算数

仕事算は全体を1にしない|最小公倍数で分数を使わずに解く方法

算数 / 2026年9月30日

すべて 中学受験に役立つ体験学習 中学受験ブログ 保護者・家庭 保護者コーチング 塾選び 学校別解説 学校見学 小学生の本音 志望校選び 算数 長期休みの学習
算数 2026年9月30日

仕事算は全体を1にしない|最小公倍数で分数を使わずに解く方法

仕事算を教科書どおりに教えると、最初の一歩で分数が出てきます。全体の仕事を1として、1日にできる量は12分の1。ここで多くの子が脱落します。

分数の足し算そのものは小5でできます。それでも詰まるのは、12分の1という数が何を表しているのかが見えないからです。目に見えない量を分数で扱うのは、大人が思うより負担が大きい。

解決策があります。全体を1ではなく、整数に置き直すことです。この記事ではその方法を図で説明します。

全体を1ではなく整数にする

仕事の全体量は、問題文のどこにも書かれていません。書かれていないということは、こちらで好きな数に決めてよいということです。

決め方にはコツがあります。かかる日数の最小公倍数にする。そうすると1日あたりの量が必ず整数になり、分数が一度も出てきません。

問題1

ある仕事を、Aさん1人でやると12日、Bさん1人でやると6日かかります。2人で一緒にやると何日で終わりますか。

12と6の最小公倍数は12。そこで、全体の仕事を12と決めます。

図1 全体の仕事を12として考える

仕事の全体 12

Aさんの1日
12÷12=1
Bさんの1日
12÷6=2
2人の1日
1+2=3

全体12のうち、2人で1日に3ずつ進む。12÷3=4日で終わる。分数は一度も出てこない

Aさんは12日で全部を終えるので、1日にできるのは12÷12=1。Bさんは6日なので12÷6=2。2人合わせて1日に3。

全体が12で、1日に3進むので、12÷3=4日。これが答えです。教科書の方法で解くと12分の1と6分の1を足して4分の1、その逆数で4日となりますが、出てくる数字は同じです。整数のほうが子どもには見えます。

途中で交代する問題

問題2

同じ仕事を、はじめの4日間はAさん1人でやり、残りをBさん1人でやりました。全部で何日かかりましたか。

図2 仕事を2人で分け合ったとき

4
8
Aさんが4日で1ずつ
Bさんが2ずつ
Aさんの分 1×4=4  残り 12−4=8  Bさんの日数 8÷2=4日
合計 4+4=8日

帯を2人で分け合う形にすると、どちらが何を担当したかが一目で分かる。残りの量を先に出すのが手順

交代する問題は、残りの量を出す一手を飛ばすと解けません。全体から先にやった分を引く。この引き算を図の上でやらせてください。帯のどこまでが済んだのかを指で押さえると、ミスが減ります。

全体量の決め方

最小公倍数にするのが基本ですが、慣れないうちは「日数を全部かけた数」でも構いません。数が大きくなるだけで、答えは変わりません。

問題の条件 全体量 1日あたり
A12日/B6日 12 A 1/B 2
A10日/B15日 30 A 3/B 2
A8日/B12日/C24日 24 A 3/B 2/C 1
A7日/B5日 35 A 5/B 7

4段目に注目してください。7日かかるAさんのほうが1日あたりの量は5で、5日かかるBさんは7。かかる日数が多い人ほど1日の量は少ない。この逆の関係に気づかせておくと、答えの妥当性を自分で判断できるようになります。

子どもがつまずく3か所

全体量を勝手に決めてよいことが信じられない

問題文に書いていない数を自分で決める、という作業に抵抗があります。全体を12にしても24にしても答えが同じになることを、一度実際に両方でやらせてみてください。納得の仕方が変わります。

日数と1日の量を取り違える

12日と1日の量1が、どちらも同じ問題の中に出てくるので混線します。図に書き込むときは、帯の中が量、帯の外が日数と決めておくと整理できます。

最後に日数に戻し忘れる

全体量を12と置いたあと、答えとして3や8を書いてしまう間違いです。聞かれているのは日数。最後に「何日か」を声に出して確認させてください。

家庭で使える声かけ

全体の仕事、いくつにしたら計算が楽になりそう
最小公倍数という言葉を先に出さず、自分で選ばせます

Aさんは1日にいくつ進む
全体÷日数。ここを整数で出せれば半分は終わりです

2人だと1日にいくつ
足し算するだけ。ここで速さの合計と同じ考え方だと気づく子もいます

いま出した数は、日数なの、仕事の量なの
最後の確認。取り違えの大半がここで防げます

旅人算で2人の速さを足したのと、仕事算で1日の量を足すのは同じ構造です。速さの単元をすでに済ませているなら、そこと結びつけて説明すると理解が早くなります。

よくある間違いと対処

日数を足してしまう 12日と6日を足して18日、あるいは平均して9日。2人でやったのに1人より遅くなるのはおかしい、と気づかせてください

交代の問題で残りを出さない 全体から済んだ分を引く一手です。図2の帯で、どこまで塗られたかを確認させると防げます

割り切れないときに止まる 8÷3のように割り切れない場合は、分数のまま日数で答えます。3分の8日、つまり2日と3分の2日。ここだけは分数が必要です

学年ごとの進め方

小5前半まで

最小公倍数と割合が入っていない段階では、まだ早い単元です。無理に進めず、公倍数の練習を先に済ませてください

小5後半

この記事の段階です。2人の共同作業と、途中交代の2パターンを整数で処理できれば十分。分数の解き方は後回しで構いません

小6

3人以上、休みが入る、途中から人数が増える設定へ。ニュートン算もこの延長線上にあります。整数で考える習慣があると移行が楽です

入試で出るのは小6の応用形です。ただ、設定が複雑になっても「全体をいくつと置くか」「1日にいくつ進むか」の2つを出す手順は変わりません。ここを崩さないことが大切です。

INSPIRE ACADEMYでの仕事算の扱い

仕事算でつまずいている子を見ると、原因が仕事算にないことが多くあります。最小公倍数が素早く出せない、割合の意味が曖昧、速さの単元が抜けている。そのいずれかです。

当塾では、単元でつまずいたときに前に戻る判断を重視しています。同じ単元を繰り返すより、原因のある場所に戻るほうが早く解決します。どこまで戻るかは、答案を見て決めます。

まとめ

仕事算は、全体を1ではなく日数の最小公倍数に置くと分数が出てきません。A12日・B6日なら全体は12。1日あたりはAが1、Bが2、2人で3。12÷3=4日です。

途中で交代する問題は、全体から済んだ分を引いて残りを出す一手が要ります。図2のように帯を分け合う形で描かせてください。

聞くべき一問は「いま出した数は、日数なの、仕事の量なの」です。仕事算の失点の多くは、この取り違えから起きています。

あわせて読みたい

旅人算のダイヤグラムはどう読めばいいか

食塩水の濃度はてんびん図でどう解くか

つるかめ算はどう教えればいいか

つまずきの原因が、その単元にあるとは限りません

仕事算が解けないのは、公倍数や割合の抜けが原因のことがあります。どこまで戻るべきかを答案から判断します。

無料学習相談を申し込む

← ブログ一覧に戻る

無料体験授業 受付中

まずは、お気軽に
ご相談ください。

体験授業はいつでも受付中。対面・オンライン、どちらでも対応いたします。

お問い合わせはこちら LLINE連絡