この記事は、中学受験の勉強をがんばっている小学生のきみに向けて書いています。おうちの人が読んでもいいけれど、まずはきみに読んでほしい。
夏休み、遊びたいよね。当たり前だ。
でも「受験生なのに遊んでいいのかな」って、ちょっと思っていない? 遊んでいるとき、頭のすみで宿題のことがチラチラして、なんだか楽しみきれない。そういう気持ち、塾の先生をしているとよく聞きます。
先に答えを言います。遊んでいい。
ただし、遊び方にはコツがある。今日はそのコツと、「ここなら親が連れて行ってくれやすい」という場所のリストを教えます。塾の先生が言っているんだから、この記事はおうちの人に見せてもいい。むしろ見せてほしい。
なんで「遊んでいい」って言い切れるの?
理由はかんたんで、頭は、休まないと覚えられないからです。
勉強したことは、休んでいるあいだや寝ているあいだに、頭の中でせいりされて「覚えたこと」になります。つまり、休まずに勉強しつづけるのは、ごはんをかまずに飲みこむようなもの。入れた気になっているだけで、身についていません。
じっさい、夏休みにずーっと机に向かっていたのに成績が上がらない子と、しっかり遊んでしっかり勉強した子なら、後のほうが伸びることはめずらしくありません。だから、遊ぶことに引け目を感じる必要はない。遊びは、サボりじゃなくて作戦のうちです。
じゃあ、どれくらい遊んでいいの?
学年でちがいます。ざっくりの目安を出します。
4年生のきみ:1日の半分は遊んでいい。
そのかわり、午前中に勉強を終わらせること。朝のうちに計算と漢字と塾の宿題をやっつけて、午後は全力で遊ぶ。これができたら、4年生の夏としては満点です。
5年生のきみ:「勉強の日」と「思いっきり遊ぶ日」を分けよう。
5年生は勉強の量が増えるので、毎日半分遊ぶのはちょっと苦しい。そのかわり、週に1〜2日「今日は遊ぶ!」という日を先に決めてしまう。その日は勉強のことを忘れて遊んでいい。だらだら毎日ちょっとずつ遊ぶより、このほうがずっと楽しいし、勉強もはかどります。
6年生のきみ:遊びは「ごほうび」に変えよう。
ごめん、6年生の夏は正直、たくさんは遊べない。ここはきみもわかっているはず。でもゼロにする必要はない。「この単元が終わったら映画」「今週の宿題が終わったら1日おでかけ」のように、ごほうびとして遊びを入れる。そして遊ぶときは、スッキリ全力で遊ぶこと。来年の春、思いっきり遊ぶために、今年はこの形でいこう。
ひとつだけ、全学年に共通のルール。朝起きる時間だけは、学校がある日と同じにすること。これがくずれると、遊びも勉強も全部ぐだぐだになります。夜ふかしは敵です。
ウラワザ:「勉強になる遊び場」なら親はOKしやすい
ここからが本題です。
じつは、遊びに行くのに「勉強にカウントされる場所」というものが存在します。理科や社会の入試に出ることを、実物で見られる場所です。
こういう場所は、おうちの人に「連れてって」と言うとき、ものすごく強い。ただ「遊びに行きたい」ではなく「勉強になるから行きたい」と言えるからです。しかも、これはウソじゃない。テキストで読んだものを実際に見ると、本当に忘れなくなります。入試の日に「あ、あれ見たやつだ」と思い出せる知識になる。
というわけで、「親がOKしやすい場所」と「そのまま使えるセリフ」のリストです。
科学館(近場・雨の日OK)
セリフ:「理科で習ったやつ、実験で見られるんだって。連れてって」
くわしくは:理科が苦手な子ほど科学館に行くべき理由
プラネタリウム(近場・すずしい)
セリフ:「星の動き、テキストだとよくわからないから本物で見たい」
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工場見学(近場・無料のところも多い)
セリフ:「社会の工業のところ、実物を見たら覚えられそう」
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箱根・大涌谷(日帰り旅行可)
セリフ:「火山と地層って入試に出るんだって。温泉も入れるよ」
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銚子漁港・犬吠埼(日帰り旅行可)
セリフ:「水産業のところ、日本一の漁港を見てみたい。おいしい魚も食べられるし」
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五稜郭(北海道)(泊まりの旅行)
セリフ:「歴史で出てくる場所、ほんものを見たら絶対忘れないと思う」
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コツは、セリフの中に「習った言葉」をひとつ入れること。「火山と地層」「水産業」みたいにね。それだけで、おうちの人は「お、ちゃんと勉強とつながってるな」と思ってくれます。
それから、行ったあとにひとつだけやってほしいことがある。見てきたものを、家で1こでいいから誰かに話すこと。「大涌谷の煙、硫黄のにおいがした」とか、それだけでいい。人に話したことは、頭に残ります。これで、遊びが本当に勉強に変わります。
ひとつだけ、やめてほしい遊び方
ここまで遊びの味方をしてきたけれど、ひとつだけ注意。
スマホやゲームのだらだらは、じつは「遊び」になっていません。
なぜかというと、楽しくないから。気づいたら2時間たっていて、楽しかったわけでもなく、頭も休まっていない。スマホやゲームは脳疲労(脳みそに情報のゴミがたまること)の元になります。やればやっただけ疲れて勉強できなくなるのです。遊びのいいところを何ももらえないまま、時間だけが消えます。ゲームをするなら「1時間だけ本気でやる」と決めてやるほうが、ずっと楽しいし、そのあとの勉強にも入りやすい。だらだらだけが、もったいない。ゲームをするなとはいいません。でもメリハリをつけてね!
さいごに
まとめます。
遊んでいい。ただし、朝はいつも通り起きて、勉強を先に終わらせて、遊ぶときは全力で遊ぶ。そして旅行に行きたいときは、このページのセリフを使う。行ったら、見てきたことを1こ話す。
それができたら、きみの夏休みは「遊んだのに成績が上がる夏」になります。本気で遊んで、本気で勉強する。かっこいい夏にしよう。応援しています。
この記事は、中学受験の塾 INSPIRE ACADEMYの先生が書きました。勉強のことでこまったら、おうちの人といっしょにいつでも相談に来てください。