中学受験後の生活と過ごし方
中学受験を終えたお子さんやご家族にとって、この時期は新たな生活の始まりです。長期間の努力を経て、ようやく自由な時間を楽しめる時期となります。また、保護者の方々も受験のプレッシャーから解放され、家族全員でゆっくり過ごす時間が増えるでしょう。
一方で、「受験が終わったのだから、しばらくは勉強しなくてもよいのでは?」と考えることもあるかもしれません。しかし、学習習慣を完全に手放してしまうと、入学後の学習に適応しにくくなる可能性があります。そのため、適度な休息を取りながら、中学の学習へ向けた準備を進めることが大切です。
中学入学前に取り組むべきこと
受験終了から中学入学までの期間は、学習習慣を維持しつつ基礎を固める良い機会です。特に、以下の2つの科目について準備を進めることをおすすめします。
1. 英語の学習
中学入学後に苦戦しやすい科目の一つが「英語」です。特に、中高一貫校ではカリキュラムの進度が速いため、英語に苦手意識を持たないようにすることが重要です。
- アルファベットのスペルや発音を学ぶ
- 簡単な英単語やフレーズに慣れる
- リスニングや簡単な会話に触れる
この時期は、「英語に親しむこと」が大切です。リスニング教材や英語のアニメ・映画を活用しながら、英語への抵抗感をなくしておきましょう。
2. 数学の学習
数学は中学で重要な科目となるため、受験で培った基礎力を維持することが大切です。
- 計算問題の復習をする
- 文章題や図形問題に取り組む
- 数学への興味を持ち続ける
特に計算力は短期間で衰えやすいため、1日10~15分でも計算問題を解く習慣をつけるとよいでしょう。
「燃え尽き症候群」と「深海魚」にならないために
受験後に注意すべきなのが、「燃え尽き症候群」と「深海魚」と呼ばれる現象です。
燃え尽き症候群とは?
受験勉強をやり切った達成感から、勉強の意欲が急激に低下してしまう状態を指します。中学入学後も勉強に身が入らず、成績が落ち込む原因になることがあります。
深海魚とは?
「深海魚」とは、中学受験で優秀な成績を収めて入学したものの、中学入学後に成績が低迷し、取り残されてしまうことを指します。特に、勉強から完全に離れてしまうと、学習習慣が途切れ、中学の授業についていけなくなることがあります。
これらを防ぐためには、受験後の過ごし方が重要です。

受験後から入学までの過ごし方
- 息抜きの時間を確保する
受験期間中に我慢していたことを楽しみながら、リフレッシュする時間を設けましょう。ただし、ゲームや動画視聴の時間は適度に制限することが大切です。 - 学習習慣を維持する
毎日短時間でも良いので、勉強に取り組む習慣を継続しましょう。1日30分程度の学習でも、学習意欲を保つのに効果的です。 - 努力を評価する
合否の結果よりも、受験までに積み重ねた努力をしっかりと評価してあげましょう。特に「減点法」ではなく、「加点法」で子どもの頑張りを認めることが大切です。 - 合格・不合格の要因を振り返る
「何が成功の要因だったのか?」「次に活かせることは?」を振り返ることで、今後の学習に役立てましょう。 - 中学生活への期待を膨らませる
新しい環境へのワクワク感を持つことで、前向きに中学生活をスタートできます。
まとめ
中学受験終了後の生活では、「十分な休息」と「学習習慣の維持」のバランスを取ることが大切です。適度にリラックスしながら、新たな学習環境に備えて準備を進めましょう。親御さんとしては、お子さんの努力を認めつつ、適切なサポートを続けることが重要です。
中学受験はゴールではなく、新しいスタートです。お子さんがスムーズに中学生活を送れるよう、受験後の過ごし方を意識しながら、次のステップに向けてサポートしていきましょう。