中学受験直前期と入試期間の過ごし方
中学受験が間近に迫るこの時期、「初めての中学受験」を迎えるご家庭では、さまざまな不安が募ることでしょう。お兄ちゃんやお姉ちゃんが受験を経験しているご家庭ではある程度イメージがつくかもしれませんが、それでも状況や子どもの性格が異なるため、緊張感は拭えません。特に、1月初頭から入試本番がスタートし、2月の都内入試が終わるまでの約1か月間は、親子ともに精神的にも肉体的にも負荷がかかる期間です。そこで直前期を迎えた12月からこの時期をどう過ごすべきかについて、体調管理、勉強の仕方、そして精神面のサポートの観点から詳しく説明します。
1. 入試直前期の体調管理:万全な状態で本番を迎えるために
体調管理は、何よりも優先されるべき重要なことです。当日体調不良になれば、それまでの努力が結果に結びつかなくなる可能性があります。当日でなくとも追い込みの時期の12月に体調を崩すと思うようなラストスパートが切れず、詰め切れなくなり中学受験において悔いが残ることになります。体調を万全に保つことは、学力以上に結果を左右する要因となり得ます。

早寝早起きの習慣を整える
入試本番の多くは朝8時から9時頃に1科目目が始まります。そのため、試験当日にベストな集中力を発揮するには、遅くとも試験開始の2時間前には起きている必要があります。この生活リズムを確立するために、夜型の生活をしている場合は、少しずつ朝型にシフトしていきましょう。早寝早起きを習慣化することで、試験中に眠気や集中力の低下を防ぐことができます。小学生なので高校生が受ける大学受験にくらべると生活リズムを整えやすいです。無理して体調を崩してもいけませんから普段から心がけましょう。
感染症予防を徹底する
近年は新型コロナウイルスやインフルエンザの影響が心配される中、感染症予防も大切です。家族全員が感染症対策を徹底し、特に手洗いやうがい、マスクの着用を欠かさないようにしましょう。またできるだけ人混みを避けることも効果的です。
食事と運動で免疫力を向上
栄養バランスのとれた食事と適度な運動は、健康を維持する基本です。特に受験直前は、体を冷やさないよう心がけながら、ビタミンやミネラルを多く含む食材を取り入れましょう。ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を日常生活に取り入れることで、体調を整えられます。
2. 学習面の総仕上げ:過去問演習と総復習
入試直前期の勉強は、これまでの成果を定着させ、合格への確実性を高めるための総仕上げの期間です。
過去問演習で試験慣れを目指す
志望校の過去問を解くことは、この時期の勉強において最も効果的です。過去問を解く際は、以下の点を意識しましょう。
過去問演習のやり方
- 時間を計って最後まで解き切る
実際の試験時間を意識し、制限時間内で解き切る練習を行いましょう。時間配分の感覚をつかむことが大切です。
時間を測ってどこまで解けたかを把握しましょう。そうすると他の問題をどれくらいで解く必要があるかわかります。
試験時間が60分のところ80分かかってしまうこともあるでしょう。どこで時間を捻出できるか対策しましょう。 - 複数年度分に挑戦する
1年分だけではなく、数年分を解くことで問題傾向を把握しやすくなります。出題形式や難易度を理解しておくことで、当日の焦りを軽減できます。 - 間違えた問題の見直しを徹底する
1回目に間違えた問題を中心に復習を行い、同じミスを繰り返さないようにしましょう。知識問題は暗記で対応し、正答率の高い問題を確実に得点することを目指します。過去問演習はその学校だけの対策で終わらせてしまうのはもったいないことです。このタイミングでできない問題に出会えたことはラッキー。しっかり解けるようにしておきましょう。
総復習で苦手分野を克服
新しい問題集に手を出すのではなく、これまで使用してきた教材を見直すことが得点力を上げる近道です。特に苦手だった部分を重点的に復習することで、自信を持って本番に臨むことができます。過去問で出来なかった問題をやっていた問題集から探して解き直しましょう。思い出して定着させることができます。
3. メンタルサポート:子どもの不安を和らげる方法
ほとんどのお子様は中学受験が初めての受験です。これには大きな精神的負担を伴います。
特に初めての受験を迎える場合、緊張や不安を感じやすいものです。親としてできることは、子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えることです。
「いつも通り」の声掛けを心がける
試験当日やその前日だけ特別な声掛けをする必要はありません。普段の厳しい態度が急に優しくなると、子どもは逆に違和感を抱き、不安が増してしまいます。小6ともなれば親の顔もうかがうようになります。普段通りの声掛けと振る舞いを心がけ、子どもがリラックスできるようサポートしましょう。
プレッシャーを与えない
時々いらっしゃるのが子供に過度なプレッシャーを与えてしまう親御様です。絶対に合格しなければならない。この3年間を無駄にする気か!などのプレッシャーをかける言葉は避けましょう。親が焦ったり心配したりする様子を見せると、子どもの緊張が高まります。親が堂々とした姿勢でいることで、子どもも安心感を得られます。子供は根拠のない自信に満ち溢れているくらいがちょうどいいのです。

適度な気分転換を取り入れる
子どもが勉強ばかりに没頭しすぎると、かえって精神的な負担が増します。時には勉強から離れ、家族で外出したり、軽い運動をしたりする時間を作りましょう。リフレッシュすることで、集中力が高まる効果も期待できます。本当の直前期は難しいかもしれませんが試験が終わったら○○しようね、△に遊びに連れて行ってあげるなどの楽しみを作ってあげるのもいいでしょう。
4. 試験当日を万全に迎えるために
試験当日は、親子ともに緊張しがちです。しかし、事前準備をしっかり行い、普段通りの生活を心がけることで、不安を最小限に抑えられます。
前日の準備
前日には、持ち物の確認や試験会場までの経路の再確認を行いましょう。必要なものを全てそろえておくことで、当日慌てることを防げます。
必ず持ち運ぶ鞄の中に予備のえんぴつ、けしゴム、えんぴつ削りを入れておいてください。子供は筆箱を意外と無くすし忘れます。特に2月1日など前の会場から急いで移動しなければならず慌ててモノを忘れることはよくあります。不測の事態に備えておきましょう。
当日の声掛け
当日は、子どもに「大丈夫」「いつも通りでいいよ」といった励ましの言葉をかけ、リラックスさせてあげましょう。特別なことをする必要はなく、普段通りの態度が安心感につながります。
まとめ
中学受験の直前期と入試期間は、親子にとって非常に重要な時期です。この期間を乗り切るためには、体調管理を最優先に、学習の最終調整を行いながら、精神面のケアをしっかりと行うことが求められます。親としてできることは、子どもの努力を信じ、見守ることです。そして、どのような結果であっても、子どもがここまで頑張ってきたことを認め、労ってあげましょう。この経験が、子どもにとって大きな成長の一歩となるはずです。