内容確認日:2026年10月9日/対象:場合の数を学ぶ小5を中心とした小学生の保護者
場合の数で2で割るのは、同じものをちょうど2回ずつ数えているときです。「2人を選ぶから割る」と覚えると、別の問題で迷います。先に確かめたいのは、順番を逆にしたものを同じ一つとして扱うかどうか。
昨日は割らずに正解したのに、今日は割らないと不正解。「問題をよく読んで」と言われても、子どもには見る場所が分かりません。ここでは同じ4人を使い、問題の何が変わると答えが変わるのかを比べます。
同じ4人でも答えが変わる二つの問題
登場するのは、あき・いお・うみ・えまの4人。まず「この中から代表を2人選ぶ」とします。代表の2人に役割の違いはなく、選ばれた順番も区別しない問題です。
あきといおを選んでも、いおとあきを選んでも、できあがる代表は同じ2人になる。名前を書いた順番が変わっただけで、新しい組が増えたわけではありません。
では「司会を1人、記録係を1人決める。同じ人は兼任できない」ならどうでしょう。あきが司会でいおが記録係の場合と、その逆では仕事内容が変わります。こちらは別々の決め方として数えます。
図1 名前の順番を交換したら同じもの?
代表2人を選ぶ
いお・あき
二つの書き方をまとめて1組
司会と記録係を決める
役割が違うので2通り
保護者が聞くなら、「あきといおを入れ替えたら、何が変わる?」が使えます。「選ぶ問題か、並べる問題か」と分類名を答えさせるより、具体的な2人で違いを説明してもらうほうが確認しやすい。
問題文に「選ぶ」とあっても、会長と副会長を選ぶなら役割を区別します。動詞だけを目印にせず、できあがった一つの結果が何を表すかを読み取ることが必要です。
12通りを6組に直す理由
代表選びを、いったん順番を付けて数えます。最初の人は4人から選べる。次は同じ人を選べないので残り3人。4×3=12通りになりますが、この12には逆順の組も含まれます。
下の表では、最初に選んだ人を縦、次に選んだ人を横に置きました。「あき・いお」と「いお・あき」のように、同じ2人の組が表の両側に一つずつ現れます。
図2 代表選びなら金色の6マスを数える
| 最初/次 | あき | いお | うみ | えま |
|---|---|---|---|---|
| あき | 不可 | 1組目 | 2組目 | 3組目 |
| いお | 1の逆順 | 不可 | 4組目 | 5組目 |
| うみ | 2の逆順 | 4の逆順 | 不可 | 6組目 |
| えま | 3の逆順 | 5の逆順 | 6の逆順 | 不可 |
金色:残す6組/白:同じ組の逆順6個/灰色:同じ人なので選べない
12通りのうち、どの組も2回ずつ数えている。だから12÷2=6組に直します。2で割る理由は「代表が2人だから」ではなく、一つの組に二つの書き方があるからです。
係決めでは、この表の縦を司会、横を記録係として読みます。白いマスも金色とは別の役割分担なので残り、答えは12通り。同じ表でも、何を数える問題なのかによって残すマスが変わります。
最初から重複を作らない書き出し方
代表選びは、最初から同じ組を書かずに数えても解けます。あきと組む相手は、いお・うみ・えまの3人。次にいおから始めるときは、あきとの組がすでにあるので、うみ・えまの2人だけを残します。
うみから始めるときは、えまとの1組が残る。えまから始める新しい組はもうありません。3+2+1=6組。この数え方は初めから重複を除いているので、最後にもう一度2で割ってはいけません。
子どもが6組を書き出した後に3組と答えたら、「割り算が苦手」とは限りません。「組み合わせなら2で割る」という手順だけを覚えている可能性があります。書いたものと式が対応しているかを見ます。
「この6組の中に、同じ2人がもう一度出てくる?」と聞き、一組ずつ確かめます。重複がないと分かれば、ここで割る必要がないことを自分で説明できます。
樹形図で解いている場合も考え方は変わりません。「あきからいおへ進む枝」と「いおからあきへ進む枝」は、代表選びでは同じ組です。枝の先を数え終わったら、それぞれが誰と誰の組なのかを読み上げます。
紙に書く作業にはどうしても順番が生まれます。でも、書いた順番を問題の答えでも区別するとは限りません。「書く順番」と「問題が区別している順番」を分けると、樹形図を使う理由も整理できます。
答案から分ける三つのつまずき
場合の数で答えが合わないと、保護者には「数え方が雑」「また同じミス」に見えることがあります。ただ、数え漏れと重複と条件の読み違いでは、戻る場所が違います。
| 答案の様子 | 確認すること | 次の練習 |
|---|---|---|
| 代表選びを12と回答 | 逆順を別の組にしていないか | 同じ2人の組を線で結ぶ |
| 書き出しが5組で終了 | 最初の人を固定しているか | あきの組を終えてから次へ進む |
| 係決めまで6と回答 | 役割の違いを区別できるか | 名前の横に担当を書く |
講師が確認したいのは、答えだけでなく最初に書いた一組です。それを何の一例として書いたのか、次の組をどう決めたのか。途中をたどると、計算に入る前の判断を確かめられます。
表を使えば解けるのに白紙では止まる場合は、数え方ではなく整理の始め方が課題かもしれません。最初は保護者が表の縦横の名前だけ書き、慣れたら名前を書くところから本人に任せます。
逆に、表は作れていて一か所だけ抜けるなら、初めから全部説明し直す必要はありません。終えた行に印を付けるなど、確認の手順を足します。手助けは、止まった段階に合わせて変えられます。
4×4=16と書いた場合は、重複より先に「同じ人を二度選んでよいか」を確かめます。あきが最初に選ばれた後、次の候補にあきが残っていないか。問題の条件と表の「不可」のマスを結び付けます。
ここで保護者が先に「残りは3人」と言うと、本人が条件に気づいたか分かりません。「最初にあきを選んだとして、次に選べる人を指して」と頼みます。言葉で説明しにくい子でも、指さしなら判断を示せます。
条件を変えて確かめる三つの練習
説明の直後に6と答えられても、考え方を使えるかはまだ分かりません。次は、登場するものや条件を少し変えます。以下はすべて説明用に作成した問題で、特定の学校の過去問ではありません。
練習1 5人から代表を2人選ぶ
役割や選ばれた順番を区別しないなら、5×4÷2=10組。4+3+2+1=10組でも正解です。二つの式のどちらを使ったかより、同じ組を二度数えたかどうかを説明できることが大切です。
練習2 4枚のカードから2桁の整数を作る
1・2・3・4のカードが1枚ずつあり、異なる2枚を使います。12と21は別の整数なので、4×3=12個。人から数字に変わっても、入れ替えた結果を区別するかという判断は同じです。
練習3 4人から代表を3人選ぶ
順番も役割も区別しません。この場合は、選ばない1人を決めると代表3人が決まり、答えは4組です。「選ぶ問題ならいつでも2で割る」という覚え方が通用しないことも確認できます。
順番を付けて数えると4×3×2=24通りですが、同じ3人には6通りの並び方があります。そのため24÷6=4組。まだ難しければ、まず一組の3人だけを並べ替え、六つの書き方を実際に作ってみます。
家庭で全問を一度に扱う必要はありません。本人が迷った問題で止め、「同じものを何回数えた?」に答えられるところまで戻る。人数を増やして計算量を足すより、数えているものを説明する練習を優先します。
テスト全体の復習量にも困っている場合は、小4・小5の算数でテスト直しの範囲を決める方法も参考になります。今回の単元では、同じ誤りを繰り返した一問から確認できます。
家庭で説明しきれないときの算数相談
INSPIRE ACADEMYは、中学受験を専門とする個別指導塾です。「なぜ割るのか聞かれると、親も説明に困る」といった算数の悩みも、無料体験授業・学習相談でお寄せいただけます。
相談の際は、答えを書き直す前のノートがあると、本人の数え方を共有できます。集団塾の宿題で止まった問題も含め、何を理解できていて、どの段階で助けが必要なのかをお聞かせください。
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