中学受験における御三家・新御三家とは?
そもそも御三家とは
「御三家」という言葉はもともと江戸時代の徳川将軍家に由来し、尾張・紀伊・水戸の三家が将軍家に次ぐ家格として位置付けられていました。
中学受験の分野でも「御三家」と称される学校があり、「開成」「麻布」「武蔵」の3校を指します。これらの学校は長年にわたり高い偏差値や東京大学への進学実績を誇り、名門としての地位を確立しています。前回の記事も参考にしてください
新御三家とは
近年、「新御三家」と呼ばれる学校群が注目を集めています。これは、伝統の御三家に匹敵する実績を持ち、受験生から高い人気を誇る学校を指します。
【男子新御三家】
- 駒場東邦中学校・高等学校
- 海城中学高等学校
- 巣鴨中学校・高等学校
【女子新御三家】
- 豊島岡女子学園中学校・高等学校
- 鷗友学園女子中学高等学校
- 吉祥女子中学・高等学校
以下では、新御三家の各校の特徴や入試のポイントについて詳しく紹介します。
【男子新御三家】
駒場東邦中学校・高等学校
偏差値:66
駒場東邦は東京都内でもアクセスの良い立地にあり、完全中高一貫校として知られています。自由な校風と「自主独立の気概」「科学的精神」を重んじる教育方針が特徴です。試験日は2月1日の1回のみで御三家と丸かぶりさせる強気な姿勢。近隣に筑駒がある。東大とも同じ最寄り駅のため勉強熱が高い地域である。東邦大学の付属校であり推薦枠もあるが医学部に数名進学するくらいでほぼ使われません。医学部以外の東邦大学のレベルを考えれば当然ともいえます。ちなみに推薦枠は兄弟校の千葉の御三家東邦大学付属東邦と分け合う形になりますが偏差値的に高い駒東の生徒に優先権があるそうです。しかし医学部受験生も東邦では満足できず、さらに上の御三家や国公立を目指すためやはり人気はありません。またその他の学部も早慶が滑り止めといった優秀な学生が揃っている超ハイレベル校。御三家で落ち目の武蔵よりも人気があるとも言われています。余談ですが筑駒と駒東で名前も偏差値も似通っており学校の場所まで真横なので勘違いされがち。しかし場所と進学校と名前いう点以外は案外対照的な2校。私立の駒東は温水プールまで完備されているが国立の筑駒は校舎からして年季が入りまくっています。ただし筑駒落ちが多いのも駒東生の特徴。真横にある学校なのでどうしても気になるし、目に入ってしまいます。私立と国立の差が顕著といえるでしょう。
【入試のポイント】
- 試験日:2月1日(1回のみ)
偏差値もさることながら日程が丸かぶりなため絶対に滑り止めとならない学校。御三家だとチャレンジになってしまう層が受ける。また中学受験では立地も大切な要素になるため家が御三家より近ければこちらも選択肢になる。開成他の御三家は多摩地区からは通いずらいため敬遠されがちだがこちらは井の頭線でアクセスも比較的良好なため選ばれる要素になる。
- 試験科目と配点:
- 算数・国語:各120点(60分)
- 理科・社会:各80点(40分)
- 難易度:御三家との試験日が重なるため、受験生の層が分かれるが、近年は倍率が2倍を超え難化傾向。
- 特徴的な問題:
- 国語は大問1つのみで記述問題が中心。
- 算数は時間のかかる問題が多く、計算力・思考力が求められる。
- 理科・社会では思考力や応用力を問う問題が多く、暗記だけでは対応が難しい。
- 立地
駒場東大前が最寄。渋谷や池尻からバスでも行ける。治安もよく子供を安心して通わせられる立地。
また、部活動も活発で、特に文化祭で披露される水泳部の「ウォーターボーイズ」は有名です。

海城中学高等学校
偏差値:66
海城は前身が海軍予備校であり、100年以上の歴史を持つ学校です。校風は自由すぎず、リベラルな価値観を重んじています。特に医学部への進学率が高い点が特徴です。こちらも多摩地域からアクセスがしやすいため第一志望としても人気の学校。なんか名前カッコよくね?と子供心をくすぐられて目指したがる子も多いです。
【入試のポイント】
- 試験日:2月1日・2月3日
- 試験科目と配点:
- 算数・国語:各120点(50分)
- 理科・社会:各80点(45分)
- 難易度:
- 2月1日は比較的標準的な難易度。
- 2月3日は御三家受験者の併願が増えるため、倍率が3倍近くになり難化。
- 特徴的な問題:
- 算数は発想力を求めるひねりのある問題が出題される。
- 理科・社会は基礎知識だけでなく、記述力や計算力が試される。
- 立地
新大久保駅近くに位置し、通学の利便性が高い点も人気の理由です。多摩地域からアクセス良好。
巣鴨中学校・高等学校
偏差値:64
巣鴨は男子新御三家の中で唯一高校からの募集も行っています。剣道や柔道の必修授業、「強歩大会」「早朝寒稽古」などの独特な行事があり、精神的・肉体的に強くたくましい男子を育てる教育を行っています。古き良き男子校といった校風です。
【入試のポイント】
- 試験日:2月1日・2月2日・2月4日
- 試験科目と配点:
- 算数・国語:各100点(50分)
- 理科・社会:各50点(30分)
- 算数選抜試験:100点(60分)
- 難易度:
- 2月2日・4日は御三家や新御三家の併願が増え、倍率が上がる。
- 算数選抜試験は独自の問題形式で対策が必要。
- こちらも海城同様にどうしても行きたい人は1日に受けると倍率が低いためオススメ
- 特徴的な問題:
- 算数はすべて途中式や考え方の記述が必要。
- 社会は記述問題や正誤問題が複雑。
- 理社に傾斜があるため国数で点を稼げない子は厳しい
2016年に新校舎が完成し、最新の設備が整った環境で学べる点も魅力です。
歴史が長いため水泳ではふんどしを着用する。遠泳授業では他学校もある中でふんどし行軍するためやたらと目立つ。ふんどしが嫌で入学を渋る子もいるとかいないとか。ちなみに開成もふんどしがあったりする。
- 立地
巣鴨という名前だが最寄り駅は巣鴨ではなく大塚。他にも駅はあるがどこの駅からも徒歩10分くらいかかる。本気を出せば池袋からも歩けるらしい。受験当日は駅を間違えたり迷わないように注意。
結局新御三家って御三家の滑り止めになるの?
結論言うと滑り止めにはなりません。あくまで併願校の位置づけです。どの学校も2/1に試験がありますし駒東はそこだけ。併願すらできません。新御三家の学校は、それぞれ独自の入試傾向や難易度があります。駒場東邦のように試験日が1回のみの学校もあれば、海城や巣鴨のように複数回受験のチャンスがある学校もあります。御三家には届かないけどもう少し上の学校にチャレンジしたいなという子たちの受け皿的な役割を果たしています。
受験対策のポイント
- 志望校の試験科目・配点を確認
- 例えば、駒場東邦の国語は記述が多く、海城の算数は発想力を問う問題が多い。
- 併願戦略を考える
- 2月1日は御三家と新御三家の試験が重なるため、どこを第一志望にするか慎重に判断。
- 過去問対策を徹底
- 各校の過去問を分析し、頻出パターンに慣れておく。
新御三家は、もはや併願校として軽視できない存在となっています。第一志望として受験する生徒も増えており、適切な準備が不可欠です。しっかりとした対策を行い、志望校合格を目指しましょう!