「覚えられない」を解決する方法を全部教えます
カテゴリ:中学受験ブログ/勉強法・学習のコツ
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中学受験で多くの子が最初につまずくのが、社会と理科の「暗記(あんき)」です。
「何回やっても覚えられない」「覚えた次の日には忘れている」「語呂(ごろ)合わせを覚えても、テストになると出てこない」——INSPIRE ACADEMYに寄せられる相談(そうだん)のなかでも、特によく聞かれる悩みです。
ただ、よくお伝えしているのは、「暗記が苦手」というのは多くの場合、才能(さいのう)の問題ではなくやり方の問題だということです。
この記事では、社会(歴史・地理)と理科に分けて、本当に定着(ていちゃく)する暗記の方法をお伝えします。
そもそも、なぜ覚えられないのか
まず押さえておきたいのは、「記憶(きおく)が定着するしくみ」です。
脳は、同じ情報を繰り返し引き出した回数に比例(ひれい)して記憶を強化(きょうか)します。つまり、「見た回数」ではなく「思い出した回数」が大切です。
ノートに10回書いても定着しにくいのは、「見ながらなぞっているだけ」で、脳が積極的(せっきょくてき)に情報を引き出していないからです。一方、テキストを閉じて「えっと、何年だっけ」と自分に問いかける行為(こうい)は、脳に強い刺激(しげき)を与えます。
記憶の定着に必要なのは「書く」ことより「思い出す」ことです。
よくある「暗記あるある」——いくつ当てはまる?
以下、受験生からよく聞く「あるある」です。
- 語呂合わせを覚えたのに、その語呂が何を表しているか忘れた
- 年号は覚えたが、出来事の順番(じゅんばん)が分からない
- 理科の植物の分類(ぶんるい)、花のつくりの図はかけるが名前が出てこない
- 地理の都道府県(とどうふけん)の形は分かるが、県庁所在地(けんちょうしょざいち)が出てこない
- 前の日に覚えたはずなのに、翌朝(よくあさ)には半分消えている
- テスト中は覚えているのに、解答欄(かいとうらん)を前にすると出てこない
これらはすべて、「インプット過多(かた)・アウトプット不足」が原因です。
【社会・歴史】年号と出来事の暗記法
Q. 語呂合わせで覚えているのに、テストで思い出せない。なぜ?
A. 語呂合わせは「引き出しのカギ」にすぎません。引き出しの中身が空(から)だと、カギだけあっても何も取り出せません。
「なくよ(794)ウグイス平安京(へいあんきょう)」という語呂を覚えても、794年に何が起きたか・なぜ都を移したか・どんな時代が始まったかという「場面」が頭の中になければ、テスト本番では機能(きのう)しません。
おすすめのやり方: 語呂を覚えたら、必ず「その出来事のイメージ場面」を30秒だけ思い浮かべましょう。794年、天皇が「奈良の寺の勢力(せいりょく)が強すぎる、引っ越しだ!」と決断(けつだん)する場面——マンガのように大げさにイメージするほど記憶に残ります。語呂はあくまで「場面を引き出すカギ」として使うのがポイントです。
Q. 出来事の順番がぐちゃぐちゃになる。どう整理すればいい?
A. 「時代の流れ」を太い軸(じく)として先に覚えてしまいましょう。
細かい年号を個別(こべつ)に詰め込もうとすると混乱(こんらん)します。まず「奈良→平安→鎌倉(かまくら)→室町(むろまち)→江戸→明治」という大きな流れを体に染(し)み込ませ、そこに年号を「付け足す」感覚が効果的です。
歴史の暗記は、骨格(こっかく:流れ)を作ってから肉付け(にくづけ:細部)する順番が大切です。
体験学習という選択肢(せんたくし)も: 実際の場所に行くことで、「ここで起きたことか」という実感が記憶の定着を大きく助けます。鳥取砂丘(とっとりさきゅう)では地理と歴史が同時に学べるなど、旅行と学習を組み合わせる方法も有効(ゆうこう)です。小5が旅行のベストタイミングという記事もあわせてご覧ください。
【社会・地理】都道府県・県庁所在地・地名の暗記法
Q. 都道府県の形は分かるが、県庁所在地の名前が出てこない
A. 「なぜその都市が県庁所在地なのか」という理由とセットで覚えると定着します。
たとえば、山梨県の県庁所在地が「甲府市(こうふ・し)」である理由——甲府は「甲斐(かい)の国の府(ふ:政治の中心地)」という意味です。こういった「なぜ?」の答えは、ただの名前より記憶に引っかかりやすくなります。
地理の暗記は、地名の由来(ゆらい)・その土地の産業(さんぎょう)・地形とセットにすることで、バラバラの知識が「つながった知識」に変わります。
県庁所在地の楽しい覚え方は「親子でワクワク!県庁所在地の覚え方」もどうぞ。実際に県庁に足を運んで県庁所在地を覚えるという体験学習の方法もご紹介しています。
Q. 地理の統計(とうけい)・数値(生産量ランキングなど)が覚えられない
A. 「なぜその県が1位なのか」という理由から覚えましょう。
「北海道が小麦生産量1位」を丸暗記するより、「北海道は広大(こうだい)な土地があり、冬の寒さを活(い)かした農業に適(てき)している」という背景(はいけい)を理解してから覚えると、他の統計問題にも応用(おうよう)できます。数値の丸暗記より、理由の理解が先です。
政令指定都市(せいれいしていとし)の覚え方もあわせて参考にしてください。
【理科】生物・化学・地学の暗記法
理科の暗記は、社会と少し性質が違います。「なぜそうなるのか」という仕組みの理解が、暗記の代わりになることが多いのが理科の特徴(とくちょう)です。
Q. 植物の分類(双子葉類・単子葉類など)がごちゃごちゃになる
A. 特徴をひとつの「セット」として覚えましょう。バラバラに覚えるから混乱します。
双子葉類(そうしようるい)は「網状脈(もうじょうみゃく)・主根(しゅこん)と側根(そっこん)・輪状(りんじょう)の維管束(いかんそく)」がセット、単子葉類(たんしようるい)は「平行脈(へいこうみゃく)・ひげ根・散在(さんざい)する維管束」がセット——と覚えれば、どれか一つを思い出せば他も引き出せます。
| 双子葉類 | 単子葉類 | |
|---|---|---|
| 葉脈(ようみゃく) | 網状脈(もうじょうみゃく) | 平行脈(へいこうみゃく) |
| 根 | 主根と側根 | ひげ根 |
| 維管束 | 輪状に並ぶ | 散らばっている |
| 例 | アブラナ・サクラ | イネ・トウモロコシ |
よくある失敗: 葉脈・根・茎(くき)の断面をバラバラに覚えようとする。 正しいやり方: 「双子葉類ファミリー」として全部まとめて覚える。
Q. 元素記号(げんそきごう)・化学式がどうしても覚えられない
A. 使う頻度(ひんど)の高いものだけに絞って、まず「10個の壁」を突破(とっぱ)しましょう。
中学受験で頻出(ひんしゅつ)の元素記号は限られています。H(水素)・O(酸素)・C(炭素)・N(窒素・ちっそ)・Na(ナトリウム)・Cl(塩素・えんそ)・Fe(鉄)・Cu(銅)・Ca(カルシウム)・Mg(マグネシウム)——この10個を完璧(かんぺき)に覚えれば、頻出問題のほとんどに対応(たいおう)できます。
語源(ごげん)と結びつけると覚えやすい: Feは鉄のラテン語「Ferrum」、CuはCuprum(キプロス産の銅)から来ています。由来を知ると記号が意味を持ち、記憶に定着しやすくなります。
Q. 地層・火山・天気などの地学(ちがく)分野の暗記が特に苦手
A. 地学は「実物を見る」か「図を自分で書く」かで定着率(ていちゃくりつ)が大きく変わります。
地層(ちそう)の重なり方・断層(だんそう)・褶曲(しゅうきょく)などは、教科書の図を見るだけでなく、自分の手で図を書いて再現(さいげん)してみることが定着への近道です。書くことで「なぜ上の地層が新しいのか」「なぜ断層ができるのか」という理屈(りくつ)が体感(たいかん)として入ってきます。
実際の地形を見ることも大きな力になります。フォッサマグナパークやフォッサマグナミュージアムでは、教科書の「プレートの境界(きょうかい)」がリアルな地形として目の前に現れます。一度見た景色(けしき)は、何十回書いて覚えるよりも長く記憶に残ることがあります。
科目を問わず使える「3ステップ定着法」
どの科目の暗記にも共通(きょうつう)して使えるシンプルな方法をお伝えします。
ステップ1:3秒見る テキストや単語カードを3秒だけ見る。読み込もうとしない。
ステップ2:閉じて思い出す テキストを閉じて、「えっと、何だったっけ」と自分に問いかける。思い出せなくてOK。思い出せなかったら、また3秒見る。
ステップ3:タイミングを空けて繰り返す
| 復習のタイミング | 目安 |
|---|---|
| 当日の夜 | もう一度テスト形式で確認 |
| 翌日 | 1〜2分でさっと確認 |
| 3日後 | あやしいものだけ確認 |
| 1週間後 | 最終確認(さいしゅうかくにん) |
「忘れかけたときに思い出す」という行為が、記憶を長期(ちょうき)定着させる最大のコツです。完全に忘れてから再度(さいど)覚えるのは非効率(ひこうりつ)。少し忘れかけたくらいのタイミングで引き出すのがベストです。
まとめ:暗記は才能ではなく、やり方で変わる
| よくある失敗 | 改善(かいぜん)のポイント |
|---|---|
| 語呂だけ覚えて安心する | 語呂+出来事の「場面イメージ」をセットにする |
| ひたすらノートに書く | テキストを閉じて「思い出す」練習をする |
| 全部バラバラに覚えようとする | グループ・セットでまとめて覚える |
| 覚えたらそのまま放置する | 翌日・3日後・1週間後に必ず確認する |
| 理科を丸暗記しようとする | 「なぜそうなるか」の仕組みを理解してから覚える |
INSPIRE ACADEMYでは、こうした暗記法の指導も個別(こべつ)に行っています。「うちの子、社会や理科の暗記が特に苦手で…」というご相談はとても多く、やり方を変えることで短期間(たんきかん)で点数が伸びるケースも少なくありません。
また、理科・社会の暗記が定着しない子の特徴と対策もあわせてご覧ください。保護者(ほごしゃ)の方が家庭でサポートする際のヒントもまとめています。