公文式と中学受験の相性は悪い?

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公文式は日本国内で多くの学習者に支持され、一時はT大生の3人に1人が経験しているというほどその効果は認められていました。しかし一方で、公文式は「意味がない」「勉強嫌いになる」「自分には合わなかった」といったネガティブな意見も見受けられます。また中学受験をする子供にとっては悪影響にすらなるといわれています。このように評価が二極化するのはなぜでしょうか。

公文式で得られる力

公文式の学習法で得られる効果として、以下の3つが挙げられます。

  1. 学習習慣の定着: 毎日一定の学習を繰り返すことで、机に向かう習慣が身につきます。
  2. 基礎学力の向上: 基礎的な問題に多く取り組むことで、計算力や読み書きのスキルが向上します。
  3. 処理スピードの向上: 大量のプリントを解くことで、問題を素早く解決するスキルが鍛えられます。

これらの要素を目的に公文式を活用する場合、スモールステップで進むため挫折しにくく、効率的に学べる優れた教材といえます。公文式は、特に「勉強の基礎を作るための準備」に適しており、学習習慣や基礎的な学力の習得に効果的です。

公文式の学習方法とその効果

公文式では、毎日5〜10枚程度のプリントを解いていくスタイルが主流です。このプリント学習により、学習習慣が自然と身につくほか、反復練習を通じて処理スピードも向上します。さらに、基礎学力が確実に高められるため、学習のスタートダッシュに有効です。

ただし、公文式がカバーする範囲はあくまで基礎的な内容に限られます。大量の同じような問題に取り組むため、忍耐力も必要となります。実際、「公文式で忍耐力が身についた」という声もありますが、もともと忍耐強さがない子どもには、逆に勉強嫌いになるリスクも考えられます。

公文式の効果は限定的で中学受験には合わない

公文式に対する批判的な意見の中には、「文章問題や図形問題が解けなくなる」「思考力が育たない」「字が汚くなる」といった声があります。これは特に算数の公文式に関連しています。そもそも公文式では文章問題や図形問題を扱うことはなく、スピードを重視する学習スタイルのため、字が汚くなることも避けられません。

このように、公文式で身につく力は学力の一部に過ぎません。公文式の効果を最大限に活かすには、他の学習方法や家庭学習と組み合わせて、学習内容の幅を広げる工夫が必要です。

特に中学受験では特殊算を用いての計算や図形や文章題を多く取り扱います。そこで公文式のスピード処理の方法は合わず一から勉強し直しになってしまいます。それどころか中学受験で通用しないやり方が身についてしまっているため無駄に計算押しで問題を解こうとしたりなどと足かせになってしまうケースがあるのです。

公文式が合わない子どもの特徴

中学受験に限らず公文式が合わない可能性がある子どもの特徴について、具体的に紹介します。

1. 習い事が多い

公文式は毎日一定の量を継続して学習するスタイルです。多くの習い事に参加している子どもや、家庭で他の学習を重視する場合には、公文式の負担が大きく感じられることがあります。結果的に、消化不良を起こしてしまい、効果が半減する可能性があります。

2. 好奇心旺盛

新しいことに積極的に挑戦したいタイプの子どもには、スモールステップでの反復学習は物足りなく感じられることがあります。また、難しい問題をじっくり考えることが好きな子どもにとっても、単純な問題を繰り返すだけでは退屈に感じてしまうことがあるでしょう。

3. 競争心が強い

競争心が強いタイプの子どもは、学習の目的が「人より先に進むこと」になりがちです。このような場合、復習がおろそかになり、公文式での学習が定着しないまま進んでしまう恐れがあります。「自分は人より進んでいるから大丈夫」と、誤った自信を持つこともあり、思考力を鍛える機会を失う可能性もあります。

公文式が合わない家庭の特徴

公文式は家庭環境による影響も大きいです。ここでは、公文式の学習が合わない可能性がある家庭の特徴を挙げます。

1. 忙しい両親

公文式の学習には、毎日子どもがプリントに取り組む必要があります。特に小さな子どもや、学習習慣がまだ定着していない場合には、親がそばにいてサポートすることが重要です。しかし、親が忙しいと、子どもの様子を細かく見る余裕がなく、結果的に子どもが学習に困ったり、負担を感じたりしてしまうことがあります。

子供のころは両親のチェックが欠かせないためあまりに忙しい場合はオススメできません。

2. 兄弟姉妹が多い

兄弟姉妹が多い家庭では、すべての子どもの学習に同じように手をかけることが難しいかもしれません。わからない問題があっても「あとで」となってしまうと、子どもは勉強を楽しむことができなくなってしまいます。これも両親の忙しさと比例しています。

3. 子どもに多様な体験をさせたい家庭

多くの習い事や体験を通じて子どもに成長の機会を提供したいという家庭にとって、公文式は毎日の負担が大きくなる可能性があります。特に都市部では中学受験が人気で、小学3年生までに公文式で基礎力をつけることが推奨されますが、他の習い事との兼ね合いで子どもがオーバーワークになるリスクもあります。小学生の低学年から勉強漬けになってしまうと友達の交友関係や遊び、両親の思い出作りができずにひずんでしまうことがあります。

公文式の効果を活かすための工夫

公文式は学習習慣や基礎学力を身につけるための有効なツールですが、その効果を最大限に引き出すには家庭のサポートと工夫が不可欠です。例えば、他の教材や学習方法と組み合わせて、公文式で得られない力を補うような学習計画を立てることが重要です。また、子どもの性格や家庭環境に合わせて、学習の量や頻度を調整することで、無理なく継続できるようにすることが大切です。

公文式を有効に活用することで、子どもの学力や学習習慣がしっかりと育つ一方で、その効果や限界を理解し、他の学習方法と組み合わせてバランスを取ることが求められます。

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