【中学受験】慶應義塾大学附属校を徹底解説
慶應義塾大学の附属中学校は、小学生の進学先として非常に人気があります。その理由として、慶應義塾大学への高い進学率や質の高い教育環境が挙げられます。本記事では、慶應義塾大学の附属校である「普通部」「中等部」「湘南藤沢中等部」の3校について詳しく解説します。それぞれの校風や教育方針、入試情報を整理しつつ、その特徴を掘り下げていきます。

慶應義塾普通部:男子校ならではの伝統と個性
学校の特徴
慶應義塾普通部は、慶應義塾大学附属校の中で最も古い歴史を持つ男子校です。1898年に設立されて以来、幼稚舎から普通部、義塾高校、大学へと続く「慶應ボーイ」の王道ルートとして知られています。
普通部では、「気品の泉源」「智徳の規範」という慶應義塾の理念を教育の中心に据え、生徒一人ひとりの成長を重視する学びを提供しています。また、少人数制の授業や生徒間の切磋琢磨が重視される環境が特徴です。
入試も2月1日に行われ他校のと併願を許さないまさに王道の姿勢を崩さないKOの雄として聳え立ちます。
学校生活
普通部の学校生活は、学業を優先する校風が反映されています。授業は週6日制で行われ、部活動は原則週3回に限られています。1年次は1クラス24人の少人数制で、手厚いサポートが受けられる一方、2年次以降は1クラス40人となり、生徒間の交流の幅が広がる設計です。
さらに、「労作展」や「目路はるか教室」などの伝統行事を通じて、普通部らしい個性豊かな課外活動も行われています。
アクセスと歴史
- 最寄り駅:東急東横線・目黒線、横浜市営地下鉄グリーンラインの日吉駅から徒歩5分
- 創立年:1898年(前身の福澤塾は1858年設立)
入試情報
入試は例年2月1日に実施され、筆記試験(国語、算数、社会、理科)、面接試問、体育実技が課されます。算数は標準レベルの問題が中心ですが、正確な解答を求める形式が特徴です。
慶應義塾中等部:自由な教育を重視した共学校
学校の特徴
1947年創立の慶應義塾中等部は、男女共学の附属校です。「自由」を教育の基本理念に掲げ、生徒たちが自主的に規律を考えることを求めています。禁止事項が少なく、生徒自身が生活や行動を管理する文化が根付いています。
また、選択科目が多様で、落語や創作、法学など独特の内容を学べる点も魅力の一つです。これにより、生徒は幅広い経験を積むことが可能です。
幼稚舎からくる女子は中等部に進学してくるのが一般的、その人数によって外部からの入学人数が変動します。男子に比べて女子は3分の1程度の枠しかないためかなり競争が激しく偏差値も女子は70を超えるときもあるなどかなりの高難易度です。
学校生活
授業や行事、校友会の活動を柱とし、学びの中で「円満な人格」や「豊かな人間性」の育成を目指しています。三田キャンパスの近隣という立地も特徴で、普通部や湘南藤沢中等部と異なり、都市型の環境で学ぶことができます。
神奈川にある二校と異なり東京の都市部にあるため都内在住の受験生からは人気が高いです。
アクセスと歴史
- 最寄り駅:JR山手線・京浜東北線の田町駅、都営三田線・浅草線の三田駅
- 創立年:1947年
入試情報
中等部の入試は一次試験(筆記試験)と二次試験(面接・体育実技)の2段階で行われます。2022年度の一次試験は2月3日、二次試験は2月5日に実施されました。筆記試験では国語や社会の記述問題が特徴的で、思考力が試されます。
慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC):多様性に富む先進的な校風
学校の特徴
慶應義塾湘南藤沢中等部は、1992年に開校した男女共学の中高一貫校です。慶應義塾の附属校の中でも最も新しい学校であり、独特の雰囲気を持っています。慶應義塾が設置・運営する学校で唯一の中高一貫校であります。
「社会の良識」をそのまま校則とする自由な環境や、地域を超えて多様な背景を持つ生徒が集まる点が特徴です。これにより、生徒同士の相互理解を深め、個性を尊重し合う教育が行われています。
また、学年は「1年生」から「6年生」と呼ばれ、高等部も一体となった学びの仕組みが特徴的です。
自由な校風がウリの慶応義塾の中でも最も自由さがあり他とは一線を画します。
学校生活
湘南藤沢中等部の教育では、知識だけでなく、社会問題を発見し解決に貢献する「敢為の精神」を重視しています。卒業生は慶應義塾大学の全学部に推薦進学が可能であり、湘南藤沢初等部の卒業生も原則この中等部に進学します。
アクセスと歴史
- 最寄り駅:神奈川中央交通バス「慶應中高等部前」
- 創立年:1992年
入試情報
SFCの入試問題は深い教養を求める内容が多いです。特に国語や社会では高度な記述力や知識の応用力が必要です。一方で算数や理科は典型的な問題が中心ですが、素早く正確に解く力が求められます。特に算数は思考型問題が少ないものの、正確な処理が合格の鍵となります。
慶應義塾の一貫教育が生み出す力
慶應義塾附属校の大きな魅力は、一貫教育による段階的な学びです。初等教育では基礎的な知力や協力する力を養い、中等教育で主体性を伸ばし、高等教育で個性を磨く環境が整っています。これにより、学力だけでなく、社会で活躍するための人間力をも育むことが可能です。
また、各校ごとの特徴的な教育方針や校風により、生徒は自分の能力やニーズに合った環境で学べます。このような慶應義塾の教育が、将来のリーダーを育成する力となっています。
注意点として慶應義塾は進級が厳しいということ、義務教育の中学生でも例外ではなくテストが悪ければ再修が課せられそれでも結果が出なければ留年となります。中学で留年させられるのは慶應くらいでしょう。(大体の場合中学で留年してしまう子は学校をやめて他に行くことになります。)もちろん大学の単位取得ような厳しさはありませんがこの制度のおかげで慶応義塾の中で留年させないための塾もあるほど。一番下で何とかギリギリで滑り込みその後燃え尽き症候群で深海魚となってしまうと毎年留年に怯える日々。慶応義塾の付属に入れたからとはいえエスカレーターで大学まで勝手に上っていけるわけではないのです。
慶應義塾附属校を目指す際には、各校の特色や入試対策を十分に理解し、それに合わせた準備を進めることが重要です。特に過去問演習や時間配分の練習は、合格を勝ち取るための重要な要素となるでしょう。