INSPIRE ACADEMY 東京都世田谷区渋谷区 オンライン授業対応可 中学受験特化個別指導予備校
中学受験に出てくる「志望校」と「受験校」って何が違うの?よく聞く用語を丁寧に解説!
中学受験を考え始めると、「志望校」「受験校」「チャレンジ校」「併願校」など、似ているようで少しずつ意味の異なる言葉がいろいろ登場してきます。
初めて耳にする保護者の方にとっては、「結局どういう意味なの?」と混乱することもあるでしょう。特に中学受験では、高校受験や大学受験と比べて少し独特な用語が使われることもあります。
今回は、中学受験の基本用語について、それぞれの意味と、実際の受験スケジュールとの関係、さらには学校ごとの配点の違いなども含めて詳しく解説していきます。
◆「志望校」と「受験校」の違い
まず最もよく聞く言葉、「志望校」と「受験校」ですが、実はこの2つは厳密には違う意味で使われています。
志望校とは?
志望校とは、お子さんやご家庭が「この学校に通いたい」と考える第一希望の学校です。実際に受験するかどうかにかかわらず、「憧れ」や「目標」として名前が挙がることもあります。
たとえば「開成中学に憧れているけど、受けるかはまだ決めていない」という場合でも、その学校は「志望校」として挙げられます。つまり偏差値にとらわれず行きたい学校ということになります。
多くのご家庭では、小学5年生の終盤から6年生にかけて本格的に志望校を絞っていき、塾などでもアンケートや面談で志望校の確認が行われます。
受験校とは?
一方、受験校は「実際に試験を受ける予定の学校」のことを指します。つまり、志望校を含めて「出願して入試を受けるすべての学校」が該当します。
受験校の中には、実際に進学を考える学校もあれば、「練習のために受ける学校」もあります。
6年生の冬に受ける学校のことを指します。◆出願校とは?「受験校」との違い
さらにややこしいのが「出願校」。これは「願書を提出した学校」のことを指します。つまり「受けるつもりで出願したけど、当日欠席する」ことも含め、手続きを行った学校全体を指す言葉です。
今の中学受験では複数出願してダブルブッキングすることも珍しくなく当日行きたいほうに行くという家庭も少なくありません。
ただし、日常会話や説明会では「受験校」と「出願校」を明確に区別せず、同じ意味で使うことも少なくありません。
◆チャレンジ校とは?自分の偏差値より高めの学校
中学受験でよく出てくる「チャレンジ校」は、現時点の学力では合格が難しいとされる、偏差値的に高めの学校のことを言います。
偏差値でいうと、現在の実力より5ポイント以上高い学校がチャレンジ校にあたります。
「第一志望=チャレンジ校」というケースも多く見られますが、それとは別にチャレンジ校を設定し、「本番へのモチベーション」や「目標校」として据えるご家庭もあります。
仮に合格した場合の進学先をどうするかも、あらかじめ家族でしっかり話し合っておくのがおすすめです。
◆併願校とは?合格の可能性が高い“安心枠”
併願校というのは、第一志望校の合格が叶わなかった場合を想定して受験する学校です。いわゆる「滑り止め」「抑え校」「安全校」といった言葉も、すべて併願校とほぼ同じ意味で使われます。
自分の偏差値よりも5程度下の学校が多く設定される傾向があります。
併願校の役割は「合格実績を作ること」であり、第一志望の入試を前に「自信をつける」という目的もあります。そのため、1月入試が中心となる千葉や埼玉の学校を、2月の本番前に併願校として受験するご家庭も多数あります。
◆中学受験の偏差値って、高校や大学とは違うの?
偏差値という言葉自体は一般的ですが、中学受験における偏差値は、他の受験と比較するとかなり特殊な意味を持ちます。
たとえば偏差値50の学校。高校受験や大学受験では「平均レベル」と捉えがちですが、中学受験においては、これは「全国の小学生の中でも上位に位置する」ことを意味します。
というのも、中学受験の受験率自体がそもそも低いため、受験する層は比較的意識が高く、成績も優秀な子どもたちが多いのです。
・首都圏の小学6年生で受験するのは約20%
・全国的に見るとその割合は10%未満
つまり、偏差値50の学校でも、学力的には非常に高い位置にあるというわけです。
全国の人が一斉に受ける高校、大学受験とはわけが違うということですね。◆中学受験の配点制度:「傾斜配点」とは?
中学受験では、学校によって入試の配点が異なります。
すべての科目を均等に扱う「均等配点」の学校もあれば、特定の科目を重視する「傾斜配点」の学校もあります。
傾斜配点とは?
たとえば、ある学校では以下のように配点されています。
国語:100点
算数:100点
理科:50点
社会:50点
この場合、国語と算数の比重が圧倒的に高く、理科・社会が得意でも挽回しにくい構成となっています。
学校によっては、算数だけ突出して配点が高いところもあり、特に男子難関校では算数重視の傾向が顕著です。
主な配点タイプ
均等配点:筑駒、女子学院、慶應普通部など
傾斜配点(国語・算数重視):渋渋、雙葉、浦和明の星、早稲田実業、栄東など
◆配点から考える“自分に合った学校選び”
国語・算数が得意なお子さんであれば、傾斜配点の学校は非常に相性が良いです。反対に、理科や社会で得点を稼ぎたいタイプの子にとっては、均等配点の学校の方が実力を発揮しやすいでしょう。
偏差値だけでなく、配点構成も学校選びにおいて非常に重要な要素になります。
◆まとめ:用語の理解が受験戦略の第一歩
中学受験は、単に「成績が良ければ受かる」という単純な仕組みではありません。志望校の定義、受験校の選び方、チャレンジのタイミング、併願校の配置、さらには配点の傾向までをしっかりと把握し、総合的に戦略を立てていくことが必要です
言葉の違いを理解し、それぞれの学校の特徴や試験内容まで目を向けることで、より自分に合った学校選び、そして合格に向けた適切な準備ができるようになります。