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中学受験における男女の違いとは?女子の方が難関と言われる理由を徹底解説
近年の中学受験において、「女子の方が合格が難しいのでは?」という声を耳にすることが増えてきました。特に、首都圏を中心とした私立・共学校の中では、男女で合格最低点に差がある学校が存在し、その格差が注目されています。
この記事では、「中学受験における男女の違い」をテーマに、受験傾向から出願先の選び方、試験科目ごとの戦略、さらには学校側が定員を調整する背景までを網羅的に解説します。これからお子様の受験を考える保護者の方にとっても、重要な判断材料となる内容です。
男女別に見る中学受験のトレンド
中学受験では、トップ校とされる難関校の多くが依然として男子校・女子校といった別学形式をとっていますが、近年は共学校の人気が高まっているのも事実です。
とくに女子の場合、「男子校よりも共学校を志望する傾向が強い」といった調査もあり、共学校における女子の競争率が高くなるという現象が起きています。こうした流れが、結果的に女子の合格最低点を押し上げる一因となっているのです。

男女で異なる合格最低点の実例
実際に、私立中学の合格最低点を見ると、同じ学校でも男女で合格ラインが異なるケースが珍しくありません。いくつかの例を見てみましょう。
- 早稲田実業中等部(2020年)
- 男子:194点
- 女子:214点
- 青山学院中等部(2020年)
- 男子:178点
- 女子:200点
- 渋谷教育学園渋谷(2020年)
- 1回目:男子177点、女子188点
- 2回目:男子168点、女子182点
- 3回目:男子184点、女子194点
このように、女子の方が10〜20点高い基準が設けられている学校が少なくありません。
とくに慶應中等部は男子140名、女子50名。早稲田実業中等部は男子85名、女子40名と人数で大きな差があるのも事実です。MARCHの付属も男子校はあっても女子校はほぼ(立教女学院のみ)ないため必然的に選択肢が少なくなります。そのため付属校受験を考えている場合は女子は不利になります。また明明や法二のように今は共学でももともと男子校だったという学校も多く女子枠が少ない、入学は出来ても女子を教育できる土壌がないなどの問題があります。
なぜ女子の方が合格が難しいのか?
では、なぜこのような男女での合格難易度の差が生じるのでしょうか?大きく3つの理由があります。
1. 女子の方が早熟である
多くの教育現場で語られているのが、「女子の方が精神的にも学習面でも早熟」という点です。小学生の段階で、女子は計画的にコツコツと取り組む子が多く、学力面で安定している傾向があります。
そのため、同じ偏差値でも女子の応募者層が全体的に高水準であることが多く、女子の方が合格ラインを高く設定せざるを得ない状況が生まれています。
2. 共学校に女子が集中する
共学志向が強い女子が多いため、共学校の女子枠に出願が集中しやすいという傾向があります。ところが、多くの共学校では男女別に定員を設けているため、女子枠の倍率が高騰する一方で、男子はやや入りやすい状況になっているのです。
3. 学校運営上の理由(男女比の調整)
学校側も学年のバランスを考慮して男女の在籍数を調整したいという事情があります。例えば、部活動やクラス運営、更衣室やトイレの数など、施設面・運営面での配慮が必要となるため、男女比が偏りすぎることは避けたいのが現実です。
その結果、小学生時点での成長が早い女子のほうが成績順で多くなってしまう。しかし男子枠、女子枠は別で設けられているため結果的に女子の合格最低点を高めになってしまうというからくり。男女比をバランス良く保さざるをえない学校側の都合もあります。

男女別の受験戦略:科目の重要性が異なる
受験の現場では、男女によって得意科目や試験の傾向にも違いがあります。
男子は「算数」が勝負科目
男子校や男子が多い学校では、算数の配点や難易度が高い傾向があり、算数で点を落とさないことが合格の鍵とされています。国語や理社で大きな差がつかない分、算数の出来がそのまま合否を左右するケースが目立ちます。
女子は「国語」で差がつく
女子の場合、国語の点数が非常に重要です。というのも、女子は基本的に国語が得意な子が多く、差がつきやすいのもこの科目。算数に関しては苦手意識を持つ女子も多く、あくまで「女子内での算数順位」を意識して戦略を立てる必要があります。
性差による得意科目はあまり意識する必要はなし
ただしこれらはあくまで概算にすぎません。リケジョもいれば文系科目が得意な男子もいます。ただ得意になりやすい傾向として挙げられるだけであり受験時に科目で比重が異なるわけではないので男の子なのに算数ができない…と落ち込む必要はなく国語や社会の暗記部分を伸ばしてあげればよいのです。
勉強の取り組み方の違い
勉強へのアプローチにも男女差があります。
女子の特徴
- 言われたことを真面目にこなす
- 母親との連携がしやすい
- 成績の推移が安定(あるいはやや下降傾向)
- できないことを隠しがち
男子の特徴
- モチベーション次第で急成長するケースあり
- 分からないことを素直に「分からない」と言える
- 一部には急落する子も…
男子は総じて学習意欲が後から伸びる傾向があり、一発逆転型の子も多いと言われています。一方、女子は最初から計画的に勉強を進めるタイプが多く、成績が安定している反面、限界も早く訪れがちです。
ただし成長が早い分反抗期が早めに訪れるのも女子の特徴。親主導で中学受験を進めている場合には途中で子供をコントロールすることができなくなります。男子の場合は言葉を選ばずに言えば小学校高学年でもガキんちょです。そのため時に本気で雷を落とすことも必要。しかし昨今は体罰、パワハラなどにより怒鳴りつけて起こるということを塾講師もしにくくなっています。親も怒鳴りつけてばかりいれば子供からは毒親、親ガチャ失敗などと言われのちにまで尾を引く関係性の悪化を招くことになりかねず、この時期の男子のコントロールは時代とともに難しさを増しています。
面接や校風の違い
面接に関しては、男子校では実施していない学校が多いのが特徴です。男子で面接があるのは慶應義塾の付属中学の親子面談くらいです。校風は男子校の場合学校によってかなり異なります。部活をアピールする学校、勉強特化の学校、旧軍学校をルーツとする厳しい学校、制服の指定からして緩い学校などなど様々です。自分にあっている学校を選びやすい環境です。
一方の女子校では面接が多く実施されます。ただしは実施されても形式的なものが多く、不合格の大きな原因にはなりづらいようです。服装や言動のチェックはされるものの、内容で極端に合否が分かれることは少ないという声もあります。女子高は校風を気にしていますので、あまりにも校風に合わないヤンママであったりモンペになりそうなことがないかの軽いチェックに過ぎず医学部の面接のようにそれの出来次第で合否を左右するというものではないと考えていいでしょう。女子校は校則が厳しいことが多いため理解があるかを見られる程度と思ってください。
男女で違う学校選びのポイント
男子校の魅力
- 文武両道を掲げる
- 大学進学実績を重視
- 個性を育む自由な校風
進学校がほとんどですから大学進学はどこも変わりませんがおとなしいがり勉タイプが合う学校と活発な運動部で走り回る子に合う学校など様々です。どこの学校も一癖ある学校がほとんどですのでよく見て決めましょう。文化祭に参加するだけでも掃除がいい加減だったり生徒の言動が荒い学校というのはわかります。自分に合うかをよく確かめてください。
女子校のアピール
- 英語教育に注力(留学・英検取得など)
- 文化教育(茶道・華道など)
- 感謝や礼儀を重んじる教育理念
とくに女子校では英語教育への投資が目立ち、全体として「国際志向」や「女性としての教養」を重視する傾向が見られます。女子高の場合はよくも悪くもあまり変わりありません。
まとめ:女子の中学受験は本当に難しいのか?
結論から言えば、同じレベルの学校であっても、女子の方が合格しづらい状況にあるケースが多いのは事実です。これは、小学校時点では女子の方が全体的に成績が良い、志望が共学に集中する、そして学校側が男女比を調整している――といった複数の要因が絡み合っているからです。
受験を控えたご家庭としては、こうした背景を理解したうえで、戦略的な出願先の選定や、得意科目に合わせた対策をしっかり行うことが重要です。
中学受験は、単なる学力勝負だけでなく、子どもに合った学校を見極める判断力が求められる大切な機会です。ぜひ、男女それぞれの傾向と対策を把握し、後悔のない受験を目指しましょう。