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MARCHの付属校:立教大学付属中池袋・新座・女学院・香蘭の4校
大学附属私立中学校の魅力と戦略──立教大学系列校の内部進学事情から見る進学の新潮流
少子化が進行し、大学間の学生獲得競争が激化する中、従来の一般入試中心の入学制度は大きく変貌を遂げています。最近では、大学が早期に優秀な学生を確保するための戦略として、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜を積極的に導入する傾向が顕著です。学生側も、安定した進学ルートを求めてこれに応じる形となり、推薦入試による入学者の割合が大幅に増加しています。
こうした流れを背景に、大学への内部進学制度を持つ中高一貫教育機関、特に難関私立大学の附属校が高い注目を集めています。なかでも、MARCHの一角を占める立教大学はその附属・系列校の充実ぶりと内部進学制度の整備により、教育関係者や保護者の間で根強い人気を誇っています。
本記事では、立教大学とその直系・関係校にあたる中高一貫校の内部進学実績、教育内容、学校の特色を軸に、私立中学選びにおける現代的な視点を探っていきます。
内部進学率が高まる背景:変わる大学・高校の関係
近年、多くの大学が入学者選抜方法を見直し、より多様な背景を持つ学生を取り込もうとする動きを強めています。こうした中で、高校生の段階から大学との結びつきを築ける「附属中高一貫校」が存在感を増しています。
特に立教大学では、早期に育成した生徒をそのまま大学に進学させる内部進学制度を積極的に運用。この制度により、高校生は大学受験を回避し、より深い学びや探究活動に集中できるため、教育の質を高める好循環が生まれています。
立教大学附属・系列校の全体像
立教大学には、直系の附属校2校と、系列・関係校として認定された学校が複数存在します。以下、それぞれの学校の内部進学状況を中心に、特色を紹介します。
立教池袋中学校・高等学校(東京都豊島区)
立教大学直系の男子校であり、長年にわたり安定した進学実績を誇る名門校です。中学からの内部進学者が中心で、高校からの募集は非常に限定的。
- 内部進学率(2023年度):約83%
例年卒業生の約8~9割が立教大学に進学する。よほどの深海魚生活をしなければ推薦枠を逃すことは無い。どちらかというと行きたい学部学科が立教大学にあるかというところがネックになる。ミッション系の大学付属ということで英語力が求められる。 - 主な他大学合格実績:早稲田、慶應、上智など
- 教育の特徴:
- 大学の専門科目に近い自由選択科目(経営学、観光学など)を高校段階で導入。
- 中高6年間を通じて受験勉強に追われることなく、知的好奇心を育むカリキュラムを展開。
- 卒業論文や英検2級レベルの語学力が内部進学条件に組み込まれており、大学での学びに直結する力を育成。
- 立教の推薦に加えて指定校推薦もあり、そちらを利用する生徒も多い
- 学校全体として推薦ありきの指導になっているため一般受験を考えている人にはお勧めできない
- 理系は立教大学に学部学科がとても少ないため理系進学を考えている場合は注意
- アクセス:池袋駅徒歩圏内

立教新座中学校・高等学校(埼玉県新座市)
こちらも立教大学の直系校で、池袋校よりも生徒数が多く、より多様な進路指導がなされています。
- 内部進学率(2023年度):約75.6%
例年卒業生の約7~8割が立教大学に進学する。こちらも深海魚生活をしなければ推薦枠を逃すことは無い。理系進学者は外部受験をするケースが多い。 - 入試日程:第1回・1/25、第2回・2/3
お試し受験の聖地埼玉にしては遅めの入試日程だが一月に受験できる数少ないMARCHの付属校として大変な人気がある。新座市は東京都に隣接した市であるため都内在住でも非常に通いやすい立地、ただのお試し受験ではなく通えるすべり止めとしても活用できるため高倍率となる。 - 特徴:
- 医学部や海外大学への進学志向を持つ生徒も多く、外部進学も積極的。
- 自由選択科目は80種以上。「映画英語」「生活科学」などユニークな講座で興味・関心の幅を広げる。
- 卒業研究論文提出が内部進学の前提条件であり、自己推薦制や語学能力なども重要視。
- 理系の生徒も一定数いるが立教大学は理系学部が恵まれていないためほとんど外部受験をする
- 理学部への進学は2名程度に留まることもあり、立教大学の理系はあまり選ばれていない。
- アクセス:志木駅と新座駅からスクールバスが運行。都内からも通いやすい立地
- 備考:立教大学の一部の学部学科が同キャンパス内にある
立教女学院中学校・高等学校(東京都杉並区)
こちらは女子校として、立教大学の系列校にあたる教育機関。高等学校からの募集はなく、中学入学時の選抜が重要です。
- 内部進学率(2023年度):65.9%
- 推薦枠の拡充(2024年度):151名→200名
近年は推薦枠の拡充が進んでいる。 - 特色:
- キリスト教に基づく人格教育を重視。礼拝、修養キャンプ、奉仕活動などを通じて、自立心と社会性を育む。
- 教育目標として「他者に奉仕できる人間」「凛とした人格」を掲げ、知性と品格の両立を目指す。
- アクセス:三鷹台駅から徒歩一分
- 備考:偏差値は69と高く、受験者の学力水準も高め。首都圏の中でも特に品格ある女子教育を求める家庭に根強い人気があります。立地も閑静な街で駅からも近く最寄り駅も各駅停車で列車も混雑しないため女子生徒を預けるのには理想的な立地。推薦枠も広がっていること、女子は理系進学者が少ないことを考えると理想的な環境とも言える。
香蘭女学校中等科・高等科(東京都品川区)
立教大学の関係校にあたる女子中高一貫校。近年、内部進学の推薦枠が大きく拡充され、進学実績の向上が期待されています。
- 内部進学率(2023年度):57%→100%へ
- 推薦枠(2024年度):97名→160名
24年からほぼ推薦枠は100%となる。下位に属すると推薦がもらえず大変な思いをしていたがそれがなくなるということで偏差値が上昇すると見込まれる。 - 特徴:
- 歴史と伝統を重視した教育スタイル。
- 英語教育や礼拝、奉仕活動を通じて、国際感覚と道徳性のバランスを育成。
推薦制度と外部進学の選択肢
立教大学への進学を希望する生徒には、一定の成績基準や生活態度の良好さ、卒業研究の提出、語学能力(英検2級相当)が求められます。また、推薦権を得たまま他大学を受験することは原則できないため、本気で立教大学を目指す意志が問われます。ただし、立教新座など一部の校では、高校3年の11月時点で再度推薦希望を提出すれば、推薦権の復活が認められる柔軟な運用もなされています。
立教大学付属中はすべて男女別学
近年は男女共学化が進んでおりMARCHの付属校でも明大明治や法政二高などが男子校から共学化されました。しかし立教大学付属中としては思春期において男子は男子、女子は女子で育ち方が違うため別学ということに非常に価値を置いています。そのため共学化はしばらくないとみていいでしょう。特に香蘭では理系女子の少なさは男性脳に偏った教え方が原因と考えており女性のための教育というものに力を入れています。別学の特性を遺憾なく生かしている環境と言えるでしょう
進学先の立教大学は理系学部が少ないことが難点
文系の進学先は豊富でレベルの高い立教大学ですが、理系学部は非常に少なく付属校で理系を選択した生徒は窮地に立たされます。進学先の立教大学には理系学部として理学部があります。具体的には、数学科、物理学科、化学科、生命理学科の4つの学科が存在しています。しかし工学部がなく進路がかなり限られてしまいます。理学部自体が理系の中では就職に弱い点もあり人気もありません。23年は立教新座からの理系進学はわずか2名に留まるなど非常に限られた進学状況となります。
中学受験をする段階で文理選択は決まっているわけもありませんし将来どうするかまだ不透明な子供も多いと思います。理系学部が無くとも立教付属中は立教大学への進学を第一に考えて指導するので外部への一般受験は困難を極めます。MARCHの中でも特に立教は理系の選択肢が少ないため進学に当たってはこの点に注意が必要です。
私立中学選びの新基準とは
受験という一点突破ではなく、「長期的な視野に立った教育環境」や「大学進学までの一貫した道筋」が重視されるようになった現代において、私立の附属中高一貫校は大きな魅力を放っています。
立教大学系列校のように、学力だけでなく人間性の成長にも重点を置いた教育を展開する学校は、受験に縛られない自由な学びを提供し、結果として多くの生徒が高い満足度を得ています。
進学の安心感と教育内容の充実、そして大学との強固な連携という三位一体の価値を提供する大学附属私立中学は、今後ますます選択肢として注目されていくことでしょう。
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