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神奈川女子校の御三家と洗足学園の台頭
神奈川県における女子中学校のトップ校として、「フェリス女学院中学校」「横浜雙葉中学校」「横浜共立学園中学校」は、長らく「神奈川御三家」または「横浜御三家」「山手御三家」と称されてきました。これらの学校は中学受験においては珍しく(女子においては歴史と伝統が重視されることが多いですが)東大合格者数ではなく、その歴史や教育理念、伝統、そして横浜山手という特有の立地が評価され、名門校としての地位を確立しています。
横浜山手エリアの特徴
3校はいずれもJR京浜東北線「石川町駅」から徒歩圏内に位置し、港の見える丘公園や横浜山手西洋館といった名所にも近い、お洒落で文化的な環境にあります。ミッションスクールならではの落ち着いた雰囲気があり、「お嬢様学校」としてのイメージが強く、受験生だけでなく親世代からも人気を集めています。

3校から程近い 港の見える丘公園 展望台 ベイブリッジが見渡せる
異人館なども多くみなとみらい地区の人気の観光地の一つである。
進学実績と校風の重要性
神奈川女子校では、男子校に比べ東大合格者数へのこだわりが低く、学校の伝統や校風が重視される傾向にあります。文化祭や学校説明会に参加し、学校の雰囲気や制服、先輩たちの姿に魅力を感じて志望校を決定する生徒が多いのも特徴です。
一方で、近年は「洗足学園中学校」が偏差値・進学実績ともに急上昇し、御三家の地位に迫る勢いを見せています。
各校の詳細
フェリス女学院中学校
フェリス女学院中学校は高校募集を行わない完全中高一貫校で、プロテスタント系のミッションスクールです。「For Others(他者のために)」という教育理念のもと、学問だけでなく人間性の成長を重視しています。礼拝や讃美歌練習など、日常的にキリスト教に触れる機会が多いのも特徴です。
立地は「石川町」駅から徒歩約7分ですが、通称「フェリス坂」と呼ばれる240段の階段を上る必要があります。2022年の150周年記念事業で校門や中庭が改修され、美しい学習環境が整備されました。
神奈川県女子のトップと言えばフェリスでしたが近年は洗足に押され気味で偏差値も抜かれてしまいました。
横浜雙葉中学校
横浜雙葉中学校はカトリック系で、東京の雙葉学園(四谷)の姉妹校にあたります。小学校からの内部進学者が多く、落ち着いた校風が特徴です。雙葉に言っていると言えばお嬢様というイメージを持たれるほど良家の家庭の子が行くというイメージがあります。
「港の見える丘公園」から徒歩3分の閑静な住宅街に位置し、治安の良さも魅力のひとつです。校則が厳しく、制服や持ち物に関する細かい規定があるため、自由を求める生徒には不向きですが、規律を重んじる環境で学びたい生徒には最適な学校といえるでしょう。
やはりお嬢様学校としての躾がしっかりとしている学校です。
横浜共立学園中学校
横浜共立学園中学校もプロテスタント系の完全中高一貫校で、神奈川女子御三家の中では唯一、2月1日と2月3日に入試を実施しています。このため、フェリスや雙葉と併願しやすいというメリットがあります。
しかし横浜共立学園は入試日によって大きな差があります
・A方式/2月1日(定員150名)
・B方式/2月3日(定員30名)
A方式/試験科目(配点/4科目)
・国語(100点:45分)
・算数(100点:45分)
・理科(100点:40分)
・社会(100点:40分)
・2025年度より面接なし
このように中学受験では珍しく理社の配点が高くなんと100点満点です。なので理社が得意な子は是非とも受けたい学校です。偏差値が劣っていても理社に力を入れていない子から逆転できる可能性が高いです。また男子と違って他の御三家とは併願できないのもポイント。ハイレベル帯の受験者層がばらけるので合格のチャンスが広がると言えます。一方3日のBは定員も少なく国語と算数の試験のみ1日目で合格者が多かった場合は合格者の数が絞られるため倍率が5倍を超えることもあります。
校舎の本館は横浜市の重要文化財に指定されており、美しい歴史的建築が魅力です。校則は比較的厳しく、スカートの丈や髪型について細かく指導が行われますが、学力面ではバランスの取れた進学校としての評価を得ています。

洗足学園中学校の台頭
近年、洗足学園中学校の偏差値と進学実績が急上昇し、神奈川女子校のトップに君臨する勢いを見せています。
立地と施設:偏差値急上昇の理由
洗足学園はJR南武線「武蔵溝ノ口駅」、東急田園都市線・大井町線「溝の口駅」から徒歩8分の立地にあり、美しい校舎と広いグラウンドを備えています。女子校としては珍しく、音楽ホールや芸術的な施設が充実しており、学習環境の整備が徹底されています。
勿論後述する洗足学園の教育内容が偏差値向上の要因であることは間違いないが、偏差値の急上昇の一因としてはこの立地も大きい。他の神奈川女子御三家はみなとみらい(山手)エリアに集中しており都内からの通学は不可能ではないが便利とは言えない。一方専属は大井町線で多摩川を越えればすぐに東京なので都内からの受験生も非常に多い。南武線で東京の多摩地域から通うことも可能である。また近年は神奈川県内の鉄道網整備がさらに進んでいるため以前は視野に入らなかった神奈川県のエリアも受験できる学校になっている。実は中学受験は子どもが通うため家の立地というのが意外と重要なポイント。大学と違い当然一人暮らしの選択肢はなく、長時間の電車移動も嫌う傾向があるためどこにキャンパスがあるかは偏差値を大きく左右するポイントになる。
試験日も複数あることながら立地的に神奈川女子御三家と受験者層を喰いあわないことも偏差値向上の一つ。
教育内容と進学実績
洗足学園は英語と音楽に力を入れており、「英語の洗足」とも称されるほどグローバル教育に熱心です。授業は1コマ65分の週6日制で、中学3年生からは高校の内容を先取り学習します。
進学実績も顕著で、東大合格者数は2022年に18名に達し、京都大学や一橋大学などの難関国立大学、医学部への進学者も増加しています。海外大学への進学者もおり、幅広い進路選択が可能な学校です。
また同キャンパス内に洗足学園音楽大学があるため音楽の教育が盛ん。学園の施設である前田ホールなどで年間200回以上コンサートが行われており、そこから好きなものを各自で1つ選んで鑑賞する音楽鑑賞会がある。しかしながら進学することはほぼない。洗足大学は完全な音大であり中学受験者層が進学先として選ぶにはふさわしくない学校であるためである。
指定校推薦枠も一定数ある。しかし基本的には進学校であり推薦を取る人は学校全体で10名程度であり国公立や医学部への進学も多い。早慶やMARCHの推薦枠もあるそうだが推薦にこだわらず国公立にチャレンジして早慶も一般で受かるという生徒が多い。
手厚いサポート
学習面でのフォロー体制も整っており、再試験や土曜補習など、ついていけない生徒への支援が充実しています。このため、「落ちこぼれ」の心配が少なく、安定した学力向上が期待できる点も保護者から高く評価されています。
まとめ
神奈川女子校の御三家として長らく名を馳せてきたフェリス女学院、横浜雙葉、横浜共立の3校は、それぞれの歴史や教育理念、立地環境によって独自の特色を持っています。一方で、近年は洗足学園が偏差値や進学実績の面で急成長を遂げ、トップ校としての存在感を増しています。
進学実績を重視するなら洗足学園、伝統や校風を大切にするなら御三家と、それぞれの学校に合った選択が求められます。どの学校も優れた教育環境を提供しており、個々の価値観や目標に応じて最適な学校を選ぶことが重要です。