2025年入試における「プチ・サンデーショック」とその影響
1. はじめに
2025年の中学入試における最大の注目点の一つが2月2日(日曜日)に行われる受験です。今年は「プチ・サンデーショック」に当たります。これは、プロテスタント系の学校が日曜礼拝を重んじるため、例年入試日が2月2日(固定日)である青山学院中等部が、今年は日程を2月3日にずらしたことによって生じる影響を指します。この変更により、併願パターンが大きく変わり、特定の学校の志願者数や倍率に影響を及ぼしています。付属校を目指す男子に大きな影響がある見られます。
2. 影響を受ける学校と志願者数の変動
(1) 2月3日に影響を受ける学校
青山学院中等部の入試日が2月3日に変更されたことで、同日に試験を実施する他校への影響が顕著になっています。特に以下の学校では、青山学院との競合により志願者が減少すると見られています。
- 明治大学付属明治中学校(調布市)
- 法政大学中学校(三鷹市)
- 明大中野八王子中学校(八王子市)
- 学習院女子中等科(新宿区)
- 大妻中学校(千代田区)
- 共立女子中学校(千代田区)
- 学習院中等科(新宿区)
これらの学校は例年、青山学院中等部を併願先とする受験生が多いため、今年の志願者減少が予想されます。その結果、倍率が緩和し、例年よりも合格の可能性が高まる可能性があります。通学エリアのかぶる 明大明治、学習院は特に大きな影響を受けるでしょう。
男子はGMARCH付属校、一方付属の少ない女子はチャレンジ校に流れる傾向にあります。
(2) 2月2日に影響を受ける学校
一方、青山学院の試験日変更により、2月2日に試験を実施する学校にも影響が出ています。特に、東洋英和女学院と競合していた以下の学校では、志願者数が増加すると予想されます。
- 吉祥女子中学校(武蔵野市)
- 恵泉女学園中学校(世田谷区)
- 共立女子中学校(千代田区)
- 品川女子学院(港区)
- 明治学院中学校(港区)
- 国学院久我山中学校(杉並区)(共学校)
これらの学校は、青山学院受験予定者の流入によって志願者が増加し、競争率が上がる可能性があります。
3. サンデーショックとは?
「サンデーショック」とは、プロテスタント系の学校が日曜礼拝を重視するため、日曜日に入試を実施しないよう調整することによって生じる受験スケジュールの変動を指します。今回の「プチ・サンデーショック」は、その影響が比較的小規模であることから名付けられました。
特に今年は、「青山学院中等部」(東京都渋谷区)の入試日変更が震源となり、他校の志願者動向にも波及しています。
4. 青山学院中等部の人気と影響
青山学院中等部は、高等部への進学率が9割以上と非常に高く、青山学院大学への内部推薦枠も8割程度あることから、毎年非常に高い人気を誇る学校です。
男子における影響 特に男子受験生の間では、青山学院と併願しやすい「明治大学付属明治」「明大中野」「立教池袋」などの付属校の志願者数が増加しています。
女子における影響 女子の場合、そもそも大学付属校が男子に比べて少ないため、「大妻」「共立女子」などの伝統的な女子校の志願者数が増加しています。また、チャレンジ校として「渋谷教育学園渋谷」などの難関校を受験する動きも見られます。付属の選択肢が少ない女子にとって青山学院の日程が他の付属校と重なってしまうのは痛手と言えます。
5. 受験生の選択と今後の戦略
青山学院中等部の受験予定者は、2月2日が日曜日の場合にどの学校を受けるのかを慎重に検討する必要があります。志願者の流れを考慮すると、以下の学校が併願先として有力です。
- 明大明治中学校(調布市)
- 法政大学第二中学校(川崎市)
- 白百合学園中学校(千代田区)
- 洗足学園中学校(川崎市)
- 吉祥女子中学校(武蔵野市)
- 共立女子中学校(千代田区)
- 神奈川大学附属中学校(横浜市)
- 昭和学院秀英中学校(千葉市)
また、都立国立中学校は例年2月3日に試験を実施するため、青山学院中等部の試験日変更によって国公立志望者の併願戦略が難しくなる可能性があります。
6. まとめ
2025年の「プチ・サンデーショック」は、青山学院中等部の試験日変更によって引き起こされた併願パターンの変化です。特定の学校では倍率が下がり、逆に志願者が集中する学校もあります。受験生はこの影響を踏まえた上で、自分に合った併願戦略を練ることが重要です。
受験日程の変動は今後も起こり得るため、志望校だけでなく、複数の学校の情報を収集し、柔軟に対応できる準備を進めていくことが求められます。