度比5,285人減(7万1,314人)と発表しました[Yahoo!ニュース]。近年増加傾向にあった出願者数が減少に転じたことは、「お試し受験の見直し」が進んでいる可能性を示唆しています。

特に栄東中学の出願者数が前年度比で100人単位で減少しており、人気校でも「お試し」目的の出願が控えられている傾向が見られます。

堅実志向と「場慣れ」重視の家庭が増加

2026年度はサンデーショックの影響で、「確実に合格できる学校を選ぶ」「お試し受験で場慣れを優先する」という堅実志向が強まっています

女子受験生の志望動向は前年並みを維持しているものの、男子の志望者数はやや減少傾向です[Yahoo!ニュース]。

「合格後に進学しない」選択肢も一般化

合格したけど進学はせず、公立中に行くという選択肢も多くの家庭で検討されているとのことです。お試し受験は「合格実績の確保」が目的であり、必ずしも進学を前提としない家庭が増えています。


よくある質問Q&A

Q1. お試し受験で不合格だったら、もう第一志望は諦めるべき?

A. いいえ、諦める必要はありません。お試し受験は「現在地の確認」です。不合格の原因を分析し、弱点を補強すれば、2月本番で逆転できる可能性は十分あります。

Q2. 合格した学校に入学手続きをしないと、失礼にあたる?

A. 入学の意思がない場合、手続きをしないことは一般的です。学校側も「お試し受験」の存在を理解しています。ただし、合格辞退の連絡は丁寧に行いましょう。

Q3. お試し受験は何校まで受けられますか?

A. 制度上の上限はありませんが、体調管理と学習時間の確保を考えると、1~2校が現実的な目安です。

Q4. お試し受験の結果を、塾の先生にすぐ報告すべき?

A. はい、合格・不合格にかかわらず、結果が出たらすぐに報告してください。先生は結果をもとに併願校の調整や学習計画の見直しを提案できます。

Q5. 2月本番の前に、お試し受験で不合格を経験させた方がよい?

A. お子さんの性格によります。不合格を経験することで「奮起する」タイプなら効果的ですが、「自信を失う」タイプなら合格を確保する方が賢明です。


まとめ

お試し受験の合格・不合格に関わらず、2月本番を成功させるためにやるべきことを3つにまとめます。

  1. 合格通知・不合格通知を冷静に確認し、家族で次の一手を話し合う
    感情的にならず、入学手続きの期日や併願校の調整を具体的に決めましょう。
  2. 塾の先生と面談を設定し、結果を共有して併願プランを再確認する
    専門家の客観的なアドバイスが、最適な戦略を導きます。
  3. 2月本番の過去問対策を継続し、弱点補強に集中する
    お試し受験の結果に一喜一憂せず、第一志望校への準備を止めないことが最重要です。

お試し受験は、あくまで2月本番を成功させるための通過点です。結果を次に活かし、最高の形で2月1日を迎えましょう。


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