2026.08.14 INSPIRE ACADEMY
「毎週の予習が終わりません。分からないところを私が教えるのですが、その負担が大きくて」
四谷大塚に通われているご家庭から、このご相談を毎年いただきます。四谷大塚は、大手塾のなかで唯一「予習主義」を採っています。
INSPIRE ACADEMYではお話を伺うたびに、まずお伝えしていることがあります。
予習は必須ではありませんし、実は本来保護者が教える必要もないのです。この記事では、四谷大塚の予習をどう扱うべきかを整理します。
本記事は公表されている情報と、当塾に寄せられるご相談にもとづいています。カリキュラムや教材は変更されることがありますので、最新の情報は塾にご確認ください。
予習主義の四谷大塚
1. 予習をしないと授業についていけない、わけではありません
四谷大塚は予習を推奨していますが、していかないと授業が成立しないという設計ではありません。予習をしていくほど授業での理解が深まる、という位置づけです。
2. 保護者がすべてを教える必要はありません
「四谷大塚は親が教える塾」と言われることがありますが、これは旧来のイメージです。保護者に求められるのは指導ではなく、学習の管理です。
この2点を知らないまま、「予習を完璧に終わらせなければならない」「分からないところは親が解説しなければならない」と考えると、当然ながら家庭は疲弊します。
では、なぜ予習を勧めるのか
四谷大塚は、大手塾のなかで唯一「予習主義」を採っています。この意味を理解すると、予習への向き合い方が変わります。
学習には、導入・定着・復習という流れがあります。
復習主義の塾の場合
授業が導入から始まります。そのため、定着まで授業中に到達できません。理解が不十分なまま帰宅し、宿題で苦戦することになります。
予習主義(四谷大塚)の場合
予習で導入を済ませているため、授業中に定着まで進めます。基礎が分かった状態で宿題に取り組むので、家庭学習がスムーズになります。
つまり予習は、後の負担を減らすための投資です。予習に時間をかけるぶん、宿題の時間が減る。この構造を知らずに「予習も宿題も両方やらなければ」と考えると、二重の負担になります。
重要なのは、予習の完成度ではなく、授業に入る前に一度触れておくことです。ここを取り違えないでください。
親が教えない予習のやり方
具体的な方法をお伝えします。
1. まず本人にテキストを読ませる
予習シリーズは、読んで理解できるように書かれています。保護者が先回りして説明しないでください。読んで分からなければ、それが授業で聞くべき箇所になります。
2. 例題を解かせて、分からない箇所に印をつけさせる
全部解ける必要はありません。「どこが分からないか」が明確になれば、予習の目的は達成されています。
3. 分からない箇所は、映像講座を使う
四谷大塚には予習ナビという映像コンテンツがあります。保護者が解説する代わりに、これを使ってください。ただし見るだけでは解けるようになりません。視聴後に自分の手で解き直すことが必要です。
4. それでも分からなければ、授業に持ち込む
予習の段階で完全に理解する必要はありません。むしろ「ここが分からない」という状態で授業に臨むほうが、集中して聞けます。
この流れなら、保護者が問題を解説する場面はほとんど発生しません。
それでも家庭で解説が必要になる場合は、予習の量が本人の処理能力を超えている可能性があります。その場合の対処は後述します。
保護者の役割は「管理」です
では、保護者は何をすればよいのか。
やるべきこと
・1週間のスケジュールを一緒に決める
・予定どおり進んでいるかを確認する
・終わらないときに、優先順位を判断する
・映像講座を見る環境を整える
・体調と睡眠時間を守る
やらなくてよいこと
・問題の解き方を教える
・予習を完璧に終わらせる
・間違えた問題をその場で解説する
・保護者が予習シリーズを先に読んで準備する
教えようとすると、多くの場合うまくいきません。中学受験の算数は、大人の解き方と子どもの解き方が違うためです。方程式で解いて見せても、本人は使えません。
そして教えようとするほど、親子関係が悪化しやすくなります。「なぜ分からないの」という言葉が出た時点で、学習の場が緊張の場に変わります。この状態では、本人は分からないことを隠すようになります。
四谷大塚が合いにくいケース
ここまでの対処をしても負担が減らない場合、塾との相性を考える段階に入ります。
前提として、2022年に予習シリーズが改訂され、難易度と進度が上がりました。以前は小5で扱っていた規則性・平面図形・立体図形といった単元が、小4のカリキュラムに組み込まれています。他の進学塾と比べても速いペースです。
この設計に対して、次のようなお子さまは負担が大きくなります。
文章を読んで理解するのが苦手
予習主義は、本人がテキストを読めることが前提です。読解に負荷がかかるお子さまは、予習の段階で止まります。そして保護者が読み聞かせる形になり、負担が発生します。
計画を自分で回すのが難しい
予習・授業・週テスト・復習というサイクルを、自分で管理する必要があります。低学年のうちは特に、この自走が難しい場合があります。
進度に対して基礎が固まっていない
改訂後のカリキュラムは速く、一度つまずくと自力で追いつくのが難しくなります。基礎が不十分な状態で先へ進むと、差が開き続けます。
週テストの結果に強く反応する
毎週テストがあり、成績が可視化されます。結果に一喜一憂するタイプのお子さまには、精神的な負荷が続きます。
逆に、読解力があり、自分のペースで進めたいお子さまには非常に向いた塾です。教材の質は高く、大手塾としての情報量とトラブル対応の安定感もあります。
転塾を考えるとき
転塾には相応のコストがあります。判断の前に確認してください。
転塾のコスト
・カリキュラムの進度が違うため、抜けや重複が生じる
・教材が変わり、慣れるまでに時間がかかる
・入塾金など費用が再度発生する
・環境を変えても、理解の穴はついてくる
最後の点が重要です。予習が終わらない原因が特定の単元の理解にある場合、塾を変えても解決しません。
転塾を検討すべきケース
・予習主義という仕組み自体が、本人の特性と合っていない
・複数科目が長期間にわたって崩れている
・週テストの重圧で、通うこと自体が負担になっている
転塾しなくてよいケース
・崩れているのが特定の科目・単元だけ
・本人は塾の環境や友人関係を気に入っている
・問題が「予習の進め方」にある(=やり方を変えれば解決する)
今回のご相談のように「予習の負担」が中心なら、多くの場合は転塾せずに解決できます。進め方を変えるだけで、家庭の負担は大きく減ります。
それでも転塾するなら
予習の負担をなくしたい場合
日能研へ。復習主義で、進度も比較的ゆるやかです。中堅校を志望する層への対応も手厚くなっています。
教材を変えたくない場合
早稲田アカデミーへ。予習シリーズを使用しているため、教材面の断絶がありません。ただし宿題量は多く、講師が強く引っ張るスタイルです。予習の負担を減らす目的なら、必ずしも解決になりません。
最難関を目指す場合
SAPIXへ。復習主義でテキストは毎回配布されます。ただし自走を前提とする度合いが高く、家庭でのフォローは別の形で必要になります。
少人数で見てほしい場合
個別指導型の塾。集団のペースに合わせる必要がなくなります。ただし競争環境や模試での位置づけは別途確保する設計が要ります。
時期については、学年の切り替わりが最も断絶が小さくなります。6年生の秋以降の転塾は、慣れる時間が入試までの時間から差し引かれるため、原則としてお勧めしません。
第3の選択肢
「続ける」か「辞める」かの二択で悩まれる方が多いのですが、もうひとつあります。
四谷大塚を続けながら、予習の部分だけを外部に任せる形です。
保護者が担っている「分からないところを説明する」という役割を、そのまま個別指導に移す。教材は予習シリーズをそのまま使うので、余計な負担は増えません。
この形が向くのは、次のような状況です。
・算数だけ、理科だけといった形で予習が止まる
・保護者が教えることで、親子関係が悪くなっている
・週テストの直しが回らない
・本人は塾の環境を気に入っている
当塾でも、四谷大塚に通いながら1科目だけを受講されているご家庭が多くあります。学習の軸は塾に置いたまま、家庭が抱えていた部分だけを引き取る形です。
予習シリーズをそのまま使います
INSPIRE ACADEMY はコマ単位の料金設定です。全科目を移していただく必要はありません。別の教材を追加することもしません。いま使っている予習シリーズの進め方を組み直します。
中学受験対策 1コマ60分 8,000円
算数・国語・理科・社会から選択
入塾金 30,000円(初回のみ)
当塾では、教える前にどこで止まっているかを特定することから始めます。予習が終わらないのは量の問題なのか、特定単元の理解なのか、読解の負荷なのか。原因によって対処が変わります。
また、ご家庭での関わり方もあわせてお伝えしています。中学受験は小学生の受験です。保護者のサポートは不可欠ですが、関わり方を誤ると逆効果になります。
今回のご相談のように、「教える役割」を手放すだけで状況が変わることは少なくありません。
よくある質問
予習をしないで授業に行っても大丈夫ですか
授業についていけなくなるわけではありません。ただし予習をしていくほど、授業中の理解が深まる設計になっています。完璧に仕上げる必要はないので、テキストを読んで例題に目を通す程度でも構いません。「どこが分からないか」が分かっていれば十分です。
親が教えないと予習が進みません
予習ナビなどの映像講座を活用してください。保護者が解説する代わりになります。ただし視聴後に自分の手で解き直すことが必要です。それでも進まない場合は、予習の量が本人の処理能力を超えている可能性があります。
教えようとすると子どもと喧嘩になります
よくあることです。中学受験の算数は大人の解き方と異なるため、教えること自体に無理があります。教える役割は塾か個別指導に任せ、ご家庭は管理と見守りに徹するほうがうまくいきます。
週テストの直しまで手が回りません
すべてを直す必要はありません。正答率が高いのに間違えた問題を優先してください。多くの受験生が正解している問題ほど、落とすと差がつきます。逆に正答率の低い難問は、後回しで構いません。
四谷大塚と早稲田アカデミー、どちらがよいですか
教材はどちらも予習シリーズで共通です。違いは指導スタイルにあります。講師に引っ張ってもらいたいなら早稲田アカデミー、自分のペースで進めたいなら四谷大塚という選び方になります。予習の負担を減らす目的での転塾先としては、必ずしも適していません。
個別指導を併用すると負担が増えませんか
当塾は予習シリーズをそのまま扱い、優先順位を整理します。別教材を追加しないため、多くの場合、学習の総量はむしろ減ります。1科目・1コマからの受講が可能です。
四谷大塚の予習が負担になっているとき、最初に見直すべきは塾ではなく、予習の進め方です。
予習は完璧に仕上げるものではありません。保護者が教えるものでもありません。「どこが分からないか」を明確にして授業に臨むための準備です。
それでも回らない場合は、量が本人の処理能力を超えています。その場合も、選択肢は「続ける」か「辞める」かだけではありません。
まずは現状を確認させてください
週テストの結果や予習シリーズをお持ちいただければ、体験授業の場でどこで止まっているかを分析し、進め方を具体的にご提案します。入塾を前提としないご相談で構いません。1科目のみのご相談も歓迎します。
お電話:03-6407-0548(10:00〜22:00)
INSPIRE ACADEMY は、東京・世田谷にある個別指導型の中学受験専門塾です。コマ単位の料金設定のため、1科目・1コマからの受講が可能で、大手塾との併用にも対応しています。母体は最難関大学受験・医学部受験の専門塾を運営しており、中学受験をその先まで見据えた通過点として捉えた指導を行っています。下北沢・代々木上原・東北沢・駒場・笹塚・三軒茶屋の各エリアから通塾いただけるほか、オンライン授業にも対応しています。
本記事は公表されている情報にもとづいて作成しています。各塾のカリキュラム・教材・費用は変更されることがありますので、最新の情報は各塾に直接ご確認ください。
〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-1-2 みなとビル2階/03-6407-0548
2026年8月14日 公開