SAPIX(サピックス)に通う家庭の現実とは?親の負担とその対策
中学受験を目指す多くの家庭が、わが子をSAPIX(サピックス)に入れようと考えます。タワマン文学と相打ってハイスぺ旦那と結婚し子供をSAPIXへ入れることが勝者の印という資本主義の権化の象徴の一部とすら化しつつあるSAPIX。しかし現実はそう甘くありません「サピックスは親の負担が大きい」のです。実際にサピックスに子どもを通わせている保護者からは、
- 「宿題の量が多くて、全部やらせるのが大変!」
- 「塾のフォローがあまりにも手薄いのでは?」
といった声が聞かれます。入塾してから「こんなはずではなかった」と後悔しないために、サピックスの特性を正しく理解し、親としてどのようなサポートが必要なのかを考えていきましょう。
サピックスの授業スタイル:家庭学習が鍵
サピックスの授業は比較的短時間です。通常授業だけでなく春期、冬期講習もSAPIXは圧倒的に拘束時間が短いです!小学生の集中力は短いのである種理にかなっていると言えなくもありません。大人や大学生でも90分が限界とされ大学の授業も多くは90分区切りです。しかし他塾と比べても短いためSAPIX(サピックス)で学ぶのは勉強のさわりの部分に過ぎません。子どもは授業を受けた段階ではまだ完全に理解できておらず、家庭での宿題を通じて本格的に学習を進める仕組みになっています。結局勉強時間は変わらないんだからサピで見てくれよ…と言いたくもなりますよね。
SAPIX(サピックス)には自習室がなく質問環境も整っていない
サピックスには自習室がなく、授業後に質問できる時間も限られているため、家庭での学習環境を整えることが重要になります。日能研などの塾は授業時間の前にも先生に質問に行けたりしますがサピは完全拒絶。授業終わりに過去問の質問に答えるだけです。しかも授業を挟んでからの質問なので頭がこんがらがりうまく質問ができないなんてことも…。つまりはわからない問題があったら親が解決してあげないと子供は塾での勉強から取り残されてしまうのです。
親の役割として求められること
- 子どもの学習内容を把握し、適切なサポートをする。
- 自習室がない分、家庭で集中できる環境を整える。
- 宿題のスケジュール管理を手伝う。
サピックスならではの負担ポイント

1. 宿題と復習量の多さ
サピックスでは、大量の宿題や復習が求められます。これをこなせないと学習についていくのが難しくなります。
そしてわからないところを十分に質問する機会すらありません。塾でやっていってわからない所を先生に聞こうにも自習室がありません。サピは優秀な生徒以外おいて行かれるというロジックがわかりますね。
2. 自習室がない
何度も書いていますが他の塾では自習室があり、授業後に質問できることが一般的ですが、サピックスにはその仕組みがありません。そのため、家庭でのサポートが必要不可欠です。今時DVDを垂れ流しているだけの東〇ハイスクール(こちらは大学受験ですが)ですら自習室がありますよ。つまり家で集中して勉強できない子にとっては地獄の環境だということ。子供部屋なかったり兄弟と相部屋だったりリビングルームで勉強をするしかないけどテレビがついて居たり雑音が多く気が散ってしまうという環境しかない家もたくさんあります。高校生や大学生ですら自宅での勉強は気乗りしないという人は沢山います。それが小学生ともなれば集中力が持たなくて当たり前。つまり家に自習室のような環境を作る必要があります。
3. 大量の配布物の処理が必要
サピックスでは、小冊子やプリントなどの配布物が非常に多く、適切に整理しないと学習効率が落ちてしまいます。ちなみにこれらは宿題とは銘打っておらずサピは宿題がありませんなどと言いますがじゃあこれはやってもやらなくてもいいんだと放置すると余裕で置いて行かれます。またシンプルに量が多いので整理整頓が苦手な子供だとあのプリントがない、この教科書がどっかいったなどとてんやわんやに。余計な事に時間を割いてしまいます。
4. サピックスは予習NG テキストは当日配布
サピックスでは授業で使用するテキストは授業当日に配布されます。つまり授業中で理解できてないみたいだからあらかじめ少し教えて下駄を履かせて授業を受けさせてあげよう。なんてことをしたくてもそうはさせないとサピックスの先制攻撃!基本的に予習はせずに(したくてもできない)復習を徹底する方針となっています。
5. 挙句の果てに質問できない
一応授業終わりに少し質問できますがそこしかチャンスがないため長蛇の列。気軽に質問なんてことはできません。まとめて聞きに行くしかなく聞き忘れたらもうそれは忘却の彼方。次の授業終わりまでわからずじまい。わからないところがあるまま授業を受けてもわかるわけがありません。サピックスは面倒見が悪いと言われる一因でもあります。
6.SAPIXの難関校の合格実績は落ちこぼれの山の上にそびえ立っている
サピはおいていかれたらもうおしまいの環境がこれでもかというほど整っています。このシステムは授業を聞いただけで理解できてしまう秀才や宿題に時間がかからない優秀な子、また親が超手厚いサポートをしてなんとかSAPIXについていける土俵に引っ張り上げている、これらのパターンに落ち着きます。なんというか、これは御三家などの超進学校にあり得る出来過ぎが故の放任主義が根底にあります。公立高校などでも出来のいい学校ほど放任で制服もなく自由というのと同じです。サピはそんな校風の塾なのです。授業ペースが遅いがその分ペースを守り地を固めて自分のペースで進める日能研や逆に徹底管理で塾でどこまでも子供を追いかけてやり続けるWアカとも違うすこし放任自由主義なサピ。難しいのは難関校と違いSAPIXに入るのは誰でもできるので放任スタイルでハイペース授業をやられてもついていけないよ…という子が続出してしまうのです。
共働き家庭には向かない?
景気停滞が続く令和の世で中学受験をさせようなどとなれば共働きでなければ厳しい現実があります。中学受験は課金ゲームなんて漫画も出てますね。不景気でも中学受験はお金が掛かります。実際に教育にかけるお金は各世帯とも増えており子供に早期から高等教育を受けさせようという機運が高まっています。
当然共働き家庭でもサピックスに通わせることは可能ですが、両親ともに忙しく、子どもの学習をサポートできる時間が限られていると厳しいと感じる家庭も多いようです。また中学受験は子どもなのでお迎えに行く家庭が多いですがサピックスは授業が短いのでお迎えに間に合わないなんてことも。親が迎えに来るまで自習室で勉強なんてことも自習室がないサピックスではできません。
実際にフルタイムで働いている保護者の中には、「サピックスは共働き家庭には向かないと判断して他塾を選んだ」というケースもあります。一方で、夫婦で役割分担をしながらサポートし、成功した家庭もあります。
成功している家庭の工夫例
- 父親が学習フォローを担当し、母親が学校見学や受験スケジュールを管理する。
- 家庭教師やオンライン指導を活用し、宿題や復習のフォローを外注する。
- 子どもが自分で勉強できる環境を整え、学習の習慣を確立させる。
親の負担を軽減するためにできること
1. 受験サポートを外注する
塾の宿題や復習を親が全て見るのは大変です。家庭教師の「塾の補習コース」などを利用し、外部のサポートを活用するのも一つの手です。実際サピックスに通いながら個別指導の塾に週1,3回通うという家庭もよくあります。親が教える時間を取るか塾にやってもらうかの差です。
2. 学習管理をシステム化する
配布物の整理やスケジュール管理を、専用のファイルやカレンダーアプリを使って効率的に行うことで、親の負担を軽減できます。ただし最終的に動くのは子どもなのでかなり難しさはあるでしょう。
3. 親自身も学ぶ姿勢を持つ
サピックスの学習内容を理解していないと、適切なサポートができません。子どもの勉強を管理するために、保護者もある程度の学習が必要です。時に親もサピックスの教科書とにらめっこし子供からなにを勉強してきたのかを聞き出し一生懸命勉強してください。特に算数は方程式がつかえない特殊算がメインのため中学受験経験のない親御様はかなり苦労します。
具体的な方法
- 子どもの教材を一緒に確認し、どのような内容を学んでいるか把握する。
- 問題の解き方を理解し、必要に応じて解説できるようにする。
- 子どもが何に苦手意識を持っているのかを把握し、適切なアドバイスをする。
まとめ
サピックスは、難関校対策には非常に優れた塾ですが、親の負担が大きいのも事実です。特に、
- 宿題と復習量が多い
- 自習室がないため家庭学習が重要
- 配布物の処理が大変
といった点が、親のサポートを必要とする要因になります。共働き家庭でも工夫次第で対応可能ですが、十分なサポート体制を整えることが成功の鍵となります。
子どもの学力を伸ばし、志望校合格を実現するためには、親も学び、適切にサポートする姿勢が求められます。サピックスの特性を理解し、家庭の状況に応じた対策を講じることで、より良い受験生活を送ることができるでしょう。