2026年8月7日/最終更新 2026年8月7日 INSPIRE ACADEMY
「英語を習わせてきたのですが、中学受験で活かせますか」
この質問をいただく機会が、ここ数年で明らかに増えました。答えは「活かせます。ただし、学校によって求められる水準がまったく違います」になります。
英語入試は、いま中学受験でもっとも動きの大きい分野です。首都圏の私立・国立中学のうち約140校が何らかの形で英語を扱う入試を実施しており、これは全体のおよそ4割にあたります。この記事では、その実態と、検討する際に確認すべきことを整理します。
この記事で扱うこと
英語入試が広がっている理由
3つのタイプと、その違い
求められる英検の級の目安
向いているお子さま、そうでないお子さま
いつから準備を始めるべきか
なぜ英語入試が広がっているのか
背景にあるのは、小学校での英語教育の変化です。2020年度から3・4年生で英語が必修化され、5・6年生では教科として成績評価の対象になりました。
つまり、教科として英語を学んだ世代が中学受験を迎える時代に入っています。入試科目に英語を加える素地が整ったということです。
かつて英語入試は帰国生向けのものでした。それが国内生にも開かれ、いまでは4割近い学校が何らかの形で導入しています。
2026年度には頌栄女子学院、鎌倉女学院、富士見が新たに参入し、2027年度には森村学園が導入を公表しました。とりわけ大きかったのは、最難関校である豊島岡女子学園が英語資格を利用する入試を導入したことです。若干名の募集に対して300人近くが出願しており、上位校への影響も避けられないと見られています。
英語入試には3つのタイプがある
「英語入試」とひとくくりに語られますが、中身は大きく分かれます。ここを混同すると、対策の方向を誤ります。
1. 英語資格利用型
英検などの取得級に応じて加点したり、出願要件としたりする方式です。当日に英語の試験を課さない学校もあります。
近年もっとも増えているのがこのタイプです。豊島岡女子学園が導入したのもこの形で、英語資格を持ったうえで算数1科の筆記試験を受けるという構成でした。
2. 英語筆記試験型
当日、英語の試験を受ける方式です。組み合わせは学校によってさまざまで、国語と英語、算数と英語、あるいは英語1科目のみという形もあります。
「国語と算数は必須、理科・社会・英語から1科目選択」といった形で、選択肢のひとつとして英語を置く学校もあります。
3. 帰国生・国際生入試
海外在住経験が出願要件となる、別枠の入試です。滞在年数や帰国後の経過年数に条件があり、該当しなければ出願できません。
上の2つとは対象者が異なります。国内で英語を学んできたお子さまは、1か2が検討対象になります。
志望校の募集要項を見るときは、まず「当日に英語の試験があるのか」「資格だけで足りるのか」を確認してください。ここで準備の内容がまったく変わります。
求められる英検の級の目安
水準は学校の難度によって大きく開きます。おおまかな傾向は次のとおりです。
難関校 英検準2級から2級以上を求めるケースが中心
上位校 資格利用型の選択肢が豊富で、4科入試との併願も組みやすい
中堅校 英語入試の選択肢がもっとも多い層。併願先として使いやすい
押さえ校 英検4級から5級程度で受験できる学校もある
ここで注意していただきたいことがあります。会話中心の学習だけでは対応できない場合が多い、という点です。
英会話教室に長く通ってきたお子さまでも、読解や文法、記述となると別の力が必要になります。準2級以上を求める学校では、その傾向がより顕著です。
お子さまの現在地を測るには、志望校の過去問を実際に解かせてみるのが確実です。級の目安だけで判断すると、想定と実際がずれることがあります。
向いているお子さま、そうでないお子さま
検討する価値が大きいケース
・英語を数年にわたって継続して学んできた
・すでに英検を取得している、または取得の見込みがある
・理科・社会に不安があり、4科目型では厳しい
・読み書きも含めて英語に取り組んできた
・併願先の選択肢を広げたい
慎重に考えたいケース
・英語の学習が会話中心で、読解や文法の経験が少ない
・受験学年になってから英語を始めようとしている
・4科目の仕上がりが不十分な状態で、英語を追加しようとしている
・志望校群に英語入試の実施校がほとんどない
とくに注意したいのが、「4科目が不安だから英語で逃げる」という発想です。
英語入試は楽な入口ではありません。難関校では相応の水準が求められますし、実施校が限られるため志望校の選択肢も狭まります。これまでの蓄積を活かす手段であって、不足を埋める手段ではないと考えていただくのが正確です。
いつから準備を始めるか
資格利用型を狙う場合、出願までに英検を取得しておく必要があります。ここから逆算してください。
英検は年に3回実施されますが、6年生の後半は4科目の仕上げと重なります。この時期に英検の対策時間を確保するのは、現実的に難しくなります。
したがって、5年生のうちから6年生の前半までに目標の級を取得しておくのが望ましい流れです。取得済みであれば、6年生の後半は他の科目に集中できます。
当日に筆記試験がある方式を選ぶ場合も同様です。4科目の対策と並行することになるため、早い段階で方針を決めておくほど余裕が生まれます。
中学入学後を見据えると
もう一つ、お伝えしておきたいことがあります。
英語入試の準備は、中学入学後の学習にそのままつながります。これは他の科目にはない特徴です。算数の特殊算は中学以降ほとんど使いませんが、英語は6年間、そして大学受験まで続きます。
中高一貫校では英語の進度が速く、入学直後から差がつきます。受験の段階で読み書きの基礎ができていれば、その差は有利に働きます。
当塾は中学受験を到達点ではなく通過点として捉えています。中高6年間とその先の大学受験まで見据えたとき、英語への投資は回収しやすいという見方は、検討材料のひとつになると思います。
よくいただく質問
英語入試は4科目入試より合格しやすいですか。
一概には言えません。募集人員が少ない方式が多く、倍率が高くなることもあります。難関校では英検準2級から2級以上の水準が求められます。合格しやすい入口と考えるより、これまでの英語学習を活かせる入口と捉えるのが実情に近いと思います。
英検は何級あれば受けられますか。
学校によって大きく異なります。押さえ校では4級から5級程度で受験できるところもあり、難関校では準2級から2級以上が中心です。まず志望校群の要件を調べたうえで、目標級を設定してください。
英会話教室に通っているだけで対応できますか。
難しい場合が多くなります。入試で問われるのは読解・文法・記述が中心で、会話とは別の力が必要です。話せることと、書かれた英語を正確に読み取れることは異なります。過去問を解かせてみると、現在地が具体的に分かります。
4科目と英語、両方準備するのは大変ではないですか。
両立には計画が必要です。すでに英語の蓄積があるお子さまであれば、資格を先に取得しておくことで6年生後半の負担を抑えられます。ゼロから始める場合は、4科目の仕上がりを優先すべきケースが多くなります。
今後も英語入試は増えますか。
拡大の傾向は続くと見られています。小学校での英語の教科化が定着し、難関校の参入も始まりました。ただし個々の学校の方針は年度で変わりますので、志望校の最新の募集要項を必ず確認してください。
おわりに
英語入試は、いま中学受験でもっとも変化の大きい分野です。約4割の学校が何らかの形で導入し、難関校の参入も始まりました。
ただ、水準も方式も学校によって大きく異なります。「英語入試がある」という情報だけで判断せず、当日試験の有無、求められる級、募集人員まで確認してください。
これまで積み重ねてきた英語があるなら、それを活かす道は確実に広がっています。
英語入試の相談も承っています
お子さまの英語の現在地を確認したうえで、志望校の水準に届くかどうか、4科目とどう配分するかを具体的にお伝えします。当塾には児童英語の専任講師が在籍しており、中学入学後を見据えた指導も行っています。対面・オンラインのどちらでも対応します。
お電話:03-6407-0548(10:00〜22:00)
INSPIRE ACADEMY は、東京・世田谷にある個別指導型の中学受験専門塾です。日々の学習習慣づけから最難関校の受験対策まで、すべて個別指導で対応します。児童英語の専任講師が在籍し、保護者様向けのセミナーも随時開催しています。母体は最難関大学受験・医学部受験の専門塾を運営しており、中学受験をその先まで見据えた通過点として捉えた指導を行っています。下北沢・代々木上原・東北沢・駒場・笹塚・三軒茶屋の各エリアから通塾いただけるほか、オンライン授業にも対応しています。
本記事は2026年8月時点で公表されている情報にもとづいて作成しています。実施校数・出願要件・英検の級の目安は年度により変わります。出願にあたっては必ず各校の募集要項をご確認ください。
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2026年8月7日 公開/2026年8月7日 更新