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2026年度中学受験における偏差値帯別の出願戦略と併願パターン
首都圏の中学受験において、2026年度は例年とは大きく異なる志願動向が確認されています。2025年7月に実施された四大模試のデータによれば、偏差値55以上の難関校で志望者数が前年比で2~4%減少する一方、偏差値55未満の中堅・中位校では増加傾向が見られます。この「難関校離れ」と呼ばれる現象は、近年の入試問題の難化や、保護者の価値観の変化が背景にあると分析されています。さらに、2月1日が日曜日となるサンデーショックにより、複数の女子校が試験日を変更したことで、併願パターンそのものが再構築を迫られています。
偏差値65以上の最難関帯、偏差値60~64の上位帯、偏差値55~59の中堅上位帯、そして偏差値50~54の中堅帯に分けて、それぞれの出願戦略の考え方を提示します。
偏差値65以上の最難関帯における戦略的選択肢
偏差値65以上の最難関帯は、御三家と呼ばれる開成・麻布・武蔵(男子)、桜蔭・女子学院・雙葉(女子)、そして聖光学院・渋谷教育幕張・渋谷教育渋谷といった最上位校群が該当します。
2026年度男子最難関校の動向
2025年7月の模試データをみると、開成中学校の志望者数は前年比98%、筑波大学附属駒場中学校が96%、麻布中学校が88%と、いずれも減少傾向にあります。特に麻布は、2024年度の東大合格者数減少が影響していると見られ、2025年度入試の実倍率2.2倍から、2026年度は2.0倍程度まで緩和される可能性があります。
この状況から、最難関帯を志望する受験生にとっては、以下のような選択肢が考えられます。
①麻布中学校を第一志望とする場合
志望者減少により、例年よりも合格可能性が高まる可能性があります。ただし、問題の難度は依然として高いため、思考力を問う記述問題への対応力が求められます。併願先としては、2月2日の聖光学院中学校や栄光学園中学校が選択肢となりますが、これらも志望者減少傾向にあり、例年よりチャンスが広がっています。
②開成中学校を第一志望とする場合
志望者数は微減ですが、依然として最激戦区です。1月の前哨戦として栄東中学校(埼玉)や渋谷教育幕張中学校(千葉)を受験し、実戦経験と自信を積む戦略が有効です。2月3日以降には筑波大学附属駒場中学校や浅野中学校が選択肢となります。
③早稲田中学校の台頭
注目すべきは早稲田中学校の躍進です。2024年の新校舎完成と、早稲田大学以外への進学実績の向上が評価され、2025年7月模試での志望者数は開成に次ぐ2番目となりました。最難関帯でありながら、併願先として早稲田を選択する受験生が増えており、倍率上昇が予想されます。
男子はサンデーショックの影響をあまり受けないので例年と同じように動けばいいでしょう。
女子最難関校の動向とサンデーショックの影響
女子の最難関帯は、サンデーショックの影響を最も大きく受けています。女子学院中学校と立教女学院中学校が2月1日から2月2日へ試験日を移動したことで、併願の組み合わせが劇的に変化しています。
①桜蔭中学校を第一志望とする場合
従来、女子の最上位志望者は2月1日に御三家を受験し、2月2日に豊島岡女子学園を受験するのが定番パターンでした。桜蔭も女子学院・雙葉と喰いあうため倍率に歯止めがかかっていました。しかしサンデーショックで桜蔭か雙葉の二択になるため競争は熾烈に、桜蔭をチャレンジして女子学院を滑り止めに考えることもできるためサンデーショックの時は人気になります。
②女子学院中学校を第一志望とする場合
2月2日への移動により、新たな併願パターンが可能になりました。2月1日に鴎友学園女子中学校、吉祥女子中学校、洗足学園中学校のいずれかを受験し、2月2日に女子学院を受験するという選択肢です。特に吉祥女子と洗足学園は、女子学院移動の影響で志望者増加が予想されており、例年より難化する可能性があります。
③雙葉中学校を第一志望とする場合
御三家の中では従来やや控えめな人気でしたが、近年人気が上昇しています。入試問題が他の御三家と比較して取り組みやすく、かつ伝統的な教育が評価されています。サンデーショックの影響を受けず2月1日に実施されるため、桜蔭は厳しいけど御三家に行きたいという子が集中します。一番影響を受ける学校かもしれません。
④豊島岡女子学園を第一志望とする場合
例年2月2日に豊島岡女子学園を御三家の滑り止めとして利用する家庭が一般的でした。2026年度もこの基本は変わりませんが、同日に女子学院が移動になるためサンデーショックの影響をモロに受けることになります。実際に豊島岡の志望者数が前年比71%と大幅に減少しているため、例年より合格しやすい状況となる可能性があります。豊島岡に行きたい子には大チャンスです。
④共学最難関校への流入
女子学院が2月2日に移動したことで、2月1日の選択肢として早稲田実業学校中等部や渋谷教育渋谷中学校に女子受験生が流れる可能性があります。2025年7月模試では、これらの学校で女子志望者のみが増加しており、女子の倍率上昇が予想されます。
偏差値60~64の上位帯における選択肢
上位帯は、駒場東邦・海城・本郷(男子)、豊島岡女子学園・洗足学園・鴎友学園女子(女子)、そして広尾学園・渋谷教育渋谷などの共学校が該当します。この偏差値帯は、最難関帯の併願先としても機能するため、サンデーショックと難関校離れの両方の影響を受けています。
男子上位校の戦略
①駒場東邦中学校
志望者数は前年比97%とやや減少しています。これは東大合格実績の不調と、聖光学院への受験生流出が要因と分析されています。ただし、依然として高い人気を保っており、2月1日の第一志望として、あるいは御三家志望者の併願先として重要な位置を占めています。
②海城中学校・本郷中学校
両校とも志望者数は微増で安定しています。特に本郷は2月2日の受験者数が首都圏最大級となることもあり、2月1日の人気も上昇傾向にあります。海城は1回・2回ともにバランスの取れた併願先として評価されており、安定した選択肢といえます。
③埼玉・千葉の前哨戦の活用
この偏差値帯の受験生にとって、1月の埼玉・千葉入試は重要な意味を持ちます。栄東中学校や東邦大学付属東邦中学校は良問が多く、本番に向けた実力確認の場として推奨されます。ただし、近年は倍率が2倍以上になることもあり、「お試し」とはいえ油断は禁物です。
女子上位校の複雑な動向
女子の上位帯は、サンデーショックの影響が複雑に絡み合っています。
①豊島岡女子学園中学校
前述のとおり、志望者数が前年比71%と大幅減少しています。これは女子学院の日程移動により、「2月1日女子学院→2月2日豊島岡」という従来の併願パターンが崩れたためです。豊島岡を第一志望とする受験生にとっては、例年よりチャンスが広がっていると考えられます。
②洗足学園中学校
2月5日の入試を廃止し、2月1日の定員を増やしました。女子学院が2月2日に移動したことで、「2月1日洗足→2月2日女子学院」という新しい併願パターンが可能になり、志望者増加が予想されます。ただし、問題の難度が高く、単純な倍率以上に厳しい入試となる可能性があります。神奈川県にある学校ですが東京からもアクセスが容易で神奈川県女子としてはトップランクのレベルを誇ります。
③鴎友学園女子中学校・吉祥女子中学校
両校とも2月1日に実施され、女子学院との併願が可能になりました。特に吉祥女子は立地の良さと進学実績の向上により、志望者増加が見込まれます。鴎友学園は伝統的なリベラルな校風が評価されており、こちらも人気校として注目されます。
④頌栄女子学院中学校
プロテスタント校として東京では唯一2月1日に入試を実施します(女子学院が移動したため)。ミッションスクールを志望する層にとって貴重な選択肢となり、志望者増加が予想されます。また、2月5日入試も、洗足学園が同日の入試を廃止した影響で受験者が増える可能性があります。
共学上位校の動向
①広尾学園中学校
国際系コースの人気が高く、志望者数は安定しています。ただし、早稲田実業や渋谷教育渋谷と比較すると、やや抑えめになると予測されています。2月1日の第一志望として、あるいは最難関校の併願先として機能します。
②芝浦工業大学附属中学校
理系進学に強い共学校として注目されていますが、広尾学園と同様、今年度は早実・渋渋に比べると相対的に落ち着いた動きになると見られます。
偏差値55~59の中堅上位帯における戦略
中堅上位帯は、受験生の層が最も厚い偏差値帯であり、学校の選択肢も豊富です。この帯域では、校風や教育内容、立地、進学実績など、偏差値以外の要素が志望校選択に大きく影響します。
人気上昇中の学校群
①山脇学園中学校
2025年7月模試での志望者数が前年比149%と大幅に増加しています。都心部(赤坂)という立地の良さと、理系コースの設置が人気の要因と分析されています。この偏差値帯で理系志向の女子にとって、有力な選択肢となっています。
②香蘭女学院中学校・横浜共立学園中学校
両校ともミッションスクールで、2月2日に試験日を移動した立教女学院との併願が可能になりました。従来は日程が重なっていたため併願できませんでしたが、新たな選択肢として注目されます。
③淑徳与野中学校(埼玉)
医進コースと特進コースの2コース制で、特に医学部・薬学部志望の女子に人気があります。1月の前哨戦として受験し、2月の東京入試に備える戦略が一般的です。
男子校の安定校
①城北中学校
2025年度に東大合格者数が2桁に達し、進学実績が向上しています。偏差値以上の大学合格実績があり、コストパフォーマンスの高い選択肢として評価されています。
②立教新座中学校(埼玉)
理系進学率が伸びており、立教大学への内部進学と他大学受験のバランスが取れている点が評価されています。1月の埼玉入試でMARCH付属はここと系属校化されたばかりの青学ルーテルしかなく、付属狙いの受験生から大人気です。
共学校の選択肢
①東京都市大学付属中学校
2025年度に東大合格者数が2桁に達し、注目を集めています。今までは付属大の影響もあり理系進学が強い学校でしたが、近年は文系進学にも力を入れ文理ともに合格実績を大きく伸ばしています。ここ20年偏差値が上がり続けている成長校であり、名門校の象徴である2月1日の入試も開催。今後さらに人気が上昇する可能性があります。
②明治大学付属世田谷中学校(旧:日本学園中学校)
2026年度から明治大学の付属校となり、校名も変更されます。こうした大きな変化は受験生を集める要因となり、初年度は高倍率が予想されます。世田谷区という立地も人気の一因です。ただしまだ明治大への推薦枠は少ないため注意しましょう。
この偏差値帯における併願戦略
中堅上位帯の受験生にとって、併願校の選択は合格確保の観点から極めて重要です。以下のような考え方が参考になります。
- 2月1日:第一志望校を受験(チャレンジ校も含む)
- 2月2日:第一志望校が別日程にある場合はそちらを受験、あるいは同レベルの併願校を受験
- 2月3日以降:安全校(偏差値50~54帯)を受験し、確実に合格を確保する
サンデーショックの年は、2月1日午後の結果を見て2月2日の出願校を変更する受験生が増える傾向があります。Web出願システムの普及により、直前まで出願先を調整できるため、柔軟な対応が可能になっています。
偏差値50~54の中堅帯における選択肢
中堅帯は、近年の安全志向の高まりにより、志望者数が増加傾向にあります。「確実に合格できる学校」を求める受験生が増えており、この偏差値帯の競争が激しくなっています。
首都圏模試での増加傾向
偏差値55未満の学校群では、首都圏模試の受験者数が増加しており、中堅・中位校志望者の底堅さが確認されています。これは、最難関・上位校を避け、確実性を重視する受験生が増えていることを示しています。
この偏差値帯の学校選択の視点
①大学進学実績の確認
偏差値50台前半の学校でも、GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)への進学実績が豊富な学校があります。現役進学率や指定校推薦の枠なども含めて、総合的に評価することが重要です。
②教育内容・校風の重視
この偏差値帯では、偏差値よりも「子どもに合った学校かどうか」という視点が重要になります。面倒見の良さ、部活動の充実度、通学のしやすさなど、6年間を過ごす環境として適切かを判断することが求められます。
③複数回入試の活用
多くの学校が午前・午後や複数日程での入試を実施しています。同じ学校を複数回受験することで、合格の可能性を高めることができます。また、回が進むにつれて定員が少なくなり倍率が上がる傾向もあるため、できるだけ早い回次での受験が有利です。
千葉入試の特性
千葉県の入試は、埼玉と比較して「その学校を第一志望とする受験生」の割合が高いという特徴があります。市川中学校や東邦大学付属東邦中学校は、千葉県内および近隣地域からの志望者が多く、倍率が高くなる傾向があります。
一方で、国府台女子学院中学校や和洋国府台女子中学校など、この偏差値帯の女子校は、日程や入試形式の工夫により、受験しやすい環境を整えています。
併願パターンの基本
中堅帯の受験生にとって、「確実な合格」を早い段階で確保することが心理的な安定につながります。以下のような併願パターンが考えられます。
- 1月中:埼玉・千葉の安全校を受験し、最低1校の合格を確保
- 2月1日:第一志望校(偏差値50~54帯)または少し上のチャレンジ校(偏差値55~59帯)を受験
- 2月1日午後:2月1日午前の手応えによって、同レベルか安全校を受験
- 2月2日以降:第一志望校の別日程、または確実な安全校を複数受験
早慶・MARCH附属校の戦略的位置づけ
早慶附属校(早稲田・早稲田実業・慶應普通部・慶應中等部など)とMARCH附属校は、偏差値帯としては上位~中堅上位に位置しますが、独特の特性があります。
附属校の特徴と注意点
①高倍率の傾向
2025年度入試では、多くの附属校で実倍率が3倍以上となりました。特に女子の倍率が高くなる傾向があります。これは、高校受験での附属校の枠が少ないため、中学受験に人気が集中しているためです。
②理系志望者の割合
附属校全体の傾向として、理系志望者が少ないという特徴があります。慶應普通部で約2割、早稲田高等学院で3~4割程度とされています。一般的な進学校では文系と理系がほぼ半々であることと比較すると、理系志望の受験生は注意が必要です。特に立教系列は大学に理系学部が理学部しかないため注意しましょう。
③大学進学の保証
一方で、系列大学への内部進学が保証されている(または高い確率で可能)という安心感は大きなメリットです。大学受験のプレッシャーから解放され、中高6年間を部活動や課外活動に注力できる環境があります。
明治大学付属校の新設・変更
2026年度は明治大学関連で大きな動きがあります。
- 明治大学付属世田谷中学校(旧:日本学園中学校):2026年度から明治大学の付属校となります
初年度ということもあり、志望者が集中する可能性があります。明治大学付属世田谷は、世田谷区という立地と明治大学への内部進学という2つの魅力により、高倍率が予想されます。
出願戦略における実践的な考え方
偏差値帯別の分析を踏まえ、実際の出願戦略を立てる際の考え方を整理します。
①模試結果の複数回確認
単一の模試結果だけでなく、複数回の模試結果を総合的に判断することが重要です。特に秋以降の模試は、受験生の実力が固まってくる時期であり、より信頼性の高いデータとなります。
②合格可能性の段階的設定
一般的に、以下のような段階で併願校を設定します。
- チャレンジ校:合格可能性20~40%程度(偏差値で現在より5~10高い)
- 実力相応校:合格可能性50~70%程度(偏差値で現在と同程度)
- 安全校:合格可能性80%以上(偏差値で現在より5~10低い)
ただし、サンデーショックの年は志望者の流れが例年と異なるため、過去の倍率データがそのまま当てはまらない可能性があります。最新の出願状況を注視し、必要に応じて柔軟に調整することが求められます。
③受験日程の物理的な組み立て
首都圏の中学受験では、1人平均約5校を出願し、約3.7校を実際に受験しています。体力的な負担も考慮し、無理のない日程を組むことが重要です。
- 午前・午後のダブル受験は体力的に厳しいため、本当に必要な場合に限定
- 移動時間を考慮した現実的なスケジュール
- 連続受験による疲労の蓄積を考慮
④心理的な安定の確保
1月中に最低1校、できれば2校の合格を確保しておくことで、2月の本番を心理的な余裕を持って臨むことができます。「絶対にどこかには合格している」という安心感は、実力を発揮するうえで重要な要素となります。
まとめ:2026年度入試の特性を踏まえた戦略
2026年度の中学受験は、サンデーショックと難関校離れという2つの大きな潮流が交差する年となっています。偏差値帯ごとに以下のような傾向が確認されています。
偏差値65以上の最難関帯では、志望者減少によりチャンスが広がっています。特に麻布、聖光学院、栄光学園、豊島岡女子学園などで志望者が大きく減少しており、例年より合格しやすい可能性があります。女子はサンデーショックにより併願パターンが変化し、新たな選択肢が生まれています。
偏差値60~64の上位帯は、最難関帯の併願先としても機能するため、影響が複雑です。女子の洗足学園や吉祥女子は志望者増加が予想される一方、豊島岡は大幅減少が見込まれます。男子は比較的安定していますが、早稲田中学校の躍進が注目されます。
偏差値55~59の中堅上位帯では、山脇学園の偏差値大幅上昇や、明治大学付属校の新設・変更など、個別の学校で大きな動きがあります。校風や教育内容、立地など、偏差値以外の要素を重視した選択が重要になります。
偏差値50~54の中堅帯は、安全志向の高まりにより志望者が増加傾向にあります。確実な合格を早期に確保し、心理的な安定を得ることが、この偏差値帯の戦略の基本となります。
いずれの偏差値帯においても、2026年度は例年とは異なる動きが予想されるため、最新の出願状況を注視し、柔軟に対応することが求められます。また、偏差値だけでなく、子どもに合った学校選びという視点を忘れず、6年間を充実して過ごせる環境を選択することが、長期的な成功につながります。
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