【中学受験】すべての早稲田大学附属校を徹底解説

【中学受験】4つの早稲田大学附属校を徹底解説

早稲田大学附属校への進学は、優れた教育環境と早稲田大学への進学のしやすさを求めるご家庭にとって魅力的な選択肢です。この記事では、4つの系列校「早稲田大学高等学院・高等学院中学部」「早稲田実業学校初等部・中等部・高等部」「早稲田中学校・高等学校」「早稲田佐賀中学校・高等学校」という早稲田大学の附属校・系属校について詳しくご紹介します。これらの学校の特徴や受験情報を通じて、進学先や塾選びの参考にしてください。


早稲田大学の教育理念と附属校の役割

早稲田大学の三大教旨

親元にあたる早稲田大学は、「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」という三大教旨を掲げています。この理念に基づき、文化や福祉の発展に寄与する人材育成を目指しています。

大学のポリシーは以下の3つに要約されます:

  • ディプロマ・ポリシー:生涯学び続け、世界に貢献できる人材の輩出。
  • カリキュラム・ポリシー:基盤教育を充実させたカリキュラム構築。
  • アドミッション・ポリシー:入学前に必要な学力と、学びの主体性を評価。

一貫教育の特徴

早稲田の一貫教育は、生徒が学問への興味を早期に形成し、可能性を最大限に引き出せることが特徴です。たとえば、大学生や大学院生との交流、大学教員による模擬授業などが用意され、学力だけでなく実践力を培う機会を提供しています。

また、将来を見据えた目標設定を支援する仕組みとして、大学講義の聴講や学部進学説明会を実施。受験勉強だけでなく、自己探求と自立を促すカリキュラムが展開されています。


附属校と系属校の違い

早稲田大学に関連する中高一貫校には、附属校と系属校の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

附属校の特徴

附属校は、早稲田大学が直接経営する学校です。卒業生のほぼ全員が早稲田大学に進学します。現在、附属校に該当するのは

**早稲田大学高等学院・高等学院中学部(男子校)**です。

  • 教育理念の一貫性:早稲田大学の理念に基づく教育。
  • 専門分野への早期探求:生徒の興味に応じた高度な学問の学習。
  • 早稲田大学への全員進学:早稲田大学への道が保証されている。推薦で確実に早稲田に行きたいなら学院、東大を目指したいなら早稲田中と住み分けされています。

医学部が存在しない早稲田大学のために日本医科大学への進学枠が2名を上限に設けられております。しかし大変な高倍率となるため慶應の内部から慶應大学医学部の推薦枠を取るよりも熾烈な争いになることは間違いありません。

系属校の特徴

系属校は、早稲田大学と連携しつつ別法人が運営する学校です。早稲田大学への推薦枠が設けられていますが、その枠数は学校ごとに異なります。該当する学校には以下があります:

  • 早稲田実業学校初等部・中等部・高等部:推薦枠100%。
  • 早稲田中学校・高等学校(男子校):推薦枠約50%。
  • 早稲田佐賀中学校・高等学校:推薦枠約50%。

地方に所在する系属校もあり、地理的な制約なく早稲田大学を目指せる点が特徴です。

早稲田佐賀はその名の通り九州にあるので都内在住の受験生からはあまり対称にならないでしょう。

【小学生時点での決断】早稲田に確実に進学か国公立や医学部も視野に入れたいか

都内で早稲田に確実に進学させたいならば前述の早稲田学院か早稲田実業がオススメ。この二校ならよほど何かをしでかさない限り早稲田大学へエスカレーター上りができます。しかし早稲田中学校・高等学校(男子校)は推薦枠約50%でありながら取らなかった半分は早稲田以下にしか行けないのかと言えばそんなことはありません。高い教育水準を保ち東大には約40名、その他旧帝大にも10名ずつ程度を排出。当然旧帝大の合格を取れる学力があれば一般入試で早稲田に合格できますから毎年100名ほど合格者を出しています。慶應にも70名ほどの合格を出すのでむしろ早稲田大学への50%の推薦枠が余る年もあるということです。将来を見据えて早稲田大学だけではなく旧帝大や早稲田大学にはない医学部へも進学を考えている場合は早稲田中学校の進学がベストかもしれません。一方地方から早稲田大学に行けるということで早稲田佐賀は推薦が人気。九州大学や旧帝大への一般入試組も人気ながら推薦枠は取り合いになることが多い。2010年創立でまだまだ若い学校なので今後傾向が変化することは考えられます。

中学受験で女子は早稲田の付属校に入りずらい

早稲田中学が男子校、大学高等学院・高等学院中学部も男子校。早稲田実業学校と佐賀も女子は男子の半分(2:1)しか定員がありません。
慶應でも同様の事象があります。早慶は女子受験生にとって高い壁となって聳え立ちます。

このことから女子は早稲田の系列校に入ることがかなり難しくなっています。さらに偏差値も70近くあるためこれだけの成績が取れるのに逆に早稲田大学で頭打ちなんてもったいない…と思ってしまう人がほとんど。中学受験時点でこの成績ならば大学受験で早稲田には十分届くとの見込みから多くの予備校でも御三家の受験を勧められることでしょう。また医学部などに行きたくなった際に早実では受験生がほとんどいないため緊張感に欠けます。学校としても受験させるノウハウがないため苦戦必至です。


各学校の詳細情報

早稲田大学高等学院・高等学院中学部(男子校)

教育カリキュラム

受験勉強に縛られない自由な教育が特徴で、高校では第二外国語が必修です。SGH(スーパーグローバルハイスクール)にも認定されており、グローバル社会で活躍するための基礎を築けます。

受験のポイント

  • 算数:複雑な条件の問題への対応力が求められる。
  • 国語:文章全体を読み解く力が必要。
  • 社会・理科:知識の正確性とスピードがカギ。

立地・概要

  • 最寄り駅:西武新宿線上石神井駅(徒歩7分)
  • 創立年:1920年(2010年に中学部が新設)
  • 附属校:前述のとおり中学で唯一の附属校である早稲田学院。早稲田大学が直接経営する学校である。中学ができたのは最近であるためやや教育に不安があるも早稲田大学への進学がほぼ約束されるため人気は高い。大体偏差値65が合格ライン
  • 推薦枠:100%。

早稲田実業学校初等部・中等部・高等部

校風と特色

「去華就実」の精神を基盤に、学問だけでなくクラブ活動や個人活動を通じて総合的な成長を目指します。週6日制で、効率よく学びと課外活動を両立させることが可能です。

受験のポイント

  • 算数:標準~やや難レベルの問題を確実に解ける力。
  • 国語:抜き出し設問への対策が必須。
  • 社会:思考力と判断力が求められる。
  • 理科:基礎を徹底しつつ応用力を磨く。

立地・概要

  • 最寄り駅:JR国分寺駅、西武線国分寺駅(徒歩7分)
  • 創立年:1901年(初等部は2002年開校)
  • スポーツの早実:野球は甲子園常連校である早稲田実業、現日ハムで高校生最多本塁打記録保持者の清宮幸太郎やハンカチ王子斎藤佑樹の活躍は記憶に新しい。古くは王貞治まで遡り文武両道としての地位を高めている。また野球以外の部活動も盛んでスポーツをしに早実にくる人もいるくらいである。しかし試験前からは部活動が禁止になるなどの制限も多い。しかし付属大学を持たない中高一貫校とは違い早稲田への進学が保証されているため中高一貫校にしてはかなり部活動が盛ん。勉強だけでなくスポーツもやらせたいという家庭にとっては理想的な環境ともいえる。
  • 珍しい部活動も:またかつては都内には数少ないアイスホッケー部が存在していた。テリー伊藤が立ち上げた早稲田実業高校アイスホッケー部はインターハイ常連の強豪校であったが近年の都内のスケートリンク消失などの煽りを受ける形で廃部となってしまった。
  • 初等部:早稲田実業小学校(初等部)は、2002年に開校しました。早稲田実業学校は、1901年に早稲田実業中学として設立されましたが、初等部は2001年に創立100周年を迎えた際に、男女共学化と同時に開校しました。早稲田の中では唯一の小学校。慶應幼稚舎に対抗すべく作られたとされる。

早稲田中学校・高等学校

教育の特色

中高一貫教育を活かし、基礎から応用まで段階的に学力を養成します。特に、音楽や家庭科など受験科目外の授業にも注力しており、生涯役立つ幅広い知識を習得できます。

受験のポイント

  • 国語・算数:短時間で高い読解力・計算力が必要。
  • 社会・理科:幅広い分野の基礎知識が問われる。

立地・概要

  • 最寄り駅:東京メトロ東西線早稲田駅(徒歩1分)
  • 創立年:1895年(中学)、1948年(高校)
  • 早稲田大学のすぐ近くにある系属高校。駅からはこちらの方が近い。早稲田大学のお膝元にあるため全員が早稲田大学を目指すと思いきや東大や医学部など外部への輝かしい進学実績を誇る。早稲田大学を視野に入れながらさらに上を目指させたい家庭に最もオススメな一校。50%しかない早稲田大学ヘの推薦枠も余る年が多いとのこと。しかしながら100%進学ではないということには注意が必要で深海魚になることは許されないということである。年によっては枠がいっぱいになることも当然あることも考えればリスクは伴う。

早稲田佐賀中学校・高等学校

校風と特色

地方に位置する系属校でありながら、早稲田大学との強い連携が特徴です。推薦枠は50%で、地方在住者にとって魅力的な選択肢となっています。

創立年:2010年(平成22年)4月

早稲田大学の創立125周年記念事業として2010年(平成22年)4月に開校しました。

・推薦枠:50%。東京の早稲田中高とは異なり推薦枠が圧倒的に人気。この学校入れれば終わりではなくそこから熾烈な席争いが待っている。それでも二人に一人早稲田に行けるのは破格と言えます。


まとめ

早稲田大学附属校・系属校は、それぞれ異なる魅力と教育方針を持っています。進学を検討する際は、学問への興味や将来の進路、学校の特色を十分に考慮することが重要です。附属校では早稲田大学への確実な進学を、系属校では多様な学びと可能性を追求できます。

また、早稲田の教育は学力だけでなく、個性や人間性を育むことを重視しています。これらの学校が提供する環境で、お子様がその才能を最大限に発揮できる道を見つける手助けをしてみてはいかがでしょうか。

オマケ 本庄早稲田ってなかったっけ?

  • 本庄早稲田は高校のみ
    新幹線の駅でもおなじみの本庄早稲田:早稲田大学本庄高等学院は中学校がありません。つまり中学受験ではないれないということです。もともとは男子校でしたが2007年に共学化されました。都心から離れて立地しており、自宅からの通学が困難な生徒のために寮も用意されています。ちなみに早稲田大学の系属校を含めて、中学校を併設していないのは本校と早稲田渋谷シンガポール校のみです。
  • 寮か通いか
    基本的には自宅から通っている生徒が多い。JR高崎線「本庄」駅からスクールバスで約13分、「寄居」駅からスクールバスで約30分と新幹線駅以外からもアクセスできる。また地元推薦枠があり地元の中学生からは人気。
  • 推薦枠
    100%。医歯薬系学部や東京大学などを目指して外部受験をする生徒を除いてほぼ全員が早稲田大学へ進学できる。また医学部のない早稲田大学のため2020年に日本医科大学と高大接続連携協定を締結し、2022年卒業生から毎年2人ずつ同大学に推薦入学できるようになりました。

この記事を書いた人

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