中学受験:東京の女子御三家について解説

女子御三家とは

日本の中学受験において、女子御三家と呼ばれる名門校があります。それは、桜蔭中学校、女子学院中学校、雙葉中学校の3校を指します。全国的に高い学力を誇る女子校として知られています。この3校は、東京大学をはじめとする難関大学への進学実績が高く、知性と品格を兼ね備えた生徒を多数輩出しています。

女子御三家の特徴は、単に学力が高いだけではなく、それぞれの学校が独自の教育理念を持ち、多様な教育スタイルを展開している点です。この記事では、桜蔭、女子学院、雙葉の各校の特色や学びの環境、進学実績について詳しく解説します。

東京以外に神奈川にも女子御三家があります。千葉にも御三家はありますがすべて共学です。埼玉は御三家自体がありません。

桜蔭中学校

基本情報

  • 所在地:東京都文京区本郷
  • 創立年:1930年
  • 創立者:東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)の同窓会「桜蔭会」
  • 高校での外部募集:なし

教育理念と校風

桜蔭の教育理念は「礼と学び」。校訓には「勤勉・温雅・聡明であれ」「責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ」が掲げられています。これらの理念に基づき、生徒は知識を深めるとともに、礼儀や品格を磨くことが求められます。

特に特徴的なのは、礼法教育です。中学1年生では週に1回の「礼法」の授業が設けられており、中学2年生以降も特別活動の一環として継続されます。これにより、生徒は立ち居振る舞いや作法を身につけ、社会人としての素養を高めていきます。

学習環境

桜蔭は学力の高さでも知られており、独自の教材を使用しながら高度な授業を展開しています。特に英語や数学は習熟度別の授業が行われ、生徒一人ひとりのレベルに応じた学びを提供しています。また、中学3年生では自由研究に取り組み、論文の執筆や研究発表を通じて、主体的に学ぶ力を育んでいます。

大学合格実績

2024年の東京大学合格者数は72名と、女子校の中ではトップの実績を誇ります。その他、京都大学や早慶上智といった難関大学にも多数の合格者を輩出しています。


女子学院中学校

基本情報

  • 所在地:東京都千代田区一番町
  • 創立年:1870年
  • 創立者:ジュリア・カロゾルス

教育理念と校風

女子学院はプロテスタントの精神に基づいた教育を行っています。「自主性」を重んじる自由な校風が特徴で、制服や厳格な校則はありません。生徒一人ひとりが主体的に行動し、自らの信念に従って学ぶことが奨励されています。

学習環境

前期・後期の2期制を採用し、6年間を通じて効率的に学習を進めます。特に英語教育に力を入れており、中学1年生からネイティブ教員による少人数制の英会話授業が行われます。また、高校では独自の科目「現代史」や「評論読解」などが設置され、思考力を養うカリキュラムが組まれています。

大学合格実績

2024年の東京大学合格者数は27名。その他、早稲田大学や慶應義塾大学など難関私立大学への進学者も多く、高い進学実績を維持しています。


雙葉中学校

基本情報

  • 所在地:東京都千代田区六番町
  • 創立年:1909年
  • 運営母体:「幼きイエス会」

教育理念と校風

雙葉の教育理念は「徳においては純真に、義務においては堅実に」。カトリックの精神に基づき、品格を備えた女性の育成を目指しています。厳格な校則はありませんが、品位を重んじる教育がなされており、礼儀や規律が重視されます。中一から礼拝などキリスト教を重んじた教育がなされている。

確立されたお嬢様学校イメージと実態

雙葉と言えばお嬢様学校というイメージが先行しますが中学受験で入学してきた生徒たちはそこまで裕福な家庭の出ではありません。(中学受験をしているレベルの裕福さはありますが)小学校が特にその気質が強くお弁当の包み袋がエルメスなんてこともあるとかないとか。ただし本質は皇后さまが四谷雙葉のご出身というところから裕福で気品高きお嬢様学校というイメージが確立されていったそうです。姉妹校である田園調布雙葉が中高入学できない本当のお嬢様学校。雙葉と名の付く学校が多いためそちらのイメージに引っ張られている印象。中学受験の御三家ともなれば家が気品高いくらいでは受からないので実力世界です。校則は厳しめで髪染めやパーマは禁止、携帯は持ち込み不可(小さな袋に入れてカバンの中で保管することを義務づけ)、スカートのたくし上げも禁止、ルーズソックスなど砕けた服装もNG。ただし開校当時は髪型は三つ編み、スカートの丈はひざ下何センチまでなどと厳しく管理されていたことを考えるとだいぶ緩くなったそうです。完全放任の学校に比べると口うるさく感じることもあるでしょう。ただ女子校なのでおしゃれに無頓着な子も多くあまり気にならないケースも多いです。女性らしさ、を意識した校則校風です。

学習環境

雙葉では英語教育に加え、フランス語も必修とされており、中学3年生から学習を開始します。また、併設の小学校があるため、中学入学者は最初の1年間は内部進学者と別クラスとなり、補修を受ける機会が設けられています。高校ではコース分けを行わず、進路希望に応じた選択科目を提供する柔軟なカリキュラムが採用されています。

大学合格実績

2024年の東京大学合格者数は8名と、桜蔭や女子学院に比べると少なめですが、横浜女子御三家の一角で姉妹校の横浜雙葉と同じく医学部医学科への進学実績が非常に高く、2024年は70名が合格しました。これは、雙葉の生徒が医療の道を志す割合が高いことを示しています。ただし医学部合格が急激に伸び始めたのは2017年ごろからで意外と最近。学校としても生徒の意見を尊重し進路強制はしないと言っている。ただし学年180名で医学部が80名合格を出すこともあることから学校全体として医学部にブランドイメージや好印象を抱く教育がされているものと思われる。今の医学部受験は不景気の影響を受け医師人気が高まり大変熾烈を極めており、最下層医学部でもMARCHレベルでは合格に届かないため少々学校が医学部に傾倒していても数字として表れないがそこは御三家雙葉の地力の高さを示した結果と言えるでしょう。


まとめ

女子御三家は、それぞれ異なる特色を持ちながらも、共通して高い学力と豊かな人間性を育む教育を実践しています。

  • 桜蔭:学問を重視し、礼法を学びながら高い学力を磨く
  • 女子学院:自主性を尊重し、自由な校風のもとで学ぶ
  • 雙葉:カトリックの精神を基に品格と知性を育てる

どの学校も魅力的な教育環境を提供しており、中学受験を考える家庭にとっては検討に値する選択肢です。学力のみならず、校風や教育理念を考慮しながら、最適な進学先を選ぶことが大切です。

この記事を書いた人

個別指導型 中学受験専門塾 INSPIRE ACADEMY

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