中学受験の社会科において、避けては通れないのが47都道府県の名前と県庁所在地の暗記です。単なる暗記作業と思うと少し根気が必要な場面もありますが、実はここには音楽や歴史、都市の成り立ちといった面白いエピソードがたくさん詰まっています。
机に向かってノートに書き写すだけでなく、耳から情報を入れたり、名前の由来に隠されたミステリーを探ったりすることで、都道府県の知識はより身近なものになります。
歌でリズムに乗って覚える県庁所在地
暗記の強力な味方となるのが「歌」の存在です。リズムに合わせて口ずさむことで、47もの名前が自然と頭に入ってくる仕組みは、多くの受験生に親しまれています。
ロックンロール県庁所在地
特に有名なのが『ロックンロール県庁所在地』という楽曲です。この歌には、受験に役立つ要素がふんだんに盛り込まれています。今の中学受験の親世代もミニモニのカバーなどで子供のころに聞き覚えがあるのではないでしょうか
- 森高千里さんによるオリジナル版: 1990年代に発表され、軽快なロックのリズムで県庁所在地を歌い上げています。森高千里さんが作詞作曲をされています。アイドルなのに多彩ですよね。いまだにアイドルとして活動を続けている点も含め、感嘆致しますね。私がおばさんになっても、まだまだ現役と流石です
- ミニモニ。によるカバー版: 2000年代には当時の人気ユニットによってカバーされ、さらに多くの子どもたちに知られるようになりました。
歌ってる辻ちゃんはなんにも覚えてないじゃないか!という無粋なツッコミはやめておきましょう。辻ちゃんは中学受験生じゃないんでいいんです。 - 特産品も一緒に学べる: この歌の最大の特徴は、県庁所在地名だけでなく、その土地の特産品や名物が歌詞に組み込まれている点です。
岩手の盛岡~ (わんこそば わんこそば)
例えば、宮城は仙台⇒笹かま ♬ 栃木は宇都宮⇒しもつかれ
といった具合に、地理の試験で問われやすい特産品を一石二鳥で覚えられるような構成になっています。(札幌でラーメンが問われるかは微妙なところですが(笑))音楽を聴きながらイメージを膨らませることで、ただの文字情報だった地名が、生き生きとした土地の記憶へと変わっていきます。
県名と市名が「同じ」ところと「違う」ところの謎
さて、曲を紹介しておしまい!では塾講師が書いている意味がありませんので、少し県庁所在地について深堀していきましょう。
県庁所在地を覚える際、多くの受験生が気になるのが「県名と市名が一致している県」と「そうでない県」の存在です。これには明治時代の日本の歴史が深く関わっています。
新政府軍と旧幕府軍の歴史的背景
明治維新の際、新政府を樹立する中心となった藩と、旧幕府側に立った藩との違いが、現在の県名に影響しているというものです。
- 新政府軍側の「藩」: 薩摩藩(鹿児島県)、長州藩(山口県)、土佐藩(高知県)などは、明治以降もそのまま「県名」と「県庁所在地名」が一致しているケースが多い。他にも、肥後藩(熊本県)や肥前藩(佐賀県)など、九州や四国に多く見られます。
- 旧幕府軍側の地域: 一方で、旧幕府の拠点があった関東地方や、戊辰戦争で激戦地となった東北地方などは、県名と県庁所在地名が異なっている割合が高い傾向にあります。関東地方で同じなのは千葉のみです。(さいたまも同じですが、後述します)。
これは、新政府が旧幕府側の勢力を抑えるために、由緒ある都市名ではなく、あえて別の地名を県名に採用したからだという説があります。もちろん、これはあくまで有力な俗説の一つであり、公式な理由として確定しているわけではありません。
また、明治時代の「廃藩置県」の過程では、大きな藩を分割したり、小さな藩を合併したりといった複雑な調整が行われました。そのため、藩の数と都道府県の数が一致せず、結果として県名と藩名にズレが生じることもありました。こうした歴史の裏側を知ることで、暗記の作業も一つのストーリーとして楽しむことができます。
「東京都」「埼玉県」の都・県庁所在地はどこ?
県庁所在地の学習を進めていくと、最後に突き当たるのが「東京都」の扱いです。地図帳や教科書によって、書き方が異なることがあるため、不思議に思う受験生も少なくありません。また「埼玉県」もなんでひらがなのさいたまで別に覚えさせられるの?と思うでしょう。
東京府から東京都への変遷
東京都の成り立ちを紐解くと、そこには行政の歴史が隠されています。
正直丸暗記していればここまで詳細な知識は中学受験ではほとんど問われません。でも暗記というのは周りの理由も併せて知っておくとより定着するし、試験中も思い出しやすくなります。詳しく知りたい人はクリックして読んでみてね!
「なぜ場所によって答えが違うの?」という疑問も、都市の誕生の歴史を知れば、納得感を持って理解することができるはずです。
実際に都庁や県庁に訪れてみるのもアリ
東京都庁などは一般に公開されており無料で展望台に上ることが出来ます。無料で入ることができシーズンによっては列ができるほどの観光スポットです。
一回行けば一発で覚えますからね。子どものうちは何でも体験させてあげることが吉ですよ!
参考文献リスト
- 総務省「地方自治制度の概要」
- 東京都公式サイト「東京都の誕生」
- 国立公文書館「廃藩置県」関連資料
- 『ロックンロール県庁所在地』歌詞(作詞:森高千里)