「割合の問題になると、かけ算か割り算か分からなくなる」「公式は覚えたのに、文章題では使えない」。小学5年生の算数で、そんな様子はありませんか。
割合で迷ったときは、計算を始める前に「何を基準に比べているのか」を確かめましょう。ここが決まると、数字の関係を整理しやすくなります。
Q. 割合の「もとにする量」は、どう見つける?
A. 「何を1、または100%としているか」を考えます。「赤い玉は、玉全体の30%」なら、100%にあたる玉全体の個数が、もとにする量です。
ただし、基準はいつも「全体」とは限りません。2つの長さを比べる問題では、どちらの長さを基準にするかで割合が変わります。
この記事で分かること
- 割合に登場する3つの量の違い
- もとにする量を見つける手順
- 式の立て方と、理解を確かめる練習問題
割合がわからないときに確認したい3つのこと
「割合が苦手」という状態にも、いくつかの違いがあります。まず、どこで迷っているかを分けて見てみましょう。
- 基準が分からない:何を100%とするのか決められない。
- 数字の役割が分からない:人数や長さと、割合を混同している。
- 百分率の変換で迷う:25%を0.25に直せず、そのまま計算している。
例えば、式は正しく立てられるのに計算を間違える場合と、何を求めるか分からない場合では、必要な練習が異なります。公式を繰り返す前に、止まった場所を確かめることが大切です。
「もとにする量」「比べる量」「割合」の違い
割合の問題では、基準になる量・それと比べる量・何倍かを表す数の3つを整理します。
例:図書室の本80冊のうち、物語の本は20冊です。
- もとにする量:基準となる本全体の80冊
- 比べる量:全体と比べたい物語の本20冊
- 割合:20÷80=0.25。百分率では25%
本全体の80冊を「1」と見ると、物語の本20冊はその「0.25」にあたります。割合は、このように基準の何倍かを表します。
教材によっては「比べる量」を「比べられる量」と呼ぶこともあります。この記事では「比べる量」で統一します。
百分率は「基準を100とした表し方」
25%は、基準を100としたときの25にあたる割合です。小数に直すと25÷100=0.25になります。
- 10%=0.1
- 25%=0.25
- 100%=1
80冊の25%を求めるなら、80×0.25と計算します。80×25では「25倍」になるため、求めたい大きさと違ってしまいます。
もとにする量を見つける3ステップ
ステップ1:「何を基準に?」と言い換える
例えば「赤いリボンの長さは、青いリボンの長さの60%です」という文を考えます。
これは「青いリボンを基準にすると、赤いリボンは60%の長さ」と言い換えられます。もとにする量は、青いリボンの長さです。
「何の何%か」に注目すると見つけやすくなります。ただし、文章中の「の」だけを目印に機械的に決めず、比べている関係を言葉にして確認しましょう。
ステップ2:基準の横に100%と書く
問題用紙の余白に、次のように書いてみます。長さがまだ分からなくても、基準は決められます。
青いリボン:100%
赤いリボン:60%
この段階で、赤いリボンの方が短いことも分かります。式を立てる前に大小関係を考えると、計算後の確認に使えます。
ステップ3:求めるものを空欄にして関係を書く
割合の基本になる関係は、次の式です。式の中で使う割合は、小数や分数で表します。
もとにする量 × 割合 = 比べる量
先ほどのリボンなら「青の長さ×0.6=赤の長さ」です。ここに分かっている長さを入れ、分からない部分を□にしてみましょう。
同じ関係で比べる、割合の3つの例題
割合の問題は、どの量を求めるかによって計算が変わります。同じリボンの関係で確かめてみましょう。
例題1:比べる量を求める
青いリボンは30cmです。赤いリボンは青いリボンの60%の長さです。赤いリボンは何cmですか。
基準は青いリボンの30cmです。赤いリボンはその0.6倍なので、次のように計算します。
30×0.6=18 答え:18cm
60%は100%より小さいため、答えが30cmより短いことも確認できます。
例題2:もとにする量を求める
赤いリボンは18cmで、青いリボンの60%の長さです。青いリボンは何cmですか。
基準は今回も青いリボンです。文章に先に出てくる18cmが、もとにする量とは限りません。
「青の長さ×0.6=赤の長さ」に当てはめると、□×0.6=18です。
18÷0.6=30 答え:30cm
60%にあたる18cmから100%の長さを求めるので、答えは18cmより長くなります。
例題3:割合を求める
赤いリボンは18cm、青いリボンは30cmです。赤いリボンは青いリボンの何%の長さですか。
「青いリボンの何%」なので、30cmが基準です。比べる量を、もとにする量で割ります。
18÷30=0.6
0.6×100=60 答え:60%
3問とも、表している関係は「30cmの60%が18cm」です。公式を別々に暗記するだけでなく、同じ関係のどこが空欄になっているかを見ると整理できます。
「大きい数字がもとにする量」とは限らない
全体と一部分を比べる問題が続くと、「もとにする量は大きい方」と覚えてしまうことがあります。しかし、基準は数字の大きさではなく、問題文の比べ方で決まります。
例:姉は1,200円、弟は800円持っています。姉の所持金は、弟の所持金の何%ですか。
基準は弟の800円です。
1,200÷800=1.5 答え:150%
今回は比べる量の方が大きいため、割合が100%を超えます。「割合は必ず100%以下」というわけではありません。
このような問題で迷ったら、「弟の800円を100%とすると?」と問い直してみましょう。
家庭では、式の前に3つの質問をする
お子さまが止まったときは、すぐに「ここは割り算」と教える前に、次の順番で確認してみてください。
- 「何を100%としている?」
基準になる量を探します。 - 「今、求めたいのは何?」
人数・長さなどの量なのか、割合なのかを確かめます。 - 「分かっている数字を入れると、どんな関係になる?」
もとにする量×割合=比べる量に当てはめます。
3つを一度に答えさせなくても構いません。「何を100%とするか」が見つかったら、そこまでを確認して次へ進みましょう。
解き直しの進め方で迷う場合は、小4・小5の家庭学習で復習を続ける工夫も参考にしてください。
理解を確かめる練習問題3問
まずは計算せず、それぞれ何が100%にあたるかを言ってみましょう。その後で式を立ててください。
問題1
花だん全体の面積は45平方メートルです。その20%にチューリップを植えます。チューリップを植える面積は何平方メートルですか。
問題2
ある本を24ページ読みました。これは本全体の30%です。この本は全部で何ページありますか。
問題3
昨年の参加者は40人、今年は50人でした。今年の参加者は、昨年の参加者の何%ですか。
答えと考え方
問題1:9平方メートル
100%は花だん全体の45平方メートルです。45×0.2=9と計算します。
問題2:80ページ
100%は本全体のページ数です。□×0.3=24なので、24÷0.3=80と計算します。
問題3:125%
100%は昨年の40人です。50÷40=1.25なので、百分率では125%になります。
問題3は「今年は昨年の何%か」を聞いています。「何%増えたか」なら、増えた10人を昨年の40人と比べるため、答えは25%です。問いの違いにも注意しましょう。
よくある質問
Q. 割合は分数で考えてもよいですか?
A. はい。小数と同じ割合を表していれば、分数でも考えられます。例えば25%は0.25であり、4分の1でもあります。80冊の25%なら、80÷4=20と求められます。
Q. 公式を覚えるより先に、何を練習すべきですか?
A. まずは、短い文章から基準を見つける練習がおすすめです。「水そうの容量の半分」「先月の売上の80%」などで、何が100%かを答えてみましょう。計算を分けると、文章の理解に集中できます。
Q. 解説を聞けば分かるのに、一人だと解けません。
A. 解説を閉じて、基準と式の意味を説明できるか確認しましょう。途中で止まる場合は、その箇所をもう一度確かめます。慣れたら数字を変えた問題で、自力で同じ考え方を使えるか試してください。
まとめ:割合は「何を100%とするか」から始めよう
割合の文章題で迷ったら、公式に数字を入れる前に、基準と求めるものを整理しましょう。
- 何を1、または100%とするかを見つける。
- もとにする量×割合=比べる量の関係を書く。
- 求めた答えの大きさが、問題の関係に合うか確かめる。
すぐに速く解けなくても、まずは「この数字が基準」と説明できれば一歩前進です。どこまで分かっているかを確かめながら、少しずつ練習していきましょう。
算数のつまずきを相談したい方へ
割合のどこで止まっているか分からないときは、答案や途中式を講師に見てもらう方法もあります。
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