MARCH系列校拡大の背景と新設ラッシュの全貌
「小学生のうちに、進学先の大学までかなり見えてくる」。そんな実感を持たせるのが、この10年ほどで目立ってきたMARCH付属・系属中の増加です。
背景には18歳人口の減少があり、文部科学省は、入学定員未充足の私立大学の割合が2005年度の約30%から2023年度の約53%へ上昇したとしています。大学側が中高とのつながりを強め、早い段階から生徒を迎える動きは、もはや一部の話ではなくなりました。
中央大学付属:横浜エリアへの進出と附属化
中央大学は比較的早く他エリアの開拓を始めました。横浜山手女子学園は2009年に中央大学の系属法人となり、学校も系属校化。さらに2010年10月の法人合併で附属学校となりました。
現在の中央大学附属横浜中学校・高等学校につながるこの再編は、横浜エリアにMARCH附属中という選択肢を定着させた出来事でした。東京中心だった付属校の地図が、神奈川にもはっきり広がった象徴的なケースです。
もとよりこの10年に限った話であり中央大学は中学付属の設置が遅く、MARCHの中では出遅れた対応になりました
青山学院大学:神奈川と埼玉に系属校を展開
青山学院大学も、首都圏の別エリアで存在感を強めました。まず2016年4月、横浜英和女学院中学高等学校は「青山学院横浜英和中学高等学校」として青山学院大学の系属校になりました。こちらは偏差値を爆上げしました。
さらに2018年7月には、浦和ルーテル学院の小・中・高が青山学院大学の系属校となる協定が締結され、名称にも「青山学院大学系属」が付されました。埼玉・横浜と、これまで都心の付属校に通いにくかった地域にも、青学系の中学受験の選択肢が生まれたことになります。
特にルーテルはお試し受験で使える埼玉エリアにできたことで大きな影響を及ぼしています。
立教大学:香蘭女学校の推薦枠の拡大
元々男女別で付属中が充実していた立教大学は新しい付属中を増やしたわけではありませんが、香蘭女学校との結びつきを大きく強めました。香蘭女学校は2025年度立教大学入学予定者から推薦進学枠を160名に増員すると発表しています。
これは1学年の学則定員160名と同数で、学校側も「100%の生徒が立教大学へ推薦進学可能」と説明しています。MARCHの中で立教だけは“新設”ではなく、既存の系属関係をより太くした形です。
5割が推薦からこぼれ落ちていくシステムから全員立教確定となったことは大きいでしょう。MARCHレベルの付属校は推薦に引っかからない深海魚の処遇というのが保護者側から見ても不安なものでした。その点が解消されたのは大きいでしょう。
明治大学・法政大学:新系列校誕生
明治大学と法政大学では、直近で新しい動きが続きました。
明治大学付属世田谷中学校・高等学校の誕生
日本学園中学校・高等学校は2026年4月に明治大学の系列校となり、「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」へ校名変更予定と案内されています。公式サイトでは共学化も示されています。
将来的には推薦7割近くを目指すとありますがまだ3割程度の見込み、今後に期待です。
法政大学千代田三番町中学校・高等学校の誕生
法政大学は2026年3月、東京家政学院との基本合意を公表し、2027年4月から東京家政学院中学校・高等学校を系列校化して「法政大学千代田三番町中学校・高等学校」とする予定を明らかにしました。明治と法政でも、新たなMARCH系中学が加わる流れがはっきりしています。
明治、法政は高大連携が強化
この二つの特徴として大学の本キャンパスと近い立地が挙げられます。明治世田谷は和泉キャンパス、法政千代田は市ヶ谷キャンパスと歩いていける場所に立地しそれぞれの付属大と密な連携が期待されます。


まとめ:中学受験から始まる「大学選び」の新たな潮流
こうして見ると、この十数年でMARCHは、立教を除く全てで新たな付属・系属の中学校を持つ流れを進め、立教も香蘭の推薦枠拡大で対応しました。しかも舞台は都心だけではなく、横浜やさいたま市、世田谷、千代田区へと広がっています。
中学受験は6年後の高校受験回避だけでなく、その先の大学まで見通した学校選びとつながりやすくなりました。MARCH付属中の増加は、大学選びが小学生の段階から静かに始まっていることを示す、首都圏教育の大きな変化だといえます。