中ジュで家庭が壊れるって本当なの?
「中学受験をさせると、家庭がギスギスする」——そんな話を耳にしたことがある方は少なくないはずです。結論から申し上げますと、この話はあながち嘘ではありません。もちろんすべての家庭に当てはまるわけではないのですが、実際に受験期を境に夫婦や親子の関係が揺らいでしまうご家庭は存在しています。なぜそのようなことが起こるのか、その背景にある「価値観のすれ違い」について、少し整理しながらお話ししていきます。
実は、夫婦の意見が最初から一致している家庭は意外と少ない
中学受験に踏み切るご家庭を見ていると、「夫婦でよく話し合い、二人の意思が完全に一致した上でスタートした」というケースは、実はそれほど多くありません。どちらか一方が熱心で、もう一方は「まあ、本人がやりたいなら」と半ば受け身の姿勢で始まることも珍しくないのです。
この温度差が、受験が本格化するにつれて少しずつ大きな溝に育っていきます。成績が伸び悩んだとき、塾代がかさんでいくとき、子どもが疲れて泣き出したとき——そのたびに、夫婦それぞれの「本音」が顔を出し、ぶつかり合ってしまうのです。

父親と母親で、ここまで違う価値観
典型的なすれ違いを一例にとって見ます。
父親は中学受験に積極的ではない、母親は積極的というパターンです。
- 父親:「勉強なんていつでもできる。今は子どもらしく遊ばせたい」
- 母親:「コントロールが効くうちに勉強の習慣をつけさせたい」
- 父親:「そこまでお金をかける必要があるのか」
- 母親:「環境への投資は早いほど意味がある」
- 父親:「無理に詰め込んで壊れないか心配」
- 母親:「ここで緩めたら今までの努力が水の泡」
どちらの意見も、それぞれの立場から見れば間違ってはいません。ただ、このズレを抱えたまま受験期を走り続けると、家庭内の空気はじわじわと重くなっていきます。
中学受験をさせた家庭は離婚率が高い
中受離婚という言葉があります。この言葉が表す通り、今界隈では中学受験をさせた家庭は離婚率が高い、という話がささやかれています。中受離婚という造語まで作られるくらいですから、決して他人事や作り話ではなく、現実に起こり得る事象というわけです。
前述のような背景も無関係ではありません。夫婦も家族とはいえ元をたどれば他人です。価値観の違いがあるのは当然のことです。今まではなんとなくどちらかに主導権があり、どちらかが折れる形で衝突なく進んでいても、自分の子供が絡んでくるとなると、ハイソウデスカ、と簡単に流せないわけです。
子ども側に起こる「強い反抗期」という問題
家庭環境の揺らぎは、夫婦間だけの問題にとどまりません。本人の意思とは別に、半ば強制的に勉強させられてきたお子さんの場合、中学入学後に強い反動が出ることがあります。
「遊びたかったのに取り上げられた」「本当はやりたくなかった」「ぼくが頑張らないと両親がケンカになってしまう…」——そんな気持ちを抱えたまま合格を手にしたお子さんは、せっかく入学した学校で勉強をぱたりとやめてしまうことがあるのです。受験というゴールを越えた瞬間、燃え尽きたように机から離れてしまう姿は、指導の現場でも実際に見られています。深海魚もこうして生まれています。

リラックスする場所が失われる地獄
もう一つ見落とせないのが、家庭内で予習復習を抱え込むことによる親子間のストレスです。
「家庭での予習復習」が大きなストレスに
塾で出された宿題を親が管理し、丸付けをし、間違えた問題を一緒に解き直す——そのやり取りの中で、つい口調が強くなってしまったり、感情的になってしまうことは、どのご家庭にも起こり得ます。
中学受験の難易度が急上昇している弊害
中学受験は年々難易度が上がっており、親御様が一緒に予習復習をやるとなっても簡単なことではありません。親も一緒になって勉強しなければ到底子供に教えるなんてことはできません。つまり親もよりストレスフルな状態になります。ただでさえ仕事で疲れ、家事に追われ、中学受験の勉強をし、いざ子供に教えるとなったら子供は反抗的で勉強をしたがらない。そしてついキレてしまう。こうなると負のスパイラルに突入し、家庭環境は壊れていくのです
リラックスできる場所の喪失
本来、家は子どもにとってリラックスできる場所であるはずです(もちろん親にとっても)。その空間が「勉強をめぐって叱られる場所」に変わってしまうと、子どもは逃げ場を失い、親もまた「こんなに言いたくないのに」と自己嫌悪に陥りやすくなります。
そして子どもを叱っていると父親からそんなに怒鳴るな!と怒られる。じゃああなたがやってよ!私だって怒りたくて怒ってない!と夫婦喧嘩に。
家庭の雰囲気は最悪です。亀裂が入った関係を修復するのは簡単なことではありません。
それでも、中学受験を諦める必要はありません
ここまで読むと「中学受験はやめたほうがいいのか」と不安になるかもしれませんが、そうではないのです。問題なのは受験そのものではなく、家庭にすべてを背負わせてしまう構造にあります。
INSPIRE ACADEMYは、まさにこの部分に緩衝材として入ることを目指している塾です。予備校で出された予習復習を塾側で引き受けることで、家庭は勉強のバトルフィールドではなく、安心して過ごせる場所として保たれます。塾は勉強する場所、家はリラックスする場所——この切り分けがはっきりすると、親子の会話も自然と穏やかになっていきます。
さらに、教育方針をめぐって意見がすれ違いがちなご夫婦に対しても、第三者としての塾がコンサルタントのように間に入り、冷静な視点を提供することができます(INSPIRE ACADEMYでは保護者コーチングで保護者への中学受験の取り組み方についてコーチングを実施)。感情が絡みやすい教育の話も、専門家を介することで整理しやすくなるのです。
INSPIRE ACADEMY:保護者コーチング記事

家庭内の人間関係が崩れてしまうリスクや、積み重なる予習復習の負担——そうした中学受験の「蛇足」と呼ばれる部分をまとめて引き受けるサポート塾として、INSPIRE ACADEMYは多くのご家庭で役立てられています。受験は、家族を壊すためのものではありません。うまく外部の手を借りながら、穏やかな空気の中で走り抜けていけるご家庭が、一つでも増えていくことを願っています。