中学受験を目指す小学生に向けて、前回の「聖武天皇のストーリー」からさらに一歩踏み込み、実際の入試で差がつく「東大寺のディープな重要ポイント」を掘り下げて解説します!
テストでよく狙われる建築のひみつや、毎年必ず出題される超重要行事など、知っておくと一気に合格が近づく知識をまとめました。
1. 大仏殿と正倉院の「建築のひみつ」を攻略!
東大寺の敷地内には、入試の「正誤問題(正しいものを選べ)」や「写真問題」で非常によく狙われる2つの超重要建築があります。
① 大仏殿(金堂)の「世界最大級」のひみつ
大仏さまが座っている「大仏殿(だいぶつでん)」は、世界最大級の木造建築物です。
しかし、いま私たちが見ている大仏殿は、実は奈良時代のものではありません。戦国時代などに2回も戦火で焼け落ちてしまい、江戸時代に作り直されたものです。
- 中学入試の引っ掛けポイント!江戸時代に作り直されたとき、当時の技術や予算の都合で、横幅が奈良時代の約3分の2(コンパクト)に縮小されました。入試では「現在の大仏殿は、奈良時代と全く同じ大きさで残っている」というバツの選択肢がよく出るので注意しましょう!
② 正倉院(しょうそういん)の「校倉造(あぜくらづくり)」
大仏殿の北側にあるのが、聖武天皇の遺品や、シルクロード(絹の道)を通って世界中から集まった宝物を保管していた「正倉院」です。
- どんな形の建物?三角形の木材を「井」の字のように積み上げた、校倉造(あぜくらづくり)という特別な建築様式です。
- なぜ宝物が1200年以上もキレイに残ったの?「木が伸び縮みして湿度を調整したから」と昔は言われていましたが、近年の研究では、「ヒノキの木でできた頑丈な密閉箱(唐櫃:からびつ)の中に宝物を入れて大切に保管していたから」ということが分かっています。 また、床を高くした高床倉庫(たかゆかそうこ)の形になっているため、風通しがよく、湿気やネズミから宝物を守ることができました。
2. 今でも続く!入試にでる伝統行事「お水取り」
東大寺の「二月堂(にがつどう)」という場所で、毎年3月に行われる「お水取り(修二会:しゅにえ)」という行事は、中学受験の地理や季節の問題で大定番です。
- 何をする行事?大きな松明(たいまつ)に火を灯して舞台を走り、その火の粉を浴びることで、人々の一年の無病息災(病気をしないこと)を祈ります。また、若狭井(わかさい)という井戸から、神様にお供えするお水をくみ上げます。
- 入試ではどう出る?「この行事が終わると、関西に本格的な春が訪れる」と言われています。入試では「春を告げる奈良の伝統行事は何か」や、季節(3月=春)を答えさせる問題でよく登場します。
🫎 3. なぜ東大寺のまわりには「シカ」がたくさんいるの?
東大寺や奈良公園に行くと、たくさんのシカが出迎えてくれますよね。小学生のみなさんも大好きなポイントだと思いますが、実はこれにも歴史的な理由があります。
奈良時代、東大寺のすぐ近くにある「春日大社(かすがたいしゃ)」という神社に、茨城県にある鹿島神宮から神様がやってくることになりました。その際、「神様が白いシカの背中に乗ってやってきた」という伝説があるのです。 そのため、奈良のシカは古くから「神の使い(神鹿:しんろく)」として法律で手厚く守られ、今でも大切に共存しています。
実際の出題例から学ぶ対策
【問題例】
東大寺の正倉院に収められている宝物には、ペルシャ(イラン)製のガラスの器や、インドの楽器などがあります。このことから、当時の日本(天平文化)についてわかることを、「シルクロード」という言葉を使って説明しなさい。
【模範解答のイメージ】
唐(中国)だけでなく、シルクロードを通じて西アジアや南アジアの国際色豊かな文化が日本に伝わっていたこと。
天平文化は「国際色豊かな文化」というフレーズがキーワードになります。正倉院はその象徴として記述問題の主役になりやすいので、しっかり記述の練習をしておきましょう!