神奈川県の中学受験と御三家:男子御三家・女子御三家

神奈川県の中学受験と御三家

1. 神奈川の男子御三家と女子御三家

神奈川県における中学受験の世界では、男子御三家として以下の3校が挙げられます。

  • 聖光学院中学校
  • 栄光学園中学校
  • 浅野中学校

また、女子御三家(別名:横浜御三家・山手御三家)には以下の3校が含まれます。

  • フェリス女学院中学校
  • 横浜雙葉中学校
  • 横浜共立学園中学校

なお、偏差値上では神奈川女子校のトップは洗足学園中学校であり、実績・人気ともに非常に高い評価を受けています。

その他エリア別の受験者の特徴

中学受験はどの地域に住んでいるかによって受験者が大きく異なることが特徴です。

  • 川崎市内 … 立地上東京都内の学校との併願が多い。逆に神奈川県に流入してくる地域でもあるので東京の子との争いになり神奈川の中では競争が熾烈
  • 湘南地域 … 特色ある学校が点在2. 神奈川県の中学受験の特徴神奈川県は首都圏に位置することから、東京都内の学校と併願する家庭も多く、競争が激化しています。また、多くの私立中学が午後入試を実施しており、複数校の受験を可能にしています。入試日程は東京都と同様に、2月1日からスタートし、主に2月1日~5日に集中しています。また、地域ごとに人気校や特色が異なります。
  • 横浜市内 … 伝統校が多く、人気が高い。集中湘南地域よりも東京に近いため東京の学校や千葉の学校まで足を延ばす家庭も多い。山手御三家の人気が高く地元にいながら高いレベルでの指導が受けられるのはメリット。

さらに、神奈川県は鉄道網が発達しており、東京都内の私立中学校への受験や、その逆に都内から神奈川県の学校を目指す受験生も多い点が特徴です。

神奈川男子御三家の魅力と特徴

神奈川県の私立中学受験は、都内からの受験生も多く、また神奈川から東京都内の名門校を目指す受験生も多い点が特徴的です。神奈川の男子御三家として名高いのは「栄光学園」「聖光学院」「浅野中学校」の3校。それぞれ異なる特色を持ちながら、全国屈指の進学実績を誇る名門校です。

今回は男子の神奈川御三家について掘り下げていきましょう。

神奈川女子御三家についてはこちらの記事で取り上げておりますのでそちらをご覧ください。

入試日程

栄光聖光浅野
入試日程2/22/2 、 2/42/3
神奈川の御三家は東京とは異なり2/1には実施されません。これは東京都の御三家と併願する受験生が多いことから受験生を喰いあうことを避けたい狙いがあります。2/1は同じ神奈川の慶應義塾普通部や東京の学校を受ける人が多いでしょう。
神奈川の御三家は聖光を二日目にすればすべての学校を併願可能です。しかし裏を返せば倍率が高くなります。特に浅野は東京からもアクセスしやすい立地から都内からの受験生も人気があり高倍率です。

栄光学園中学校

学校の特徴・校風

栄光学園は1970年代から東大合格者数で全国トップ10入りするなど、神奈川の進学実績を牽引してきた名門校です。キリスト教に基づく教育を行い、「受験だけにとどまらない人間教育」を重視しています。2017年には、卒業生で建築家の隈研吾氏が設計を手掛けた新校舎が完成。11万平方メートル以上の広大なキャンパスには、野球場・サッカー場・テニスコートなどの充実した運動施設があり、学業と部活動の両立が可能です。

入試の傾向と対策

日程:2/2

算数

難関校の中でも特に難易度が高く、問題の解法を考え出すこと自体が難しい出題が多く見られます。標準レベルの問題は確実に得点源とし、思考力や発想力を鍛えるために算数オリンピック系の問題にも触れておくことが推奨されます。

国語

「論説文」「小説文」「漢字の書き取り」の3題が基本構成。文章量が多く、記述問題の割合が高いため、読解力と記述力の両方が求められます。語彙力の強化、文法の徹底、四字熟語や慣用句の学習が重要です。

理科

実験を題材にした問題が頻出し、思考力と読解力を要します。算数や国語と同様に高難易度のため、基礎を早めに仕上げ、応用問題を数多く解くことが効果的です。

社会

地理・歴史・公民・時事問題をバランスよく出題。特に歴史と地理では細かい知識が必要になることが多く、記述問題も時間配分を意識して対策する必要があります。


聖光学院中学校

学校の特徴・校風

聖光学院は2007年に東大合格者数ランキングで全国トップ10に入り、2013年以降は神奈川1位の座を維持しています。カトリックの精神に基づいた教育を行い、「紳士たれ」の校訓のもと、倫理観と学力の両立を図っています。伝統では栄光に劣りますが今となっては双方遜色ありません。神奈川の二光ともいわれトップの座を争いあっています。

2014年にリニューアルされた校舎は、最新のICT設備を完備し、広大な人工芝グラウンドやルーフガーデンなど、恵まれた学習環境が整っています。

入試の傾向と対策

日程:2/22/4

算数

大問5題の構成で、極端な難問はないものの、難易度が高めの問題が多いです。頻出の「図形」「数の性質」「特殊算」を重点的に対策し、公式を使いこなせるように準備することが重要です。

国語

長文読解が中心で、漢字・語彙・記述問題が頻出。本文の内容が選択肢で言い換えられることが多いため、語彙力の強化が必須です。速読力を鍛え、時間配分を意識しながら過去問を解くことが推奨されます。

理科

計算問題が頻出し、読解力と計算力が必要になります。単位換算や比例計算などの理科特有の計算方法を習得し、思考力を鍛える問題にも触れておくとよいでしょう。

社会

大問4題・問題数30以上の構成で、分野融合型の問題が多いのが特徴です。神奈川県に関する問題が頻出するため、地域の特色も学習に取り入れることが有効です。

また、聖光学院は神奈川御三家で唯一2回の入試機会(2月2日・2月4日)を提供しており、他の難関校との併願もしやすい点が魅力です。


浅野中学校

学校の特徴・校風

キリスト教の息がかかった神奈川の二光とは異なり浅野は御三家の中で唯一無宗教の学校で、学業・部活動・学校行事の「三本柱」を軸としたバランスのとれた教育方針が特徴です。都心に近くアクセスが良いため、東京からの受験生も多く、2月3日の入試には毎年1,500名を超える受験者が集まります。

1学年約260名と御三家の中で最大の規模を誇り、全国12位の東大合格実績(2021年)を記録するなど、進学実績でも高い評価を得ています。

入試の傾向と対策

日程:2/3

算数

難問奇問は少ないものの、計算量が多く、処理能力を求められます。速さ・割合・場合の数など、頻出分野を重点的に対策し、計算ミスを減らす訓練が必要です。

国語

物語文と説明文の長文読解が中心で、記述問題が多く出題されます。要約力と表現力を磨くことで得点率を上げることが可能です。

理科

知識問題が中心ですが、思考力を問う問題も増加傾向にあります。実験に関する問題が多いため、教科書の内容をしっかり理解し、演習を重ねることが大切です。

社会

地理・歴史・公民の各分野がバランスよく出題され、時事問題も頻出。記述問題も多いため、論理的に考え、文章を組み立てる練習をしておくことが有効です。


まとめ

神奈川男子御三家は、それぞれ異なる教育理念と特色を持ちつつも、高い進学実績を誇る名門校です。受験に向けては、各校の入試傾向を把握し、適切な対策を講じることが合格への鍵となります。

この記事を書いた人

個別指導型 中学受験専門塾 INSPIRE ACADEMY

個別指導型 中学受験専門塾 INSPIRE ACADEMY

個別指導型の中学受験専門塾 INSPIRE ACADEMYでは、小学生の日々の学習習慣付けから最難関水準の中学受験まで個別指導形式でサポート致します。
世田谷、渋谷(下北沢、代々木上原、東北沢、駒場、笹塚、三軒茶屋)近隣で中学受験塾をお探しの方は、合格実績豊富な当塾までご相談くださいませ。