2026年中学受験は“サンデーショック”!変動する入試日程と戦略を徹底解説
2026年度の中学入試では、受験日初日である2月1日が日曜日と重なります。このようなカレンダーの巡りが、私立中学入試、とりわけ宗教色のある女子校にとって特別な意味を持つことをご存じでしょうか?「サンデーショック」と呼ばれるこの現象は、日程変更や併願パターンに影響を及ぼし、多くの受験生や保護者を混乱させる要因となってきました。
今回は、2026年度に予想される動向を踏まえ、「サンデーショック」の基本情報、過去の事例、最新の学校動向、そして今からできる具体的な対策について詳しく解説します。
サンデーショックとは何か?中学受験カレンダーに潜む“揺らぎ”
「サンデーショック」とは、私立中学校の入試初日である2月1日が日曜日になる年に発生する、入試日程のずれによる混乱を指します。多くの私立中学がこの日を初回試験に設定していますが、キリスト教系の学校、特にプロテスタント系の伝統女子校では、日曜日を礼拝日として重視する傾向にあるため、日程変更を余儀なくされる場合があります。
この変更によって、普段は併願が不可能な人気校同士の受験が同日に行われないことで“併願可能”になったり、逆に複数の人気校の試験が集中することで受験生の動きが複雑化したりします。そのため、毎年おおよそ安定しているはずの中学受験スケジュールに一時的な“地殻変動”が起こるのです。
なお、2月2日や3日が日曜日となる場合にも同様の現象が起こり、その際には「プチサンデーショック」と呼ばれています。昨年は2日が日曜日となりプチサンになりました。
前回2015年時サンデーショックの影響とその教訓
直近で大きな影響が見られたのは2015年。この年も2月1日が日曜日に当たり、多くのキリスト教系女子校が入試日を2日に移動しました。
たとえば、女子学院(JG)、立教女学院、東洋英和女学院、横浜雙葉、横浜共立学園などが、例年1日に実施していた試験を翌日に変更しました。これにより、普段は同日実施のため併願できない女子学院と桜蔭、雙葉と女子学院といった組み合わせが可能となり、上位層にとってはチャンスが広がった反面、該当校の倍率が上がり難化する結果となりました。
一方で、1日のまま実施された学校では、受験生の動きが分散されたことで、やや倍率が下がるなど、思わぬ“お得感”が生まれたケースも。つまり、サンデーショックは一概に「良い」や「悪い」と評価できず、学校ごとの対応や受験生の志望傾向に左右されるのです。

2026年、注目校の動きと新たな潮流
2026年は11年ぶりの“本格的”なサンデーショックの年となります。すでにいくつかの学校は試験日程の変更を発表しており、状況が少しずつ明らかになってきました。
【東京都の動き】
- 女子学院(JG):2月1日から2日へ移動
- 立教女学院:2月2日に実施
- 東洋英和女学院:例年通り2日に変更
- 桜蔭・雙葉:今のところ変更発表なし(例年通り1日濃厚)
この結果、女子学院と桜蔭の併願が可能になり、また、雙葉と女子学院の組み合わせも現実的に。2015年と同様に、これらの学校で高倍率となる可能性が高くなっています。
一方で、立教女学院が2日になることにより、香蘭女学校(2月1日)の併願も可能に。大学付属志向の家庭にとっては新たな併願パターンが生まれる年になるでしょう。
【神奈川県の動き】
- フェリス女学院:日曜であっても2月1日に実施(移動せず)
- 横浜雙葉:1日・2日で実施(変更なし)
- 横浜共立学園:2日・3日で実施
- 湘南白百合・鎌倉女学院:従来の複数回日程維持
特筆すべきはフェリス女学院の対応です。過去のサンデーショック時には日程を変更してきた同校が、今回は変更しない方針を早期に発表。これにより、他の神奈川県のカトリック系学校も足並みを揃える可能性が高く、神奈川全体として“日程の安定”が見込まれる状況となっています。
「共学校人気」の上昇も見逃せない背景
2015年から現在に至るまでの10年間で、もう一つ見逃せないのが共学校の台頭です。渋谷教育学園渋谷(渋渋)や広尾学園といった進学実績の良い共学校が急速に人気を集めており、女子校との併願戦略に大きな影響を与えています。
例えば、渋渋の偏差値は10年前と比較して大きく上昇しており、東京大学などの難関大学への進学実績も好調。かつてコギャルブームをけん引した女子校の面影はもうありません。一方、伝統ある女子大附属校などは人気が下降傾向にあり、かつての“王道”併願パターンは崩れつつあります。
この傾向により、例えば女子学院と広尾学園、豊島岡女子と渋渋といった、新しい併願パターンも考えられ、保護者にとっては「どこまで併願パターンを広げるか」という戦略設計が一層重要になります。
サンデーショックの対策:何をすべきか?
2026年のサンデーショックは、前回と比べて受験生に与える影響が一層多様化しており、情報のキャッチアップと柔軟な戦略が欠かせません。以下のポイントを意識して準備を進めましょう。
① 学校の公式発表を常に確認する
試験日程は、各校の公式ホームページや説明会などで随時更新されるため、受験を検討している学校については、定期的に情報をチェックすることが重要です。ただし塾なども情報をよく集めているでしょうからそこに任せてもいいでしょう。
② 併願パターンを早期に検討
入試日が集中する可能性のある2月2日には、複数校が重なり、実質倍率が読みにくくなります。安全校・チャレンジ校を含め、複数パターンで併願プランを立てましょう。
③ 午後入試や複数回実施校の活用
午後入試や2回目・3回目の試験を実施する学校が増えているため、1日や2日の午前中に不合格となった場合にもチャンスを残すことができます。柔軟なスケジューリングを心がけてください。
まとめ:2026年は受験戦略の“再設計”が鍵
サンデーショックは、単なる日程の変更ではなく、併願パターンの見直しや受験校選定に大きな影響を与える要素です。2026年は、女子学院や立教女学院のように日程をずらす学校がある一方、フェリスのように変更を見送る動きもあり、地域や学校ごとに対応が分かれる年となっています。
受験は情報戦です。受験本番までの期間、最新の情報をチェックし、万全の準備で迎えましょう。