お正月の特別な空気と、受験生家庭での現実とは?
お正月の朝は、どこか普段と違う独特の雰囲気に包まれますよね。テレビをつければ賑やかな正月特番が流れ、街を歩けば初詣に向かう家族連れや振袖姿の女性たちが目を引きます。家族が集まり、賑やかに笑い合う姿は日本のお正月の象徴そのもの。子どもたちはお年玉をもらって大喜び、朝食にはお節料理やお雑煮が並び、一年の始まりを祝う特別な時間が流れます。
しかし、この楽しい空気の中にも、少し異なる風景が存在します。それが中学受験生を抱える家庭です。
受験生家庭にとっての年末年始:特別な時間の中の緊張感
1月に入ると、東京都や神奈川県の中学入試が2月1日から始まるため、まだ余裕があるように見えるかもしれません。しかし、埼玉県や千葉県、地方の私立中学では1月上旬から試験が始まるため、6年生家庭では大晦日から緊張感が漂います。
受験生家庭では、元旦も通常の家庭とは少し違った形で進みます。お年玉は受験終了後に渡されることが多く、初詣も勉強の合間に「必勝祈願」として出かけることが一般的。塾の「正月特訓」に参加し、帰宅後に過去問を解き直してからようやく家族と過ごすというスケジュールも珍しくありません。この時期は、まさに追い込みの時期。楽しいお正月気分は、受験生にとっては少し遠いものかもしれません。
「正月特訓」は効果的?迷う親心
冬期講習に続いて、多くの塾で行われる「正月特訓」。志望校別の対策が行われることが多く、特に難関校を目指す受験生にとっては、具体的な攻略方法を学べる貴重な機会です。ただ、親としては「年末年始ぐらいは休ませたい」という気持ちが湧くのも当然でしょう。
この正月特訓、子どもが追い詰められるようであれば無理に参加させる必要はありません。ただし、逆に子どもが「勉強しないと不安」と感じるようであれば、参加させることで安心感を得られるケースもあります。塾で集中して学べる環境が整うことで、受験生自身のモチベーションも高まることが多いです。
低学年のお正月はのんびりと
一方で、小学校低学年や中学年の子どもたちにとって、お正月は「学び」よりも「遊び」の時間であってほしいものです。6年生のような受験勉強は不要ですし、むしろこの時期に詰め込みすぎると将来的に疲れてしまう可能性もあります。
小さな頃のお正月は、家族と一緒に過ごす楽しさや、日本の伝統行事に触れる機会として大切にしたいもの。お節料理や初詣、親戚との交流など、さまざまな体験を通じて心の豊かさを育む時間として過ごすのが理想です。

勉強と休息のバランスを取るコツ
受験生家庭にとって、正月の難しさは「周囲の雰囲気に流されやすいこと」です。年末年始は家族や親戚が集まり、テレビも特番で賑わい、普段の生活リズムが崩れがちです。つい「今日ぐらいは休もう」となり、それが続くと勉強時間が削られてしまいます。
ただし、勉強にもメリハリが必要です。集中力が続かない場合は、外出や軽い運動を挟んで気分転換をすることが効果的。「今日は1日休む」と決めるなら、その休養日を楽しみ切り、翌日から切り替えられるように計画するのがおすすめです。
親ができるサポート:言葉の力を活かす
受験期は子どもにとって緊張の連続です。この時期、親からの「もっと頑張りなさい」という言葉は逆効果になることが多いもの。むしろ、「ここまでよく頑張ったね」「あなたなら大丈夫」という励ましの言葉が、子どもの自己肯定感を高めます。
努力の過程を認めることは、子どもにとって何よりの安心材料です。結果がどうであれ、これまで積み重ねてきた努力は必ず子どもの力となり、将来の糧になります。親としては、子どもの努力を見守り、励ます存在でありたいですね。
まとめ:それぞれのお正月を大切に
お正月は、家庭ごとにさまざまな形で過ごされます。受験生家庭では、勉強のペースを崩さないことが重要ですが、焦りすぎる必要もありません。一方、低学年の子どもたちにとっては、遊びと家族の時間を大切にするべき時期です。
お正月の特別な時間を、どんな形であれ心穏やかに過ごすことが大切です。受験の成功は結果だけでなく、その過程で得られる成長や努力の積み重ねにも価値があります。家庭全体で協力し合いながら、新しい年を明るい気持ちで迎えられるといいですね。