中学受験中でも「好きなこと」は
手放さなくていい
そう感じているお子さんや保護者の方は、少なくないと思います。でも実際には、好きなことをすべて手放した子どもが必ずしも成績を伸ばすわけではありません。むしろ、適度に息抜きができている子の方が、長い受験期間を安定して走り続けられるというのが、多くの受験現場で見られる実態です。
このページでは、受験勉強と趣味・遊びをどう「共存」させるかについて、具体的に考えていきます。
受験中でも続けられる活動
受験期間は長く、小学4年生から始めると本番まで2〜3年にわたります。その期間ずっと「好きなことを一切やめる」という状態を保つのは、子どもにとって相当な負担です。気力や集中力は、休息とメリハリがあってこそ長続きするものです。
以下の活動は、「やめる」のではなく「続け方を工夫する」ことで、受験期間中も無理なく並走できます。
| 活動 | 続けるときの考え方 |
|---|---|
| スポーツ・習い事 | 週1回でも続けることで、気分転換と体力維持につながります。「受験があるから」と即座に全部やめるよりも、本人が「続けたい」と思っている間は尊重することが大切です。 |
| ゲーム | 「禁止」より「時間を決める」の方が長続きします。たとえば「今日のノルマが終わったら30分」という形は、自己管理の練習にもなります。完全に奪うと、かえって執着が強くなることもあります。 |
| 読書・マンガ | 読書は国語の読解力や語彙力に直結します。マンガも文章を読む習慣として意味があります。「勉強とは別のもの」と切り離さず、むしろ「読んでいい時間」として認めてあげると、子どもの抵抗感が減ります。 |
| YouTube・動画 | 理科・歴史・地理系の動画チャンネルは、入試に出る知識と重なることがあります。「見ていい動画」を一緒に考えると、子どもが自分で選ぶ力も育ちます。ただしジャンルや時間のルールは家族で話し合っておくと安心です。 |
| 友人との遊び | 月1〜2回でも「友達と過ごす時間」があると、精神的な安定につながります。受験期の子どもは孤独を感じやすいため、同世代との関わりはメンタルの面で大きな支えになります。 |
「好きなことをやめさせる」より「どう続けるかを一緒に考える」という視点が、子どもとの信頼関係を保ちながら受験を乗り越える鍵になります。
スポーツ・習い事を続けることの意味
スポーツや習い事は、単なる「気晴らし」以上の役割を持っています。体を動かすことで睡眠の質が上がり、翌日の集中力に良い影響が出ることは、運動と学習の関連を研究する分野でも広く知られた話です。
また、スポーツや習い事には「自分が得意な場所」という意味があります。勉強では思うように点数が出なくても、サッカーではシュートが決まる、ピアノでは難しい曲が弾ける──そういった「できる体験」が、子どもの自己肯定感を守ってくれます。
習い事をやめるかどうかの判断は、成績や時間の都合だけで決めるより、まず子ども自身がどう思っているかを聞いてみることが大切です。「やめたい」と本人が言うなら話し合いの余地がありますが、「続けたい」という気持ちがあるなら、少し時間を削ってでも続けられる方法を一緒に考える価値があります。
ゲームや動画との上手な付き合い方
「ゲームは受験の敵」と考えている保護者の方も多いかもしれません。でも、禁止にしたからといって集中力が上がるとは限りません。むしろ、「やりたいのにできない」という状態がストレスになり、勉強への意欲が落ちるケースもあります。
「禁止」ではなく「ルール化」
ゲームや動画を完全に禁止するより、「いつ・どれくらい・何をするか」を家族で話し合って決める方が、長続きしやすいです。重要なのは「親が一方的に決める」のではなく、子どもが自分でルールに関わることです。自分で決めたルールの方が守りやすくなります。
- 「勉強が終わった後に30分」のように、条件を先に決めておく
- 週末だけOK、平日はなし、などシンプルなルールの方が運用しやすい
- 動画を見るなら「どんな内容か」を軽く確認する習慣をつける
- 「見ていい動画リスト」を子どもと一緒に選んでみる
読書・マンガは「勉強の邪魔」ではない
読書やマンガは、国語の力と切り離せない関係にあります。特に物語文の読解は、日頃から本を読んでいる子どもほど感覚的に理解しやすくなります。語彙も自然と積み上がります。
マンガの場合も、歴史マンガや科学系の学習マンガなら社会・理科の知識の土台になります。「マンガばかり読んでいる」と感じるときも、まず内容を見てから判断してみると、思わぬ学びにつながっていることがあります。
「ごほうび」の設計が子どものやる気を支える
子どもが勉強に向かい続けるためには、「頑張ったらいいことがある」という実感がとても大切です。ごほうびというと「物をあげること」と思われがちですが、実は体験型のごほうびの方が子どもの記憶に残りやすく、次の頑張りへの動機にもなりやすいです。
ごほうびの内容を親が決めるよりも、子ども自身が「何をしたいか」を選べる方が、達成感と楽しみが両方生まれます。「今週頑張ったら何したい?」と聞くだけで、子どもが自然と目標を意識するようになることがあります。
「がんばれ」より「楽しみにしてるね」
ごほうびは「飴とムチ」の道具ではなく、子どもと一緒に受験期間を乗り越えるための「共通のたのしみ」です。親が一緒にわくわくしている姿を見せることで、子どもも前向きな気持ちになりやすいです。
「合格したら旅行しようね」という大きな約束も、長期的なモチベーションになります。ただし、それだけを軸にするより、小さなごほうびを日々の生活の中に散りばめておく方が、毎日の勉強のリズムが安定します。
親の言葉が「楽しみ」を守る
子どもが受験中に感じるプレッシャーの多くは、実は親の言葉や雰囲気から来ています。勉強の内容より、日々の会話の温度感が子どもの受験体験を大きく左右します。
| 楽しみを奪いやすい言葉 | 楽しみを守る言葉 |
|---|---|
| 「遊んでる場合じゃない」 | 「今日はどんな問題やったの?」 |
| 「また間違えたの?」 | 「これ大人でも難しいよ」 |
| 「受験が終わったら遊べるから」 | 「来週のごほうびどこがいい?」 |
| 「○○ちゃんはもっとやってる」 | 「先週より全然できるようになってるよ」 |
受験の話をしない時間を意図的に作ることも、子どもにとって大きな安心になります。夕食のとき、お風呂のとき──受験と関係のない話をするだけで、「勉強以外の自分」を親に見てもらえている、と感じることができます。
よくあるご質問
まとめ
- スポーツ・習い事・ゲーム・読書・友人との時間は、工夫次第で受験と並走できます
- 「やめさせる」より「続け方を一緒に考える」という視点が、子どもとの関係を守ります
- 日単位・週単位の小さなごほうびが、毎日の勉強のリズムを支えます
- 体験型のごほうびは「頑張ってよかった」という記憶として残ります
- 親の言葉と態度が、子どもの受験体験の「楽しさ」を大きく左右します
- 受験の話をしない時間を意図的に作ることが、子どもの精神的な安定につながります
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