浦和ルーテル学院・青山学院横浜英和|内部推薦で目指す青学への道
青山学院大学への進学を視野に入れたとき、一般受験だけでなく、「内部推薦」という道を選ぶ生徒も少なくありません。この記事では、青山学院大学と系属関係にある浦和ルーテル学院、そして青山学院横浜英和中学高等学校の内部推薦制度にフォーカスし、それぞれの学校でどのように進学が可能なのかを詳しくご紹介します。
浦和ルーテル学院:少人数教育とギフト教育で育む進学力
埼玉県に位置する浦和ルーテル学院は、1953年に設立されたキリスト教系の私立学校で、小中高一貫教育を行っています。教育の核には「ギフト教育」という独自の指導理念があり、生徒一人ひとりの資質や可能性を大切にした育成が特徴です。
■ ギフト教育とは?
1クラス20〜25人という少人数体制で行われるこの教育法では、英語力や探究心、人間性をバランスよく育てることを重視。キリスト教の精神に基づいた価値観を根底に据え、他者との関わり方や共感力も大切にしています。
生徒は自己の「ギフト(才能)」を通じて、周囲と調和しながら社会で貢献できる人材になることを目指します。
■ 青山学院大学への進学制度
浦和ルーテル学院は青山学院大学の系属校であり、2023年度より「希望者全員が条件を満たせば青山学院大学に進学可能」という方針が示されました。この内部推薦制度は2023年度以降の新中学1年生に適用され、2030年度の大学進学時に初めて全面的に実施される予定です。
● ポイントとなる条件
内部推薦といっても「無条件合格」ではありません。主に次のような基準をクリアする必要があります。
- 学内での学業成績(定期試験の評定など)
- 学習態度・生活態度
- 欠席日数や遅刻の状況
- 面接やレポートによる評価
学校としても、単なる進学実績だけでなく、生徒の人間性や自主性を重視しています。青山学院大学への全入体制は整っていても、「形式だけの進学」でなく、「志を持って学びたい生徒」を育てることに重きを置いています。
全員推薦を掲げていますがルーテル側が目指す数字であり学内での成績や実際の推薦取得人数などは実績がないため今後の動向に注目です。
■ 浦和ルーテルの学習環境と進学準備
・週1回のフィールド・プログラムでは、「アート」「英語」「科学」の分野からテーマを選択し、探究型学習を1年間かけて実施。
・英語教育にも力を入れており、中学から高校にかけて英語スピーチ、英語劇、ディベートなどを行うほか、海外研修(オーストラリア・アメリカ)も希望制で用意。
・また、学力向上に向けた補習や再試、希望者対象のセミナーも豊富に開講されています。
青山学院横浜英和中学高等学校:青学との直結ルートと実力主義の選抜制度
横浜市に位置する青山学院横浜英和は、1880年に創立された長い歴史を持つミッション系学校。青山学院の系属校として、青山学院大学への推薦枠を保持しています。
■ 内部進学率とその条件
青山学院横浜英和では、内部進学率はおよそ60~70%程度。これは在籍する生徒全体の中で、青山学院大学への推薦基準を満たした生徒の割合です。
● 進学のために必要なこと
青山学院大学の推薦枠を得るためには、以下のような評価基準をクリアする必要があります。
- 高校3年間の成績(評定平均)
- 授業態度・課題提出の状況
- 英語力(英検の取得レベルなど)
- 人物評価(生活態度、校内活動の参加など)
特に重要なのは「評定平均」であり、高1の段階から成績が推薦に影響するため、早い段階から安定した成績を維持することが求められます。
■ 英語重視のカリキュラム
青山学院横浜英和は、青学らしく英語教育に特化した体制を整えています。
- 中学で英検準2級、高校卒業までに英検2級の取得を目標としたカリキュラム。
- 校内で英検を受験可能。
- 英語でのディスカッション、プレゼン、エッセイなどを通して、実用的な英語運用能力を育てます。
これらの取り組みが、青山学院大学の国際系・英語系学部における内部進学選考において有利に働く可能性があります。
■ 他大学受験の制限にも注意
内部進学制度がある反面、青山学院横浜英和では内部推薦資格を保持したまま他大学を受験することは不可となっています。
そのため、「どうしても行きたい学部があるが推薦枠に入れなかった」という場合、外部受験へ進路を切り替える必要があります。したがって、内部進学を希望する生徒は、中学・高校での努力が極めて重要になります。
■ 進学サポート体制も充実
・Classiというオンライン学習支援ツールを用いた個別学習。
・志望理由書や小論文対策を意識した講座も設けられており、総合型選抜や内部推薦に必要な文章力の育成も支援。
・放課後の補習や再試制度、土曜セミナーなどを通して学力を丁寧に伸ばせる環境です。
まとめ:内部推薦は「努力の継続」がカギ
浦和ルーテル学院も青山学院横浜英和も、それぞれ独自の魅力と教育方針を持ちつつ、青山学院大学への進学という大きな目標に向けた環境を整えています。
どちらの学校でも、「内部推薦」という制度を生かすためには、日頃の学習と学校生活の積み重ねが重要です。「入ってしまえば安心」という甘い考えではなく、「行きたい学部に進むために、入学後こそ努力する」姿勢が求められています。
また内部推薦の問題点として人気学科の推薦枠は付属校、系列校であれ人数に限りがあるということです。行きたい学部に行くためにはしっかりと勉強して学部学科を選べる成績を残さなければなりません。