上智大学の付属中学はある?中学受験で上智大学を目指したいならどこ?

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上智大学とその関連校:附属校の実態と推薦入試の仕組み

MARCHと早慶の間上智大学の付属中学

東京都千代田区に本部を構える上智大学は、日本におけるカトリック系大学の代表格として知られています。国際色豊かな教育環境や、高い語学教育の評価を背景に、国内外から多くの学生が集まるこの大学ですが、「上智大学附属中学・高校」という名前の学校は実は存在しません。つまりは上智大学付属中学、高校ともに存在しないということになります。

多くの大学には、大学進学を前提とした附属の中高一貫校が設置されています。中学受験でも有名大学付属校は人気が高く早慶、MARCHの付属校は偏差値が上昇しています。しかし、大学で同レベル帯に位置する上智大学の場合、いわゆる「附属校」という名称を冠した中学・高校は設立されておりません。

代わりに「系列校」や「姉妹校」と呼ばれる教育機関との連携を深める形をとっています。これにより、大学の教育理念を広く共有しつつも、各校は独立した運営体制を維持しています。

上智大学:四谷キャンパス

中央線の駅からすぐの場所に位置し立地がいい。文理共通キャンパス。
上智大学の英名はSophia University Sophiaは ΣΟΦΙΑ(ギリシャ語で“最上の叡智”)からとったものです。

上智大学とカトリック教育機関の関係

上智大学の母体は、イエズス会というカトリック修道会です。イエズス会は、世界中で教育機関を設立・運営してきた歴史を持ち、日本国内でもその教育理念に基づいた中学・高校を各地に展開しています。上智大学と特に深いつながりを持つ教育機関は、以下のような学校です。

  • 栄光学園中学校・高等学校(神奈川県鎌倉市/男子校)
  • 六甲中学校・高等学校(兵庫県神戸市/男子校)
  • 広島学院中学校・高等学校(広島県広島市/男子校)
  • 上智福岡中学校・高等学校(福岡県福岡市/共学校)

これらの学校は、それぞれ独立した学校法人により運営されていましたが、2016年4月にそれらの法人が統合される形で、上智大学を運営する「学校法人上智学院」に一本化されました。これにより、運営体制は一本化されつつも、各校はそれぞれの地域における伝統や教育方針を維持しながら活動しています。

ただし、これらの学校が「附属校」として認識されるかというと、それは少し異なります。というのも、これらの学校に通う生徒全員が自動的に上智大学へ進学できるわけではありません。一定数の推薦枠が設けられてはいるものの、それは成績や人物評価などの選抜を経た上での話です。つまり、上智大学への進学の道は開かれているものの、それを保証するものではないのです。

推薦枠がそれぞれ用意されていますが早慶やMARCHの付属校とは異なりほぼ全員が進学できるという魅力的なものではありません。また首都圏においては対象行が栄光学園しかない上に栄光学園は神奈川男子御三家に数えられる名門校であるため上智大学は眼中にあらず誰も推薦枠など利用しないという実態になっています。

上智福岡の誕生と共学化

特に注目すべきは、旧・泰星学園が2011年度から「上智福岡中学校・高等学校」として新たなスタートを切った点です。この変更は、上智大学との教育提携により実現したもので、同校には現在、毎年一定数の推薦枠が設けられています。さらに、2012年度からは男子校から共学校へと移行し、多様な人材を受け入れる柔軟な体制を構築しました。

このように、上智大学はカトリック教育の伝統を継承しつつ、現代の多様化する教育ニーズに対応するため、系列校との協働を強化しています。

推薦制度と連携協定の拡充

上智大学では長年、「カトリック高等学校対象特別入学試験」、通称「カト推(かとすい)」と呼ばれる制度を実施してきました。これは、日本カトリック学校連合会に加盟している高校に在籍する生徒を対象とした特別な入試制度です。

以前は、各高校の推薦を前提とした指定校推薦型の制度でしたが、2021年度からは「総合型選抜」という形で、より幅広い応募を受け入れる方式へと変化しました。これにより、志望者が学校の推薦に頼ることなく、自らの志望理由や活動歴を通じて入試に臨むことが可能となりました。

加えて、2020年代に入ってから、上智大学は個別のカトリック学校との連携協定の締結を一気に拡大。例えば、横浜雙葉、湘南白百合学園、清泉女学院、不二聖心女子学院などが新たに連携校として加わっています。2023年度にはさらに、カリタス女子、光塩女子学院、聖園女学院、聖心女子学院など、首都圏を中心に全国規模で協定を広げ、結果として40校以上のカトリック系学校と連携するに至りました。

こうした協定により、各校の生徒たちは上智大学を進学先の有力候補として意識し始めるようになりました。実際、ある中高一貫校の校長は、「中学3年の段階で外部高校への進学を考えていた生徒が、大学との連携を知ってそのまま高校に残ることを決めた」と話しています。連携協定が生徒の進路選択に与える影響は、想像以上に大きいようです。

実質的な「附属校化」と推薦の実態

形式上は附属校ではないものの、これらの系列校は実質的には「準附属校」と言えるほど、上智大学への進学実績において優位性を持っています。特に、イエズス会の教育方針に則った教育内容を展開している学校では、上智大学との理念的な親和性が高く、入学後も違和感なく大学生活に溶け込むことが期待されています。

また、推薦入試や特別選抜枠による入学者の割合も高水準で、全入学者のうち約4割以上が何らかの推薦制度を利用しているとされています。これは一般入試を経ずに入学する学生の割合としては、私立大学の中でも非常に高い水準にあります。

推薦制度には、指定校推薦、カトリック高校対象の特別入試、総合型選抜、さらには系列校向けの内部推薦など、複数の枠が存在します。これらを上手に活用することで、早期から計画的に上智大学進学を目指すことが可能になります。

まとめ:上智大学は「附属がない」からこそ多様性がある

上智大学は、表向きは附属校を持たない大学ですが、実際にはイエズス会の教育理念を共有する多くの中学・高校と密接に連携しています。これにより、大学が求める人物像に合致する学生を安定的に確保しつつ、多様性を持った入学者層を実現しているのです。

特に、全国のカトリック系高校との連携強化や、推薦制度の柔軟化・拡充を通じて、より多くの学生にとっての「進学の道」を開いています。こうした上智大学の取り組みは、単なる附属校システムとは異なり、カトリック教育の価値を広く社会に伝えるための戦略でもあるのです。

上智大学への進学を目指すなら、早い段階から系列・連携校の存在を知り、推薦制度の活用について計画を立てることが大切です。附属校がないことは、裏を返せば、より多くの教育機関とオープンに連携している証でもあります。進学先としての上智大学を見つめ直すことは、自分の将来にとっても有意義な選択になるでしょう。


必要に応じて、さらに校名の一覧や推薦制度の詳細、または他大学との比較なども追加可能です。ご希望があればお知らせください。

以下に、上智大学と関係の深い校名の一覧、推薦制度の詳細、他大学との比較をまとめたセクションを追加します。これにより、読者により具体的で実用的な情報を提供できます。


【補足1】上智大学と関係の深い中高一貫校の一覧

上智大学は、以下のような中学校・高等学校と密接な関係を持っています。形式上の「附属校」ではありませんが、理念を共有し、推薦枠や教育連携を通じて事実上の系列校・準附属校として機能しています。

● 旧・法人統合による系列校(イエズス会系/男子校中心)

学校名所在地性別備考
栄光学園中学校・高等学校神奈川県鎌倉市男子校イエズス会設立。上智学院と統合。
六甲中学校・高等学校兵庫県神戸市男子校同上
広島学院中学校・高等学校広島県広島市男子校同上
上智福岡中学校・高等学校(旧・泰星学園)福岡県福岡市共学校2011年から上智と提携。2012年共学化。

● 連携協定を締結した女子校・共学校(2020年代以降)

これらの学校は、近年上智大学と個別に教育連携協定を締結しており、生徒が上智大学を目指しやすくなる制度的背景が整っています。

  • 横浜雙葉中学・高校(神奈川)
  • 湘南白百合学園中学・高校(神奈川)
  • 清泉女学院中学・高校(神奈川)
  • 不二聖心女子学院中学・高校(静岡)
  • カリタス女子中学・高校(神奈川)
  • 光塩女子学院中学・高校(東京)
  • 晃華学園中学・高校(東京)
  • 聖園女学院中学・高校(神奈川)
  • 聖パウロ学園高校(東京)
  • 東星学園中学・高校(東京)
  • サレジアン国際学園中等部・高等部(東京)
  • 聖ヨゼフ学園中学・高校(神奈川)

※いずれもカトリック系学校であり、上智大学の理念に親和性が高い点が共通しています。


【補足2】上智大学の推薦入試制度の詳細

上智大学では、一般選抜に加えて多彩な推薦入試制度が整備されており、2020年代に入ってさらに充実しています。以下は主な推薦制度の概要です。

■ 総合型選抜(旧・カト推)

  • 対象:カトリック学校連合加盟校の在学生
  • 特徴:以前は学校推薦が必要だったが、現在は自己推薦による自由応募制
  • 選考方法:書類選考、面接、小論文など
  • 目的:信仰心・倫理観を重視する人物像に合致した学生を選抜

■ 学校推薦型選抜(指定校推薦)

  • 対象:指定された高校(主に系列・連携校)の生徒
  • 特徴:学業成績・人物評価に基づく校内推薦が必要
  • メリット:競争倍率が低く、合格率が高い

■ カトリック高校対象推薦(特別枠)

  • 対象:上記の連携校やカトリック系学校の生徒
  • 内容:大学と高校間で協定に基づき、推薦枠が事前に設定される
  • :上智福岡からは年間20名の推薦枠

【補足3】他大学との比較:付属・系列校の考え方と推薦制度

上智大学は「理念的連携」に重点を置いた推薦制度を採用しており、他の有名私立大学と比較すると、やや異なる特徴を持っています。以下はその比較表です。

大学名附属校の有無推薦制度の傾向コメント
上智大学附属校なし(系列・連携校あり)カトリック連携校向け推薦が中心イエズス会教育との整合性を重視
早稲田大学附属・系属校あり(早稲田実業など)一般・指定校推薦枠ともに多数附属からの進学率が非常に高い
慶應義塾大学附属校多数(慶應義塾高など)内部進学が中心で推薦枠は少なめ附属校出身者が学内の多数を占める
明治大学附属校あり(明大明治など)内部進学+指定校推薦が充実進学実績も安定的
上智大学系列校からの推薦割合が約41.5%一般入試を超える存在感附属ではないが実質的に近い

上智大学の場合、「付属校=無条件での進学先」という形式はとらず、あくまで教育理念に共鳴する学校との連携と推薦制度による選抜を大切にしている点が他大学との違いです。


まとめ:附属校がない上智大学の柔軟なネットワーク型進学戦略

上智大学は、他の有名私立大学と比べて「附属校による囲い込み型」ではなく、ネットワーク型の進学戦略を取っています。全国のカトリック系学校と緩やかに連携することで、多様なバックグラウンドを持つ学生に門戸を開きながらも、大学としての教育方針や価値観を維持する仕組みを構築しています。

この方針は、大学全体の推薦入試比率が40%を超えていることからも明らかであり、今後もさらなる連携の拡大が期待されます。

上智大学を目指す中高生、保護者、教育関係者にとって、こうした連携の構造を理解することは、進路設計上きわめて重要なポイントとなるでしょう。


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