「国語は、最後の二択でいつも違う方を選んでしまう」。答案を見ながら、お子さまとそんな話をしていませんか。
解説を読むと「こっちだったのか」と納得する。それなのに、次のテストでも似た間違いをすると、何を練習すればよいのか迷いますよね。
Q. 中学受験の国語で、最後の二択を外します。どうすればよいですか?
A. 残した二つの選択肢の「違う部分」を見つけ、設問と本文の両方に合うかを確かめましょう。復習では、間違えた方を選んだ理由も残します。
- 設問は、誰の・いつの・何を聞いているか。
- 二つの選択肢は、どの内容が違うか。
- その違いを判断できる根拠が、本文のどこにあるか。
二択まで絞れた問題には、読めている部分もあります。ただし、正解を途中で消している場合もあるため、復習では最初の選択肢全体も確認します。
この記事は、主に小学4〜6年生の保護者に向けた内容です。国語全般の勉強法ではなく、選択肢を比べるときの判断に絞って解説します。
この記事で分かること
国語の最後の二択で間違える、3つの原因
1.本文には合っていても、質問の答えになっていない
「この内容、文章に書いてあった」と選ぶことはありませんか。本文にある内容でも、聞かれていることと違えば答えにはなりません。
例えば「理由」を聞かれているのに「その後の結果」を選んだり、場面が変わった後の気持ちを選んだりする間違いです。
2.選択肢の一部分だけで判断している
選択肢の前半が合っていると、後半まで合っているように感じることがあります。本文と同じ言葉が入っている場合も、そこで安心しやすくなります。
選択肢は、意味のまとまりごとに確認します。主語、理由、気持ち、結論のうち、一部分だけ説明が変わっていないかを見るためです。
3.本文の根拠より、自分の想像を優先している
「自分だったらこう思う」「普通はこうするはず」。そう考えること自体は自然ですが、それだけでは登場人物の気持ちや筆者の考えの根拠にはなりません。
気持ちが直接書かれていなくても、言動や場面から読み取れる場合はあります。大切なのは、本文をもとにした読み取りと、自分が付け足した想像を分けることです。
二択で迷ったときは、この順番で確かめる
- 設問に戻る。
「誰が」「どの場面で」「なぜ・どんな気持ち・何を主張しているか」を確認します。「適切でないもの」を選ぶ指示にも注意します。 - 二つの選択肢の違いに線を引く。
同じ内容を何度も読み比べるより、「一人で/協力して」「不安/怒り」など、判断が分かれる部分を見つけます。 - 違いを確かめるために本文へ戻る。
傍線部の前後を入口に、必要なら前の場面や文章全体まで確認します。どちらを選べるか、本文の表現と結び付けて考えます。
どちらも合わないと感じたら、最初に消した選択肢も見直します。「二択にしたから、必ずこの中に正解がある」と決めないことも大切です。
オリジナル例題3題|どこを比べればよい?
以下は、選択肢の違いを確認するために作成した短い例題です。実際の入試問題からの引用ではなく、最初から二択にしています。
先にお子さまが選び、理由を一言聞いてから解説を読んでみてください。正解した場合も、根拠を確認すると練習になります。
例題1|「理由」と「結果」を取り違えていないか
本文
図書室を出ようとしたとき、一年生が高い棚の前で困っていた。帰りの会まで、あと少ししかない。
悠太は足を止めた。「ぼくも一年生のとき、ここに手が届かなかったな」。本を取って渡すと、一年生は笑顔になった。
問:悠太が足を止めた理由として、最も適切なものはどちらですか。
ア.本を渡したことで一年生が笑顔になり、うれしくなったから。
イ.自分も本に手が届かなかった経験を思い出し、助けようと思ったから。
正解はイです。自分の経験を思い出す言葉と、その後に本を取る行動が根拠になります。
アの「一年生が笑顔になった」は本文にあります。しかし、それは足を止めた後の出来事です。行動のきっかけと、その結果を分けると判断できます。
アを選んだときは、「一年生が笑ったのは、足を止める前かな、後かな」と聞いてみてください。出来事の順番を捉えているか確認できます。
例題2|前半が合っていても、後半まで合っているか
本文
発表の練習が終わり、先生が「聞き取りやすくなったね」と声をかけた。美咲はほっとしたが、原稿をしまわなかった。
「最後の説明は、まだ急いでしまった。明日は、初めて聞く人にも伝わるように話したい」。美咲は最後の段落をもう一度読み始めた。
問:原稿をしまわなかったときの美咲の気持ちとして、最も適切なものはどちらですか。
ア.先生の言葉に安心しつつ、聞く人に伝わるように、最後の説明を改善したい。
イ.先生の言葉に安心しつつ、次は先生にもっと褒めてもらうため、最後の説明を改善したい。
正解はアです。二つとも「安心した」「改善したい」は共通しています。違うのは、何のために改善したいのかです。
本文にあるのは「初めて聞く人にも伝わるように」という願いです。「もっと褒めてもらうため」は、本文からは裏付けられません。
イを選んだ理由が「先生に褒められていたから」なら、選択肢の前半だけで決めていないかを確認します。「安心したこと」と「練習を続ける目的」は、別々に確かめます。
例題3|条件のある説明を、広げすぎていないか
本文
話し合いでは、発言が多ければよいとは限らない。自分の考えがまだまとまっていないときには、まずほかの人の意見を聞くことが役立つ。
ただし、聞くだけで終わらず、考えがまとまったら自分の意見を伝えることも大切だ。
問:本文の考えに最も合うものはどちらですか。
ア.話し合いでは、考えがまとまっていても、まず全員の意見を聞き終えてから発言することが大切だ。
イ.考えがまとまらないときは人の意見を聞くことが役立つが、まとまったら自分の意見を伝えることも大切だ。
正解はイです。本文は「自分の考えがまだまとまっていないとき」という条件を付けて説明しています。
アはその条件を変え、さらに「全員の意見を聞き終えてから」という決まりを足しています。「まず聞く」という似た言葉だけでは選べません。
確認したいのは、強い言葉の有無よりも、誰に・いつ・どの範囲で当てはまる説明なのかです。
家庭での復習は「どうして選んだか」を一つ残す
家庭では、正解を急いで教える前に、選んだ理由を聞いてみてください。「こっちのどの言葉が合っていると思った?」なら、考えた跡をたどりやすくなります。
説明が難しければ、本文や選択肢を指さすだけでも構いません。立派な説明を求める必要はありません。
声かけは、問い詰めるより「一緒に確かめる」形に
- 「ちゃんと読んだ?」ではなく、「この二つ、どこが違うかな」。
- 「なんでこっちにしたの?」ではなく、「合っていると思ったところを教えて」。
- 「解説を覚えて」ではなく、「次に同じ迷い方をしたら、どこを確かめようか」。
保護者も判断に迷ったときは、その場で決着をつけなくて大丈夫です。二つの選択肢と迷った理由を残して、塾の先生に確認しましょう。
まずは一度に1〜2問、短い記録で十分
迷った問題をすべて長文で分析すると、復習自体が負担になります。最初は1〜2問を選び、次の3点だけ残す方法を試してください。
例題2を使った復習メモの記入例
- 選んだ理由:先生に褒められていたので、イだと思った。
- 確かめ直したこと:練習の目的は、聞く人に伝えることだった。
- 次に見るところ:選択肢の後半にある、行動の目的まで確認する。
次の演習では、別の文章でも同じ確認ができるかを見ます。答えを覚えた問題に正解することと、新しい問題で判断できることは分けて確かめましょう。
国語の選択問題で、保護者から出やすい疑問
Q.「必ず」「すべて」がある選択肢は消してよい?
A. その言葉だけでは消せません。本文でも例外なく成り立つと述べていれば、強い表現が正解になることはあります。
本文の説明より選択肢が言いすぎていないかを確認してください。「長い選択肢が正解」「本文と同じ言葉があるから正解」といった判断も避けましょう。
Q. 読書を増やせば、二択で間違えなくなりますか?
A. 読書に親しむことと、選択肢を比較する練習は、役割を分けて考えましょう。設問の読み違いや選択肢の読み落としには、答案に戻った確認が必要です。
言葉の意味が分からず選べない場合は、その語句を短い例文で確認します。二択で迷う原因に合わせて、練習を変えることが大切です。
Q. 本番では、いつまで二択を考えてよいですか?
A. 同じ箇所を読み返すだけで判断が進まないときは、いったん区切ります。解答方法に従って現時点の答えを記入し、問題冊子に印を付けて先へ進む方法があります。
区切る目安は、試験時間と問題構成に合わせて演習で決めます。試験全体の配分は、国語の時間配分についての記事でも紹介しています。
国語の個別指導では、答えを選ぶまでの過程を見ます
同じ不正解でも、本文を読み違えたのか、設問を取り違えたのか、選択肢の一部を見落としたのかで、必要な指導は変わります。
INSPIRE ACADEMYでは、国語の指導で本文のどこを根拠にしたかを確認しています。点数だけでなく、選ぶまでの考え方を見るためです。
- 本文に戻る:印象だけで選んでいないか、根拠を確認します。
- 理解度に合わせる:一人ひとりの学力や目標に応じて、学ぶ内容を組みます。
- 家庭の困りごとも相談する:親子だけでは整理しにくいつまずきを共有できます。
当塾は、世田谷区・東北沢の個別指導型中学受験専門塾です。対面に加え、オンラインでの授業にも対応しています。
指導の考え方は中学受験のつまずきへの対応、受講についてはよくある質問をご覧ください。
「あと二択なのに」と惜しむだけで終わらせず、次に答案を見るときは、お子さまがどの言葉を頼りに選んだのかを一つ確かめてみてください。
そこが分かると、「もっと国語を勉強しよう」から、「次はここを確かめよう」へ、練習を具体的にできます。
国語の「なぜ間違える?」を、一緒に整理しませんか
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