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海外生活を経て帰国したご家庭にとっての中学受験の課題と対応策
海外生活を経験したご家庭では、お子さまの中学進学について悩むことが多いのではないでしょうか。たとえば、「せっかく身につけた英語力を帰国後も伸ばしたい」「海外生活が長かったため、日本の学校生活に馴染めるか不安」といった点が挙げられます。これらの理由から、帰国子女枠での中学受験を検討するケースが増えていますが、一方で、英語力や主要教科の学力不足を心配する声も少なくありません。
本記事では、帰国子女枠での中学受験について、入試の仕組みや学校選びのポイント、最近の傾向を詳しく解説します。
帰国子女枠による中学受験とは?
帰国子女枠は、一定期間海外で教育を受けた児童を対象とした特別な入試制度です。この制度では、帰国子女の特性や背景に配慮した評価が行われます。特に、語学力や異文化理解能力といった側面が重視され、一般入試とは異なる基準で選抜される点が特徴です。

近年、多くの学校が帰国子女枠を設けるようになり、帰国子女の受け入れ体制が拡大しています。また、一部の学校では「海外在住歴」を必須条件としない場合も増えています。これは、国内にいながら高い英語力を身につけた生徒の受け入れを目的としています。
受験方法の選択肢
帰国子女が中学受験をする場合、大きく「一般枠」と「帰国子女枠」の2つの選択肢があります。
- 一般枠
帰国子女であっても一般受験生と同じ試験を受けます。この場合、帰国子女としての特性や経験は評価されません。 - 帰国子女枠
帰国子女のために特別に設けられた入試方式で、学校ごとに「帰国生入試」「帰国子女枠」といった呼び方が用いられます。出願資格や試験内容は学校によって異なりますが、語学力や異文化適応力など、帰国子女ならではの強みが評価されます。英語の試験もある場合が多く英語がきちんと出来ていれば強みになります。
どちらの方法を選ぶにしても、お子さまの特性や強みに合わせた受験方法を選択することが大切です。
最近の帰国子女入試の動向
帰国子女入試では、近年いくつかの変化が見られます。
- 受験資格の拡大
一部の学校では、海外在住歴を必要としない帰国子女入試を導入しています。これにより、日本国内で高い英語力を身につけた生徒も対象となり、受験の裾野が広がっています。 - 基準の厳格化
東京都では、帰国子女入試の受験資格を「海外在住1年以上、帰国後3年以内」と明確化し、試験日も調整されています。他の地域でも同様の厳格化が進む可能性があります。 - 受け入れ校の増加
帰国子女を積極的に受け入れる学校が増えていますが、定員や受け入れ条件は学校ごとに異なるため、事前の情報収集が重要です。
帰国子女枠で求められる能力
帰国子女枠での受験では、以下の能力が特に重視されます:
- 語学力
英語力はもちろん、日本語での表現力も必要です。英語での面接や作文が課されることが一般的です。 - 非英語圏帰国子女の中学受験
英語圏外での受験は強みになりません。むしろ日本語に触れている時間が短く国語やその他のテストでも問題の理解が出来ずに苦労する可能性があります。無理に中学受験をしないほうがいい場合もあります。 - 異文化理解
海外生活を通じて培った柔軟性や多文化共生の経験が評価されます。 - 日本語能力
帰国後の教育環境に適応するため、日本語での学力試験や作文能力が求められる場合もあります。 - 学力
主要教科(国語・算数・理科・社会)の基本的な学力も欠かせません。ただし英語圏の場合は入学後英語で圧倒的なアドバンテージを作ることができますし、他の中学受験生は英語を中学で本格的に学ぶため英語の時間を他の勉強に充てることができます。
帰国子女枠の受験に向けた準備
帰国子女枠での中学受験を成功させるには、計画的な準備が必要です。
- 情報収集
志望校の募集要項や試験内容をしっかり確認しましょう。学校によって出願資格や試験日が異なるため、早めの情報収集が鍵となります。 - 学力向上
海外生活が長い場合、特に日本語や日本のカリキュラムとのギャップを埋める努力が必要です。塾やオンライン学習を活用して、主要教科の学力を向上させましょう。 - 語学力強化
実用的な英語力を持っていても、日本の中学入試に対応する「受験英語」の学習が必要です。特に英文法や和訳問題に力を入れることが重要です。 - 精神的サポート
帰国後の環境変化や中学受験のプレッシャーはお子さまにとって大きなストレスとなることがあります。親が積極的に情報を集め、適切なサポートを提供することが不可欠です。
終わりに
帰国子女枠での中学受験は、海外生活で培った特性や能力を活かせるチャンスである一方、日本の学習内容とのギャップや試験の難易度など、さまざまな課題も伴います。しかし、早期の準備と的確な対策を行うことで、合格の可能性を大きく高めることができます。ぜひ情報収集を怠らず、親子で協力して受験に向けた取り組みを進めていきましょう。