中学受験と親の関わり方:仕事との両立は可能か?
3月、新たなステージへの準備期間
春の訪れとともに、卒業・卒園のシーズンがやってきます。お子さんの成長に伴い、親としての生活スタイルも変化する時期ですね。特に中学受験を考えている家庭では、働き方の見直しが必要になるケースも少なくありません。ここでは、中学受験に向けた親のサポートの必要性や、仕事との両立について考えていきます。
なぜ中学受験は「親子の挑戦」なのか?
中学受験は多くの家庭で小学4年生(小学3年生の終わり)から本格的にスタートします。しかし、小学生にとって勉強よりも遊びのほうが魅力的に感じるのは当然です。そのため、学習管理や生活習慣のサポート、モチベーションの維持など、親の関与が非常に重要になります。
特に首都圏では中学受験をする家庭が増えており、東京都では私立中学に通う生徒の割合が約20%、地域によっては40%を超えることもあります。こうした背景を踏まえると、受験のサポートが親の負担になるのは避けられません。
中学受験は当然子供が試験を受けるため様々な情報や支払いなどをすべて親がこなさなければなりません。高校や大学受験のように子供にすべて決めさせるというわけには絶対に行かないのです。
仕事と受験サポートの両立の難しさ
親の役割は多岐にわたります。塾の送り迎え、食事の準備、体調管理、学校説明会への参加など、仕事や家事と並行して進める必要があります。特に学年が上がるにつれて学習量が増え、親のサポートの負担も増していきます。
よくある課題:
- 時間が足りない
- 仕事の合間に学校説明会へ参加
- 仕事前に入試会場へ送迎
高校・大学受験とは異なり、中学受験は親の関与が不可欠です。そのため、仕事をしながら受験サポートを続けることは非常に大変なことです。

生活習慣の管理と学習スケジュール
勉強時間の確保は重要ですが、夜遅くまでの学習は逆効果です。生活リズムが崩れると、学校の授業に集中できなくなったり、体調を崩したりするリスクが高まります。
親ができるサポート
- 規則正しい生活を促す
- 受験生の健康管理(食事・睡眠)
- 気分転換の時間を設ける
- 目標達成のご褒美を用意する
志望校・塾の情報収集と選択
中学受験は情報戦でもあります。学校の特色、入試の傾向、倍率、進学実績など、親がリサーチすべき情報は膨大です。
親の役割としてできること
- 学校説明会やオープンスクールへの参加
- 入試日程や合格率のリサーチ
- 他の受験生を持つ親との情報交換
子どもだけで情報を集めるのは難しいため、積極的にサポートすることが求められます。
メンタルサポートの重要性
受験期はプレッシャーとの戦いでもあります。直前になると焦りや不安が募るものですが、それを和らげるのは親の役目です。
親が心掛けるべきこと
- 不安を感じたときは話を聞いてあげる
- 受験のプレッシャーを感じすぎないように気を配る
- 家庭内の雰囲気を明るく保つ
また、親自身が仕事でストレスを抱えていると、子どもにその影響が及ぶ可能性もあります。適度にリフレッシュすることも大切です。
受験を成功に導く整理整頓術
勉強の効率を上げるためには、学習環境を整えることが重要です。塾や学校からのプリント類が散乱していると、必要な情報を見落としてしまうことも。
整理整頓の工夫
- プリント類を一箇所にまとめる専用ケースの活用
- 重要書類のカテゴリー分け(学習用、スケジュール、お知らせなど)
- 兄弟がいる場合は個別に収納スペースを用意
勉強の習慣化とモチベーション維持
勉強を「習慣」にすることで、無理なく学習を続けることができます。
習慣化のポイント
- 決まった時間に机に向かう
- 簡単な問題から始めて成功体験を積む
- 好きな教科から取り組む
また、目標を細かく設定することで「中だるみ」を防ぐことができます。
例:
- 「今日はこの問題を全部解く」
- 「次のテストでは○点を目指す」
受験直前期のサポート
受験直前は、親のサポートがさらに重要になります。
具体的なサポート内容
- 塾への送迎(夜遅い時間帯も)
- 体調管理(感染症対策)
- 志望校の出願・手続き
- 受験当日の送迎と付き添い
特に東京都の私立中学入試は2月1日から数日間で集中して行われるため、スケジュール管理も大切です。埼玉や千葉のお試し受験を含め様々な学校に実際に出向いて受験校を調べる必要があります。
仕事を辞めるべきか?
仕事と受験サポートの両立が難しく、仕事を辞めることを考える親もいます。しかし、収入が減ることで学費や生活費の負担が増える点は考慮する必要があります。
仕事を辞める前に考えたいこと
- 正社員からパートに変更する
- 在宅勤務の機会を増やす
- シフトを調整してもらう
- サポート塾で指導を補充してもらう
- 自習室で自分で勉強できるようになってもらう
- 家庭教師をつける
仕事を続けることで気分転換ができたり、経済的な不安が軽減されたりするメリットもあります。仕事を辞めるとなると影響するのは中学受験をした2,3年ではすみません。それぞれキャリアにも関わってきますし昇進、昇給にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
親子のコミュニケーションがカギ
中学受験では、大人の視点を養うことも重要です。家庭内での会話を通じて、子どもが論理的思考を身につけられるようにサポートしましょう。
アウトプットの習慣をつける
- 「今日は何を勉強した?」と質問する
- 学んだ内容を自分の言葉で説明させる
- 分からない点があれば一緒に考える
これにより、理解を深めることができます。
まとめ
中学受験は仕事との両立が難しいと感じることもあるかもしれませんが、適切な計画とサポートで乗り越えることは可能です。家族の状況に合わせて、無理のない範囲で子どもの未来を支えていきましょう。