個別指導型 中学受験専門塾 INSPIRE ACADEMY INSPIRE ACADEMY 東京都世田谷区渋谷区 オンライン授業対応可 中学受験特化個別指導予備校
私立中高一貫校をめざす家庭に追い風？進む学費支援と広がる中学受験熱
ここ数年、東京都や大阪府など大都市圏を中心に「私立高校の授業料実質無償化」が進んでいます。これは、子育て世代にとって大きな朗報であると同時に、中学受験という選択肢が身近になりつつある証ともいえます。特に「これまで学費の高さから私立中高一貫校は選択肢にならなかった」という家庭でも、「高校3年間ならなんとかなるかも」という意識の変化が広がっています。
本記事では、私立学校への進学にかかる費用の現状、各自治体の支援制度の動向、過熱する中学受験市場の変化などを、教育費負担のリアルな側面から詳しく掘り下げていきます。
学費支援はどこまで広がったのか？ ～東京都と大阪府のケース～
2024年度から、東京都では私立高校の授業料に対して所得制限を撤廃し、年収910万円を超える家庭にまで支援が拡充されました。これにより、私立高校に通う生徒の大半が、年収にかかわらず48万円前後の支援を受けられるようになっています。
この支援金は国の就学支援金（最大39万6000円）に加えて、東京都独自の「授業料軽減助成金」が上乗せされる形です。その結果、東京都内に住む家庭であれば、私立高校の平均的な授業料の大部分が実質カバーされるようになりました。
一方、大阪府でも私立高校無償化に向けて段階的に制度を拡充しています。2026年度には全学年で私立高校も対象とした無償化が実施される予定で、すでに一部の高校生には補助が始まっています。府外の私立高校も対象とする柔軟な制度設計が特徴です。
実はタダではない？見落とされがちな費用
授業料が支援されるとはいえ、すべてが「無料」になるわけではありません。入学金や施設費、制服代、教材費、修学旅行の積立など、さまざまな“見えない出費”が家庭の教育費を圧迫する要因となっています。
例えば、東京都内の私立高校の初年度納付金の平均額は約97万円。そのうち授業料を差し引いても、平均で50万円近い自己負担が残るケースが多いのが現実です。
また、私立中学・高校に通う生徒の多くが塾や習い事など、学校外の教育活動に積極的に参加していることもあり、年間に数十万円規模の支出が加わります。中学・高校の6年間で、これらの費用だけでも200万円を超えることも珍しくありません。
中学受験にチャレンジ「金銭的に厳しい」が「受けてみよう」に変わる社会的背景
前述の通り全くお金がかからないわけではありませんが、負担が減ったのは事実です。このような制度改革を背景に、いままで中学受験をする余裕がなかった家庭も「中学受験に挑戦しよう」と考える家庭がじわじわと増えています。実際、2025年度入試では、東京都や大阪府で私立高校への支援制度が拡充された影響を受け、中学受験に動きが見られました。
大阪府では中学受験生の数が前年比7％増加というデータもあり、特に中堅校の受験者数が伸びたことが確認されています。これは「高校から私立に通わせるのは現実的に可能」と感じた家庭が、「ならば中学からでも……」と考えるようになった流れの一端といえるでしょう。
東京都では全体の受験者数に大きな変動は見られなかったものの、中位の女子校や共学中学において受験者が20％以上増加するなど、一部の学校に集中する動きが顕著でした。
中学受験の過熱で空洞化する公立中高
公立中高は中学受験の過熱のあおりを受ける形で優秀層の流出に歯止めが効きません。結果として学校全体が勉強に興味が無い子たちのたまり場と化し、非常に荒れた環境になってきていることが問題視されています。
また高校も私立中が高校からの募集を一切行わない完全中高一貫化を推し進めている高校が増え、都立、県立高校のすべり止めとして魅力的だった私立に高校からは入れないという問題が次々と起きています。すべり止めの私立が受けられないから都立高校のレベルを下げて受験をしなければならず、最終的には大学受験の時に行ける大学のレベルが下がってしまうということにつながっていきます。
医療系大学系列校の台頭と中位校の存在感
ここ数年で注目を集めているのが、大学医学部との連携を持つ中高一貫校です。東海大系列、順天堂系列、獨協医科大学系属校など、「将来、医療系の進路を目指したい」というニーズを叶える環境が整っていることから、人気が急上昇しています。
これらの学校は、偏差値的には中堅レベルに位置することが多く、従来であれば選択肢に入りにくかった家庭にも、受験のハードルが下がってきているのが現状です。
御三家や進学校と言われる学校も医学部への進学を強く後押し。桜陰では医学部受験専門のクラスを立ち上げ対策しています。30年の不況の中で資格職の需要は著しく高まり、その中でも安定し高収入な医師は大変な人気を博しています。
医療系大系列のこれらの中学校では、系列大学への内部進学制度を用意していることが多く、一般入試よりもはるかに低リスクで医系進学が目指せることも人気の要因です。
中学受験で本当に必要なのは「お金」より「覚悟」
しかし、金銭的なハードルが下がったからといって、中学受験が“誰にでも開かれた門”になったわけではありません。むしろ「費用面のクリア」だけでは通用しないのが、中学受験の本質です。
中学受験に挑むには、約3年（小3の冬から小6）にわたって進学塾に通い、日々の家庭学習を積み重ねていく必要があります。親子で受験に向かう覚悟がなければ途中で挫折してしまう家庭も少なくありません。
さらに、近年の入試問題は、単なる暗記や計算では解けない「思考型問題」が主流となりつつあります。時事ネタを題材にした文章読解や、自分の言葉で論理を組み立てていく記述問題が出題されるなど、子ども一人では太刀打ちしにくい試験内容になってきています。
塾が教えてくれない「学び方」を支えるのは家庭
塾は確かに「何をやるか」は教えてくれます。しかし「どうやって学ぶか」「どう考えるか」という姿勢の部分は、家庭で支えるしかありません。読書の習慣や、ニュースに対する関心、日常会話の中で育まれる論理的思考など、そうした“家庭での学び”が、最終的に子どもの力を大きく左右します。
「授業料が安くなるから、とりあえず受けてみよう」では、中学受験は乗り越えられません。家庭が長期的に計画を立て、親が継続して子どもをサポートしていく体制が求められるのです。
まとめ：制度は中学受験を後押し、けれど本質は変わらない
学費支援の制度が拡充されたことで、かつては「夢のまた夢」だった私立中高一貫校への進学が、現実味を帯びてきた家庭も増えました。これは間違いなく、社会的に大きな転換点です。
しかし、中学受験という挑戦がもたらす本質的な課題──学力、継続力、親の支援体制──は何一つ変わっていません。むしろ経済的支援によって“入口”が広がったからこそ、本質的な準備ができているかどうかが、以前よりもはっきりと問われる時代になったといえるでしょう。
私立への進学が視野に入った今だからこそ、焦らず、我が家にとっての「最適な進路」を見極める目を育てていきたいものです。
中学受験を徹底サポート：INSPIRE ACADEMYへのお問い合わせはこちら
お電話でのお問い合わせについては授業中で応答でき兼ねる場合が御座いますので、LINEからのお問い合わせがスムーズです。
〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-1-2 みなとビル2階
10時～22時
