医学部行くなら中学受験!という時代に…
中学受験が医学部合格を左右する!その理由をデータで解説
「医学部に合格したいなら、中学受験からがスタートライン」。そんな言葉が医療関係者や進学塾の世界では半ば常識になりつつあります。なぜ中学受験が医学部合格にこれほど直結するのか、データをもとに順を追って見ていきましょう。
熾烈を極める医学部受験:浪人は当たり前、多浪する受験生も
まず知っておきたいのが、医学部受験の厳しい現実です。文部科学省のデータをもとにした調査によれば、医学部合格者のうち現役生はわずか約35%。残りの約65%は一度以上、浪人を経験しています。2浪が14%、3浪が5%、4浪以上が7%と、複数年にわたって受験し続ける「多浪生」も決して珍しい存在ではありません。
私立大学に目を向けると、さらにその傾向は鮮明です。藤田医科大学では現役合格者が29.2%にとどまり、川崎医科大学に至っては3浪以上の合格者が全体の54.4%を占めるというデータもあります。医学部受験とは、多くの受験生にとって数年がかりの長期戦なのです。
医者になる勝負は小学生から始まっている
では、なぜそれほど難しい医学部受験に、中高一貫校出身者が圧倒的に強いのでしょうか。
2024年時点の調査では、難関国公立・私立医学部の合格者のうち「7〜8割」が中高一貫校出身者であることがわかっています。大学ごとのデータを見ると、東京大学理科三類(医学部)が約88%、京都大学医学部医学科が約83%、慶應義塾大学医学部が約86%、東京医科歯科大学医学部医学科が約79%、大阪大学医学部医学科でも約75%を中高一貫校出身者が占めています。
この数字が示すとおり、医学部合格という目標に向けた戦いは、実質的に小学校高学年の中学受験準備から始まっているといっても過言ではないのです。
中高一貫校は医学部現役合格率も高い
「中高一貫校は現役合格にも強い」というのも、見逃せないポイントです。首都圏の桜蔭高等学校では、卒業生223人のうち126人が医学部に現役合格。現役合格率は実に56.5%という数字をたたき出しています。
なぜこれほどの差がつくのかというと、中高一貫校では中学1年から6年間を見据えた計画的なカリキュラムが組まれているからです。多くの学校では数学を幾何と代数に分けて同時進行で学習し、中学2年間で通常3年分の内容を終わらせます。中学3年生になる頃には高校数学の内容へと突入し、高校1年の終わりには高校3年生までの履修範囲を完成させるペースで進みます。その結果、高校3年生の1年間をまるごと大学受験対策に使えるという、大きなアドバンテージが生まれます。
一方、高校受験からスタートした生徒は、高校1〜2年で基礎固めをしてから受験勉強を始めることになります。小学3年生あたりから勉強を積み上げてきた人と、高校入学から始めた人とでは、受験当日までの勉強量に大きな開きがあるのは、考えてみれば当然のことです。中学受験をしなかった分の「差」を浪人で補う構図が、先ほどの65%という浪人率の一因にもなっています。
公立高校の授業では受験に間に合わない
昨年国から大学受験の期間は2月開始にするようにお達しがありました。現状医学部受験は1月から始まっています。なぜ2月開始にしなければならないのか。これは公立高ではまだ受験範囲が終わっていないからです。受験範囲が終わってないのに受験しろというのはおかしいということでこうなってます。
ですが考えてみてください。仮に2月までに試験範囲までの授業が終わったとします。一方中高一貫校では高2の時点で試験範囲は全て終わり一年間演習につかっています。
どちらが受かるとおもいますか?いうまでもないと思います。
中高一貫校みたいに進度を速めることもできません。だって中学と高校、別母体なんですから。
学校ぐるみで医学部受験を後押ししている
中高一貫校の強さは、カリキュラムだけではありません。学校全体が医学部受験を意識した環境を整えているという点も大きな要因です。
学校によっては、医師という職業がどういうものか、どのような働き方・やりがいがあるのかを生徒に丁寧に伝える機会を設けています。医療体験プログラムや医師を招いた講演、進路指導の充実も、中高一貫校の特徴のひとつです。広尾学園の「医進・サイエンスコース」のように、医学部進学を明確に意識した専門コースを設けている学校も存在しています。
医師になる道を日常的に意識できる環境に身を置いているかどうか。その違いは、6年間積み重なると、受験結果にじわじわと影響してきます。
周りも医学部を目指しているから、常に自分の立ち位置がわかる
最後に、もうひとつ見落とせない強みがあります。それは「周囲の環境」です。
北海道の北嶺中学校では、寮生の約3分の2が国公立大学の医学部に進学しているというデータがあります。このような学校では、医学部を目指すことが「特別なこと」ではなく、あたりまえの前提として学校生活が動いています。
難関中高一貫校に通う生徒は、もともと非常に高い学力を持つ子どもたちです。地元の学校では飛び抜けた成績だった子でも、難関一貫校に入ればそこには同じように賢い生徒がずらりと並んでいます。その中で日々テストの順位が出て、模試の結果が出て、学年内での自分の位置が常に可視化されます。
医学部受験の本番は、まさにそうした「賢い人たちどうしの削り合い」です。普通の学校環境では天才扱いされても、医学部受験の土俵では通用しないことがある。そのシビアな現実を早い段階から体感できる中高一貫校の環境は、医学部合格という目標に向けて、確実に受験生を鍛えていきます。
データが示す事実は明確です。医学部合格という目標においては、中学受験という選択が、その後の6年間を大きく左右しています。医師を目指す道は長く険しいですが、スタートラインをどこに置くかが、その後の軌跡に深く関わっているのは間違いありません。

