中学受験の学校選びは何を基準にする?

進学校か付属校か:どちらを選ぶべきか

中学受験において、私立中学校の選択肢として「進学校」と「付属校」の2つがしばしば比較されます。それぞれ異なる特徴を持つため、どちらが適しているかは、家庭の教育方針や子どもの性格、将来の目標によって異なります。この文章では、進学校と付属校の違いや選択する際のポイントを詳しく解説します。


進学校と付属校の特徴の違い

1. 進学校とは

進学校は、大学受験で難関大学を目指すことを主な目標とした学校です。教育内容は大学受験に特化しており、通常の授業だけでなく補習や模試など、受験対策が充実しています。中学入学後から大学受験まで、一貫して学力向上を目指したカリキュラムが組まれているのが特徴です。

進学校では、生徒の勉強のピークが高校3年生に訪れます。そのため、日々の学習量や進度は多く、課題や試験もハイレベルです。競争心が強い環境で学び、努力することで目標に近づく達成感を得られる生徒に向いているといえます。

2. 付属校とは

一方、付属校は、系列の大学への内部推薦制度を利用して進学することが可能な学校です。多くの付属校では、中学受験が学習のピークになることが一般的で、入学後は内部進学に必要な成績を維持することが主な目標となります。

付属校の特色として、受験勉強から解放されるため、部活動や趣味、興味のある分野にじっくり取り組む時間が確保しやすい点が挙げられます。しかし、内部進学を保証するための成績管理が求められるため、完全に「楽ができる」というわけではありません。

付属校に入ったら安心?その勘違い

付属校は「受験から解放される」「安定して大学進学ができる」といった理由で人気があります。しかし、注意点も存在します。付属校に入学しても、希望する学部に進むためには一定の成績が必要です。成績が低い場合、進学先が限定されたり、系列大学の中でも望む分野で学べない可能性があります。

また、付属校では自律的に学ぶ姿勢が求められることが多く、「受験がないから勉強しなくていい」といった考え方では後々苦労することになります。希望学部のカリキュラムや進路情報を事前に調べ、子どもが意欲的に学び続けられる環境かどうかを見極めましょう。

MARCHの付属校に入ったのに成績が足りなくて上がれない。行きたい学部には成績が足りなくていけない。なんてことがよくある話です。結局は中に入ってからもすべて成績順です。入った瞬間はいあがり~というわけにはいきません。内部で競争です。


進学校と付属校の選び方

1. 家庭の教育方針を明確にする

進学校と付属校のどちらを選ぶべきかは、まず家庭の教育方針に基づいて考える必要があります。子どもの学力や性格、家庭の経済状況を踏まえ、どのような中学生活を送ってほしいか、どのような大学進学を目指しているかを整理しましょう。

たとえば、「将来の選択肢を広げたい」「難関大学への進学を目指したい」という場合は進学校が適しています。一方、「安定した進学ルートを確保したい」「受験勉強以外の経験を大切にしたい」という場合は付属校が向いているでしょう。

2. 併願戦略を慎重に計画する

進学校と付属校のどちらを第一志望にするかを決めたら、併願する学校も慎重に選びましょう。付属校志望の場合、進学校の併願を選択するケースが多いですが、進学校の試験対策は付属校よりも難易度が高いことがあります。そのため、試験内容や出題傾向を十分に研究する必要があります。


学校選びのポイント

1. 学校の進学実績

進学実績は、学校選びにおいて最も重要な要素のひとつです。偏差値は目安になりますが、それだけで判断するのは危険です。中学入試の時点での偏差値が低めでも、大学進学実績が優れた学校は存在します。例えば、進学校では東大・京大などの超難関大学への進学実績を重視する一方で、付属校では系列大学への進学率の高さが魅力となる場合があります。

特に付属校の場合、系列大学の学部や特色が自分の目指す分野と合致しているかどうかを確認しましょう。付属校に進学しても、希望する学部に進むには内部進学基準をクリアする必要があるため、早い段階で進路の方向性を考えることが大切です。

2. 通学の利便性

学校選びでは、通学のしやすさも見逃せないポイントです。多くの家庭では通学時間が1時間以内を目安にしていますが、電車の乗り換え回数や混雑状況、通学ルートの安全性も考慮しましょう。満員電車での長時間通学は、子どもの体力や気力を奪い、学業に悪影響を与える場合があります。

実際に子どもと一緒に通学ルートを試してみたり、通学時間帯の混雑状況を調べたりすることで、現実的に通えるかどうかを確認することをおすすめします。

3. 学費と追加費用

学校によっては学費以外にさまざまな追加費用がかかります。例えば、研修旅行や海外体験プログラム、補習授業などの費用は学校ごとに異なります。入学後に予想外の出費で困らないよう、事前にどの程度の費用が必要かを調べておきましょう。

付属校の場合、大学までの進学費用を見越して、トータルでのコストを比較するのも重要です。一方で、進学校では塾や予備校の費用がかさむことが多いため、その点も考慮する必要があります。

4. 共学か別学か

共学と男女別学のどちらが適しているかも、学校選びの重要な要素です。共学では異性との自然なコミュニケーションができる一方で、別学では異性を気にせず集中して学ぶ環境が整っています。どちらが子どもに合っているかを、保護者自身の経験や子どもの性格を参考に判断しましょう。思春期の期間を異性に触れ合わずに過ごすことはかなり大きなことなのでよく考え話し合いましょう。


悩ましい学校選び


最後に:学校選びの心構え

どの学校が子どもにとって最適かを見極めるのは簡単ではありません。学校の雰囲気や教育方針を肌で感じるためには、オープンキャンパスや説明会に足を運び、可能であれば実際の授業や校内の様子を確認しましょう。

最終的には、親の期待だけでなく、子どもの性格や希望を尊重することが大切です。「どの学校がベストか」ではなく、「どの学校が自分の子どもに合っているか」という視点で選びましょう。学校選びは、子どもの将来を見据えた大きな決断です。しっかりと情報収集を行い、後悔のない選択をしてください。

この記事を書いた人

個別指導型 中学受験専門塾 INSPIRE ACADEMY

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