家庭でできる体験学習のすすめ
中学受験における体験学習の目的は知識を単なる言葉の説明だけでなく、実際の体験を通して身につけることにあります。
体験を通じて得た記憶は子どもの中で強く残り、勉強の際にその記憶と知識が結びつくことで学習意欲が高まるのです。
子どもと遊ぶことで親子仲もよくなり理科や社会に自分から興味を持ってくれる。中学受験をする子には持ってこいのアクティビティなのです。
座学ばかりでは中学受験を乗り切れない
座学は教室で机に向かって新しい知識を学ぶことを目的としていますが、特に中学受験の年齢の子たちは座学だけでは集中力が続かず、うまくいかないことも多いです。そんなとき、体験学習の記憶が役立ちます。教室で勉強しているときにあの体験だ!と気づく瞬間が子どもの知識欲を刺激し学習への意欲を引き出します。
あらかじめ知っていることで理科や社会に対する抵抗感がなくなり自ら積極的に学んでくれるようになるばかりか苦手意識も生まれないため得意科目として育てることができます。
特に算数などは体験学習で習得するのは難しく主に理社と国語の一部に限られます。子どものうちから詰込み教育をすればいいとは限りません。うまく息抜きをさせてそれが親子のいい思い出や受験につなげることができれば最高というわけです。
家庭でできる体験学習
とはいえ毎日旅行に連れて行ったりはできませんし、親には親の都合があるというもの。教育現場での体験学習は特別な時間を作って行われることが多いですが、日々の生活の中でも同様の体験学習を行うことができます。特別な準備は必要ありません。例えば、スーパーマーケットに買い物に行った際に、野菜や果物の産地について会話することで、自然に社会科の学習ができます。最近は肉や魚にも産地が明記されているので、それらを使ってクイズ形式で子どもの興味を引き出すこともできます。
例えば季節によって並ぶ魚は違いますよね?そのことと紐づけて親潮や黒潮の話をすることもできます。産地を見てこれはどこの産地だよ!どこどこで生産してるって勉強したよね~と実際に学んだことを体験することによって定着にもっていくことができるのです。
実生活から学ぶ理科の体験
理科の体験学習も家庭で簡単に取り入れられます。例えば、寒い日に外から家に入るとメガネが曇る現象を見せて、「どうしてこうなるのかな~?」と子どもに問いかけてみましょう。すぐに答えを教えずに一緒に調べたり、同じ現象を再現したりすることで、子どもの知識欲を育むことができます。
実体験で学ぶ社会
夏休みは、特に社会科の学習において、子どもに多くの実体験をさせる絶好の機会です。例えば、低学年の子どもには、自然や体験を通して社会を身近に感じさせると良いでしょう。北海道の十勝平野や富良野で広大な地平線を見せることで、日本の広さを実感させることができます。また、芋掘りや乳搾りの体験を通じて農業や酪農に興味を持たせることも有効です。
特別な体験を通して学ぶ
旅行やお出かけなどで特別な体験をすることも、子どもの学びにとって大切です。東北の夏の三大祭りなど、子どもにとってインパクトのある体験は、その後の学習にも役立ちます。例えば、ねぶた祭りを見た経験があれば、地理の授業で青森県を学ぶ際に、その記憶が知識と結びつくことがあります。
日常生活から学びを引き出す
無理に特別な体験をさせる必要はありません。日常生活の中でも学びの機会はたくさんあります。親子で過ごす時間を通じて、子どもに多くの体験をさせることが大切です。例えば、スーパーでの買い物や日常の中の小さな発見が、子どもの知識欲を刺激し、学びに繋がります。
家庭でできる体験学習を取り入れ、子どもの知識欲を育む環境を整えてみましょう。日常の中での体験が、子どもの学習意欲を引き出し、より深い理解へと導くのです。