【中学受験】首都圏の入試解禁日はなぜ2月1日なの?背景と戦略を解説!

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2月1日:中学受験のゴール


【中学受験】首都圏の入試解禁日はなぜこうなっているのか?背景と戦略を解説!

中学受験を検討するご家庭にとって、2月1日は最大の山場であり目指すべきゴールになっています。特に首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)では、都県ごとに入試が始まる日が異なっており、受験スケジュールを立てるうえで大きな意味を持っています。

この記事では、首都圏各地域の入試解禁日、日程が決まった背景、学校側・受験生側双方の事情、そして関西との違いについて詳しく解説します。


◆ 首都圏の入試はいつから始まる?

まず、首都圏の中学入試が始まる日は以下のように設定されています。

  • 埼玉県:1月10日から
  • 千葉県:1月20日から
  • 東京都・神奈川県:2月1日から

この順番を見ても分かる通り、埼玉県の入試が最も早く始まり、次いで千葉、そして東京と神奈川は同日スタートです。これは毎年同じ日付で固定されており、曜日には左右されません。

この曜日に左右されないというのがミソでこのせいでサンデーショックを引き起こします。


◆ 2月1日の入試解禁日を決めているのは誰?

それぞれの地域で入試の開始日をどうやって決めているのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。たとえば東京都においては、「東京私立中学高等学校協会」という団体が、入試解禁日および出願開始日を取り決めています。

このような協定がある理由は明確です。学校同士が生徒を先取りしようとする“青田買い”競争を防ぐためです。仮にルールがなければ、一部の学校が極端に早い時期に入試を実施し、生徒を囲い込むような事態が起こりかねません。公平な競争と受験生の負担軽減を図るため、地域ごとにルールが整備されているのです。


◆ 埼玉・千葉の入試が早い理由

東京や神奈川に比べて、なぜ埼玉や千葉は入試が早く設定されているのでしょうか?

背景には、埼玉・千葉における私立中学の発展の歴史があります。これらの県では、比較的後になってから私立中学校の数が増えたため、東京や神奈川からの受験生を呼び込む必要がありました。そのため、他地域よりも少しでも早く試験を実施し、優秀な生徒を確保しようという意図があったとされています。

こうして、千葉県は1月20日、さらにその前に埼玉県が1月10日と設定され、現在に至ります。


◆ 入試が集中する「2月1日」の重み

東京都と神奈川県では、ほとんどの私立中学校が2月1日に試験を実施します。この日付が特別な意味を持つのは、以下のような理由からです。

学校側の視点:

  • 生徒の学力を測る指標として有効
    多くの受験生がこの日に集中することで、学校側は「その年の学力水準」を把握しやすくなり、合格ラインの設定にも役立ちます。
  • 併願を前提とした戦略設計
    多くの学校が2月1日から試験を始めるため、生徒は複数の学校を受けにくくなります。これにより、学校側が志望度の高い受験生を囲い込むチャンスも増えます。

受験生側の視点:

  • 複数校を受ける併願戦略が立てやすい
    2月1日から始まる試験の流れに沿って、2日・3日と連続して受験できるスケジュールが一般的です。
  • 合否を見て進路を調整可能
    たとえば2月1日に受けた学校の合格発表を受け、翌日以降の受験先を見直すなど、戦略的な判断が可能になります。

◆ 2月1日に1回だけの入試を行う学校は意外と少ない?

現在では、1校あたり2回、3回と複数日程で試験を実施する私立中学がほとんどです。特に、広尾学園や三田国際といった人気の新興校は、午前・午後を含め1校で4回ほどの受験チャンスを用意しており、定員を分散させることで多くの受験生に門戸を開いています。

しかし、それでもあえて1回だけの入試を実施している学校もあります。例として挙げられるのが、開成、麻布、武蔵などの男子御三家、桜蔭、女子学院、雙葉といった女子御三家です。その他、早稲田実業や慶應中等部、青山学院なども1回入試が基本となっています。

2020年代に入り、香蘭女学校や桐朋などが複数回入試に移行しましたが、全体で見れば**首都圏の約8%**程度にとどまります。

これは、「本当に志望してくれる生徒に来てほしい」という学校側のメッセージでもあり、実際、こうした1回入試の学校では入学辞退率が低く、第一志望の割合が高い傾向があります。(そもそもそういうレベルの学校しかないというだけでもありますが)


◆ お試し受験の聖地:埼玉の1月入試、最初の戦場は“栄東”

1月10日から始まる埼玉県の入試。その初日を飾る代表校が「栄東中学校」です。毎年1万人を超える受験生が集まり、その様子は「初詣」や「お祭り」に例えられるほどの混雑ぶりです。ここを皮切りに、開智、大宮開成など、多くの埼玉の中学が試験をスタートさせます。

この埼玉入試を利用して“試運転”をする家庭も多く、本命である2月の東京・神奈川入試に向けた「腕試し」として位置づけられることもあります。


◆ 千葉の入試は「分散型」

千葉県では、1月20日からスタートします。面白いのは、千葉御三家と呼ばれる市川、渋谷幕張、東邦大東邦の3校が1月20日〜22日の3日間に分かれて入試を実施していることです。

この分散スケジュールにより、3校すべてを受験することも可能であり、千葉入試における併願の幅が非常に広がっています。


◆ 関西圏は「統一入試日」

首都圏と対照的なのが関西の中学入試です。大阪・京都・兵庫を中心に、奈良・滋賀・和歌山までを含めた「2府4県」で、入試日を1日に統一しています。この制度は2006年度から始まり、毎年1月中旬の土曜日に設定されています。

  • 2023年:1月14日(土)
  • 2022年:1月15日(土)
  • 2021年:1月16日(土)…と、年度によって日付は変わりますが、曜日は土曜日で固定されているのが特徴です。

これは、受験の機会を公平に提供しようとする関西独自の仕組みで、地域ごとの教育文化の違いが表れています。


◆ まとめ:受験カレンダーを知ることが戦略の第一歩

中学受験において「いつ受けるか」は「どこを受けるか」と同じくらい重要です。特に首都圏では、都県によって入試日が異なり、それが併願パターンや合格戦略に大きく影響します。

  • 埼玉(1/10)や千葉(1/20)で“試運転”
  • 東京・神奈川(2/1〜)で本命勝負
  • 1回入試の学校は少数派、志望度が問われる

これらを踏まえたうえで、ご家庭としての戦略を練ることが、合格への第一歩です。

受験生本人の気持ち、学校側の姿勢、スケジュールの制度設計…そのすべてが複雑に絡み合う中学受験。だからこそ、正しい情報と落ち着いた判断が求められるのです。


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