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大学付属校の決定的なデメリット:理系進学に弱い

中学受験ブログ / 2026年4月8日

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中学受験ブログ 2026年4月8日

大学付属校の決定的なデメリット:理系進学に弱い

大学付属校の決定的なデメリット:理系進学に弱い

大学受験の負担を減らし、のびのびとした学生生活を送れる「大学付属校」は、中学・高校受験において非常に高い人気を誇ります。しかし、もし将来お子さんが「理系」や「医学部」に進みたいと考えたとき、その選択が裏目に出てしまう可能性があることをご存じでしょうか。

今回は、付属校における理系進学の実態と、そこにある「構造的な壁」について解説します。

MARCHや早慶の付属校は圧倒的に人気で倍率も非常に高い。しかし近年緩やかながら有名大学付属中学は受験者数を減らしつつあります。それはなぜなのでしょうか。

そこには理系に弱いという決定的なデメリットがありました。


1. MARCHの学部構成は圧倒的に「文系」寄り

「大学受験がないから安心」とMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の付属校を選んでも、内部進学で理系学部へ進むのは、実はかなりの狭き門です。

各大学の学部構成(文系・理系の数)を比較すると、その偏りが一目でわかります。

大学名文系学部数理系学部数
法政大学114
青山学院大学101
立教大学101
明治大学73
中央大学71
群を抜いて理系学科が少ない立教大学

立教大学 池袋キャンパス

立教大学の理系は「理学部」のみで、数学科、物理学科、化学科、生命理学科の4学科で構成されています。人数も少なく(1学年約300名)

このように、多くの大学で理系学部はわずか1〜数学部しかありません。そもそも内部進学で用意されている「理系の席」自体が非常に少ないのです。入学後に理系への興味が芽生えたとしても、枠の奪い合いになることは避けられません。

また、この中でも注目しなけれならないのは工学部の有無、理系は文系と違い理系ならどこでもいいというわけではありません。数学科、電気科、機械化、建築科、化学科など入った学部によって就職先までグッと絞られてしまいます。

例えば化学系企業が同じ理系というくくりだから電気系の子でもいいやという採用はしないのです。

上の表で言えば青学、立教、中央は全て理系が1ですが、青学と中央は理工学部でその中に数学科や工学科など様々別れた進学先があります。一方の立教は理学部しかなく、工学科には進みたくとも存在しないので進めません。また建築学部は明治と法政にしかなく、その他の中高なら外部受験をせざるを得ません。

MARCHは理系と文系でキャンパスが違う

青山学院大学 相模原キャンパス

青山学院も文系は表参道、理系は相模原です。余談ですが相模原キャンパスには野球場や陸上競技場があり、箱根駅伝を走るランナーがキャンパス内を日々走り回っているのを見かけます。

付属中高は大学キャンパスと場所が近いことが多いことと、理系は中央大以外は立地が悪く、都心でのキャンパスライフにあこがれを持つ子も多いためか、MARCHの理系内部進学者は少ない

MARCH理系キャンパス:明治・生田、青山学院:相模原、立教:池袋、中央:水道橋、法政:小金井(一部学部は異なる場合があります。)

2. 早慶でも「医学部・医療系」は別世界

私立の雄である早稲田・慶應であれば理系も学部が多いためMARCH付属より選択肢は広がりますが、それでも特有のハードルが存在します。

早慶なら大学レベルも学部学科も豊富で申し分ない!と思いきや…

慶應の付属中高に入ったからといっても、いきたい学部に行けるとは限らない。内部での激しい争いが待っている。早慶の場合はブランド力も高く、外部受験をするデメリットの方が大きくなってしまう。

慶應医学部への推薦枠は極めて少なく、主要5教科だけでなく実技科目(体育・音楽など)を含む全科目でトップクラスの成績を維持し続けなければなりません。当然慶應中高にいる子たちと競い合うわけですから、厳しい戦いです。そのハードルの高さから、付属校に在籍しながらあえて内部進学を諦め、他大学の医学部を受験する生徒も少なくないのが現実です。

3. 大学側が「付属校」を増やし続ける本音

近年、明治大学付属世田谷(旧:日本学園)や法政大学千代田三番町(旧:東京家政学院)など、MARCHの系列校化が相次いでいます。なぜ今、これほどまでに付属校が増えているのでしょうか。

背景にあるのは、深刻な18歳人口の減少です。大学側にとっては、早い段階で「将来の入学者」を確保できる付属校は、経営を安定させるための「確実な仕組み」といえます。

しかし、これはあくまで大学側のメリット。受験生側から見れば、その大学にない学部(理系・医療系など)に行きたくなった際、身動きが取りづらくなるというリスクを孕んでいます。

4. 付属中からの他大受験は「逆風の中の戦い」になる

付属校に入ったあとで「やっぱり他大学の理系学部を受けたい」と考えた場合、想像以上の苦労が待ち受けています。

大学付属中高から外部大の受験は厳しい
  • カリキュラムの壁: 学校側は系列大学への進学を前提としているため、一般受験に向けた対策授業が行われないケースが多いです。
  • 環境の壁: 周囲の友人が早々に進路を決め、卒業旅行の計画や思い出作りをし始めお祝いムードに包まれる中、一人だけ受験勉強を続ける孤独感は相当なものです。
  • 心理的な孤立: 学校によっては、他大受験組が別室で自習を強いられるなど、文字通り「逆風」の中で走り続けるような状況になりかねません。
  • 推薦枠は蹴ることに:基本的に一般受験をする場合付属大の推薦は蹴ることになります。一部の付属校は例外つきで推薦枠を保持したまま受験できるところもありますが、条件付きが多く推奨できるものではありません。
  • 付属生がかかる”呪い”:大袈裟ですが、心理的に推薦で行けた大学を蹴っているわけだからそこ以上の大学に行かなければ意味がない!と思ってしまいます。中高一貫校は大学に行くことが当たり前で高校生レベルでは学歴がかなり気になります。しかしMARCH以上の大学は早慶や旧帝しかなく、頭が良くても運が悪ければ落ちるハイレベルな大学です。推薦を蹴ってMARCH以下の大学なんて、プライドが許しません。早慶ならよりシビアなことは言うまでもなし。

また、付属大に行きたい学部がある場合でも更なる高みを目指し、東大などの旧帝大、早慶などに行きたいとなった時も難しくなります。受験生本人もMARCHの大学に確実に進学できるチケットを捨てて、一般受験という荒波に飛び込む勇気がでない。そんな子が多くなります。

5. 付属中高進学は親のエゴ?

正直、言いすぎですが、子供が付属中を強く進学希望していない限り親が子の進学による心労を減らしたいという思惑が見え隠れします。

大学受験において親の心配は尽きません。少子化とはいえ、難関大学はいまだに簡単に入れず、厳しい状況。大学全入時代のため、どこでもよければ大学には入れますがそれでは中学受験させている意味がない。でも浪人は耐えられない。MARCHに入れれば一般的に大学受験は成功です。その子育てを成功した、という安心感を早買いできるのがある種の有名大学付属中高なのです。


結論:付属校の「安心感」をどう捉えるか

付属校が持つ「受験に縛られない豊かな時間」は、間違いなく大きな魅力です。しかし、理系や医療系への進学を少しでも視野に入れているのであれば、以下の点を確認しておく必要があります。

  1. 内部進学先に希望の理系学部があるか、その枠は十分か。
  2. 他大受験が必要になった際、どのようなサポート(または制約)があるか。

「入ってから考えればいい」という楽観視は、時にお子さんの将来の選択肢を狭めてしまいます。付属校のメリットだけでなく、その裏側にある構造まで理解したうえで、慎重な学校選びを心がけましょう。

理系進学を真剣に検討するなら、最初から一般入試を前提とした「進学校」を選ぶほうが、結果としてスムーズに目標を達成できるかもしれません。


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